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自由研究のすすめ方②/手紙の後半

 今回は前回からの続き〈昨年の自由研究の講座を受講してくれた方たちへ書いた手紙〉の後半です、未読の方は前回に戻ってお読みください。

 今回の講座でみなさんとたのしんだ内容は〈自由〉研究です。

 すると〈自由でない研究〉というものがあるのでしょうか?

 あるんです。
 〈やらされ型の研究〉というものがあるのです。

 キミはこれを研究しなさい、あなたはあれを研究しなさい、という様に命じられてがんばっていく研究です。

 そういう研究は、まだ研究とは何かを学びはじめている時、あるいは未熟な研究で、大きな成果は期待できません。
 そういう研究は、自分がやりたいと思っているわけではなく、仕事の一つとしてやらされていたり、成果があがったら給料があがるという様なほうびをあたられてやっていることが多いので、大きな成果は期待できませんし、やっている本人の幸せや豊かさに繋がるとも思えません。

 人間の歴史を見ても、大きな成果をあげた研究というのは「これをやりなさい・あれをやりなさい」と命令されてやっている研究ではありません。

 自分が「こういう研究をしたい」と考えて、どんどんその研究をすすめていった人たちが、大きな発明や発見をしているのです。

 やらされ型ではなく自分の興味関心にしたがってすすめていく研究、それが〈自由研究〉です。

 自由研究していった人たちは、何しろ熱意が違います。
 周りの人に「やめろよ」と止められても、自分のやりたい研究を進めて行きました。

 時には、困ることもおこって、研究を中断することがあったかもしれません。しかし状況が良くなったら、また研究をはじめていきました。

 科学のもっとも基本である〈原子〉も、そうやって研究していった科学者が発見したのです。

 太陽が地球を回っているのではなく、地球が太陽を回っていることも、そういう人たちが発見しました。

 大きいものと小さなものを落としてもほとんど同時に落ちることも、自由に研究していった人が発見したのです。

 たのしい教育研究所(RIDE)の授業を受けたみなさんが、いつか自分で「これを研究したい」というものが見つかったら、それはすばらしいことです。自由に研究するたのしさは、みなさんの生活をたのしく豊かにしてくれることでしょう。

 はじめに書いた様に、科学者になる人たちが必要なことではないのですよ。

 ごく普通の暮らしの中でも、音楽が好きな人はスピーカーの置き方などで「もっとよく聞こえる音の研究」ができるでしょう。

 先生になる人たちは「もっと子ども達がたのしく授業してくれるものを探す研究」ができるでしょう。実際、たのしい教育研究所には、そうやって、いろいろな研究をしている人たちがたくさんいます。

 夏休みは終わりますけど、みなさんが、これから好きなことを見つけて、自分で予想を立てて確かめていくことができる様になることを、たのしみにしています。

 何か、たのしい実験がみつかったら、たのしい教育研究所にも教えてくださいね。

 では、また会えることをたのしみにしています。

 もしかすると、また10月に、親子で参加できるたのしい講座を開くことができるかもしれません。その時には連絡しますね。

以上

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