科学者ファラデーも普通の人間

教育の世界で有名な板倉聖宣ですが、教育の世界で注目される前から「科学史」で独自の研究をしていました。
現在は「日本科学史学会」の会長もしています。
子ども達向けの本をかなり書いている板倉聖宣の話は、内容が魅力的であるだけでなく、とてもわかりやすいのですよ。

最近、ガリレオやファラデーの文献をあたっているときに、板倉聖宣が「ファラデー」について講演で語った文章を読みました。

ファラデーの収入や健康状態などを読むと、さらにファラデーのことが魅力的に思えてきました。
皆さんも読んでみませんか。
1991年夏「授業科学の方法論研究会(阿蘇)」で語られた内容です。
古いコピーがあったので、それを書き起こしました。読みやすくなる様に喜友名が少しだけ手をいれました。

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ぼくは、学生時代から〈アリストテレスはどうやって生活していたのか〉ということが気になっていました。
何故そんなことが気になったかというと、ぼく自身が、大学を卒業したらどうなってしまうのか心配だったからです。

ぼくは何かをして稼がないと科学者にはなれません。
アリストテレスみたいになるにはどうしたらいいか。
ガリレオみたいになるにはどうしたらいいか。

ガリレオは大学教授になりました。
大学教授になると食べていけると普通は思います。
しかし、大学教授になるのも簡単ではありません。
ファーブルは、師範学校を出て小学校の先生になりました。
しかし,小学校の先生より中学校の先生の方が収入が良いということで、検定試験で中学校の先生になって物理と化学を教えました。
ファーブルは、書いた啓蒙書が当たってたくさん売れました。
それで校長とけんかして、学校をやめて『昆虫記』を書いたのです。

ぼくはファーブルの収入調査もしました。
ヨーロッパでは収入によって人を差別する習慣があるので、日本よりヨーロッパの方が収入調査ができます。

江戸時代でも100万石しか1万石とか5万石とかの大名がいました。
◯◯石だとわかる、というのは収入調査の一種です。
明治時代には、渡辺敏が40円校長だと新聞に出たことがありました。
戦前は校長の月給が新聞に出ていたのです。
市町村の教育委員会が「今度はいい校長をいくらで連れてこよう」という事を決めていました。

ファラデーは面白い事があったから科学をしたのです。
そしてファラデーはお金を稼ぎすぎて体を壊します。
いくら稼いだかというと今のお金で年間に2000万円ぐらい稼いでいます。
2000万円も稼いでいるのですから、これは出世です。
でも体をこわしたので彼はお金を稼ぐことをやめました。
みんなは体をこわしたファラデーを心配して、アルバイトしなくてもお金が稼げるようにいろいろ援助してくれています。

そういう歴史を見ると、人間らしいファラデーが見えてきます。
天才ファラデーではなく「人間ファラデー」です。

ぼくたちも人間です。
ファラデーやえらい人は人間じゃないみたいに思うかもしれませんが、たのしい事が好きで、つまらないことが嫌いです。
みんな同じです。
私もファラデーだし、あなたもファラデー。
みんなファラデーです。

このように「ファラデーは私と同じ人間だ」という事になると研究の仕方がぜんぜん違ってきます。
「彼は天才だから不思議なことが考えられる」と思っていると、ファラデーの書いたものをみてもまともに読まないうちに「やっぱり天才だ」とすぐ言ってしまうでしょう。
「ファラデーは天才だ」と言ったら何考えなくてすみます。
でもファラデーは私と同じだ、としたら「ファラデーってこういう時にどんな事をかんがえるのだろう?」と考えるのです。

板倉聖宣はその後「わたしもファラデー」という本を書きました。
興味のある方は、ぜひどうぞ。
わたしも、その本をまた再度読みたいと思っています。

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教師こそが たのしむ授業、楽しい授業を!

今日は、若い先生達向けの授業の日でした。
私が作成した「レンズの魅力」という授業プランを少し紹介している時の一コマです。
みんな、まるで子どものように、わーわー、キャーキャーとはしゃいでいました。
スクリーンショット 2015-05-30 16.05.30 こういう人たちが、学校現場で、子ども達にたのしい教育を伝えていってくれるのだと思います。
スクリーンショット 2015-05-30 16.03.56
とりあえず知識として知っているのではなく、
「こうなるんだよ、覚えていてね、テストにでるからね」というのではなく、

「え〜、おもしろい!」と感動しする経験を伝えることができるかどうか。
その感動を子ども達にも伝えることができるかどうかが勝負です。

たのしい教育研究所では「感動をともなった知識」をテーマにいろいろなところで授業や講演をさせていただいています。
地道ですが本質的な取り組みだと思っています。

たのしい教育、たのしい/楽しい授業、年齢を問わずいろいろな方達へ感動をともなった教育を提供しているたのしい教育研究所です。

たのしい環境教育プラン「サバイバル入門」ができました

環境教育の必要性は随分以前から語られてきました。
日本は公害大国でもありましたし、京都議定書で世界的な環境問題をリードしようと努力したこともありました。

うちの研究所にも
「何かおすすめの授業はありませんか」
という問い合わせがきます。

そんな中「たのしい環境教育プラン」として「サバイバル入門(1)」が出来上がりました。

わたしが教師をしていた頃から子ども達や保護者の方達に授業してきて評価が高かった授業です。
授業時間は1時間で、小学校中学年から授業にかけられます。
興味のある方が授業にかけられるように冊子にまとめてあります。

ご希望の方はメールでお問い合わせください。

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「仮説実験授業」の考え方がベースになっていますので、仮説実験授業をよく知らない方は「仮説実験授業のABC」をまずお読みください。

仮説実験授業のABC 第5版―楽しい授業への招待

 

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おすすめ迫力画像「火星」/パブリック・ドメイン

個人的にも「宇宙」が大好きです。
今回は、子ども達にも、それからわれわれ大人にもおすすめしたい火星の画像を紹介します。
一枚一枚が高解像度な上に、著作権を放棄しているので、いろいろなものに利用可能です。

そういう画像をパブリック・ドメインpublic domainといいます。
パブリックというのは「公共の」というイメージの言葉で、ドメインはもっぱらIT用語として使われていますが「著作権」という意味も含んだ言葉です。

火星の画像の一部です。
よくみてください。
沖縄でよくみる「赤土」ですよ。

スクリーンショット 2015-05-27 13.53.45こういう画像が何枚もUPされています。
http://source.pixite.co/marsnasa/mars

いろいろなサイトがあるので、これからおいおい、おすすめの画像サイトを紹介させていただきます。
たのしみにしていてください。