最新メルマガから〈説明できなくても、たのしいものは子ども達にどんどん見せてあげる〉のがたのしい教育流!/サイフォンの原理

 メールマガジンを発行すると、その記事に対する感想や評価が届くのがたのしみです。

 今回は出して10分くらいたたないうちに二人の方から
「RIDEの今日この頃の章のミツバチの写真がとてもいい」という評価と
「授業の章のサイフォンの原理で自分も魚の水槽の水の入れ替えをしているのですけど、太い管と細い管で比較するとスピードに差が出てくるのではないかと予想しています」
というたよりが届きました。

 嬉しいことです。

 ということで今回の表紙をおとどけします。

 このサイトの読者の方に、メルマガの映画の章のタイトルをチェックして借りに行くという方もいて、時々たよりをもらいます。
 うれしいことです。

 最新号の映画の章「透明人間 2020年版」もおすすめですよ!

 今回は〈授業の章〉のサイフォンの簡単な実験を紹介する前に書いた「うまく説明できないことでも子ども達にどんどん見せてあげよう」という話を紹介します。

はじめに
〈意味が説明できないなら授業にとりあげるのはやめた方が良い〉と考えている人が多い様です。
 それはとてももったいないという話を何度かしてきました。
 不思議だ、面白いなという現象は「こういう現象があるよ、おもしろいよね」という様に、子ども達にどんどん見せてあげたいものです。

 私が敬愛するガリレオは弟子たちに、自分ではまだうまく説明できないといういろいろな現象を見せていました。


 その一つが〈深い井戸からポンプで水を吸い上げようとしても9mくらいまで来たら止まってしまう〉という現象です。
 とても不思議におもったガリレオはその研究に没頭したのですけど、なぜそうなのか解明できません。
 ガリレオの死後、その意思を引き継いだ弟子のトリチェリが〈大気圧〉の謎を解き明かしました。


 トリチェリは水ではなく〈水銀〉を利用して予想・実験しました。
 水だと9mの高低差が必要なのに、水銀は重くて1mも上がらずに止まってしてしまうので予想・実験がスムーズにいきます。 トリチェリは、液体を吸い上げるのは〈大気による圧力である。周りにある空気が液体を下に押していて、それを利用して吸い上げている〉ことを発見しました。一定の気圧の元では決まった高さまでしか液体を吸いあげることができないのです。水銀は1気圧で76cmがその限界です。
 水銀と水の密度(1㎤あたりの質量・重さ)の比は〈14:1〉ですから、水がほぼ10mで止まってしまうことも計算通りになります。
 
 ちなみに私は、この〈水銀を使うアイディアの元〉はガリレオが出したのではないかなと予想しています。何しろトリチェリがそのことを解明したのはガリレオが他界して翌年のことですから。まだ調べることができていませんけど、たのしめにとっているテーマの一つです。
 「不思議だ」と思ったことを自分の中でとどめずに、それはいろいろな人たちに伝えていくことで、たのしさが広がるだけでなく、社会も豊かになるでしょう。
 発想法の章に書きたいことまで広がってしまいました。
 ということで今回は、このトリチェリが解明した大気圧とも関わる〈サイフォンの不思議〉についてとりあげます。
 このサイフォンの原理は科学的に研究が進んでいますから、科学上の謎だというわけではありません。
 これがサイフォンの原理を示した図です。

 高い位置の液体が満たされた管の中を通って勝手に低い位置に移動してしまう現象です。上の水がいったんその位置より高い位置に上がって、下に降りていくので、見ているとほとんどの人は不思議に思うでしょう。
 私いっきゅうも、近所の上級生が魚の水そうの水をかええる時に下においたバケツにサイフォンの原理で水をどんどん移動していたのを見て、とても驚きました。
 自宅に帰って自分でホースを使って実験し、簡単に確かめることができたので、今でもその感激を覚えています。
 ところが教師になってから、知人がその現象についてめんどうな説明をしたので「もういいよ」とうんざりした経験があります。
 十分たのしい現象なのに、あれこれ説明したためにせっかくの興味が失われていくことはあるのです。逆に〈説明が間違っている可能性〉もありますから、説明できるかどうかを前にもってくるのではなく、おもしろいことはおもしろいで、どんどんとりあげるのが〈たのしい教育流〉です。

 引用はここまでとします。

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いっきゅう先生のふき掃除

たのしい教育研究所のウェルカム担当ア〜ルです!

今日は天気も良くお掃除日和!!

研究所に来てくれるお客さんや生徒さん達が、気持ちよく過ごせるように、いっきゅう先生がぞうきんがけをしています。
そばで、ぼくも見学。。。
何かできることはないかなあ。。。
うろうろ。

床を磨いたあとをあるくと肉球がとっても気持ちがいいです。
見た目も床の感触も。。。
ほーらピッカピカ。。。
しばらく、これを続けてみるぞーって
いっきゅう先生がつぶやいています。
やせる目的もあるようです。

きれいに磨いてくれてありがとうございました!!

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ミツバチのハネ

 出前児童館でやるものづくりの素材を買いにいく途中に梅見でよく散歩する公園があるので、車を止めて歩いてきました。
 梅はますます花盛り、おそらくこのここ数日が一番の見頃でしょう。

 立ち止まって道側から写真をとっていると、ピックアップトラックが近くに停まって、運転席のガラスを下げ
「にいさん、それ、梅ね?」
と聞いてきます。

「梅ですよ、この一週間がピークだと思います、見に来てくださいね」

と、答えると、笑顔で頷いて車を走らせていきました、来てくれるといいな。

 のんびり梅の花を見ながら歩いていると、うまい具合に陽の光が差し込んで来ました。

 ミツバチがたくさん飛んでいます。

 足のつけねのあたりに〈花粉〉をたくさんつけているミツバチもいます。

 以前から「ミツバチのハネは身体のサイズの割に小さいよな」と思っていて、飛ぶ姿を写すことにしました。

 スズメバチのハネはこうです、身体の下まで覆うくらいのハネをしています。

 

 ミツバチのハネをみてください、身体に比べて小さいと思いませんか。

 陽の光があるので、飛んでいるハネの羽ばたきが映るかもしれません。シャッタースピードを1/2000秒くらいまで速くして撮ってみました。

 羽ばたいているハネがしっかり止まって写っています。
 それにしても小さなハネでみごとにホバーリングしています。

 

 かなり速く羽ばたいて飛んでいるわけです。

 サイトをいくつか見ていると、飛翔距離は2~4kmという数字が目につきます。
 それに比べてスズメバチは飛翔能力はかなり高いようです。

飛行能力も高く、時速約40kmで飛翔し、狩りをする時は1日で約100kmもの距離を移動できる持久力も持つ[11]

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BA%E3%83%A1%E3%83%90%E3%83%81

 

 前から気になっていたことをやっと最近写真に撮って調べ始めたところですけど、小さなハネでがんばって飛んでいるミツバチ(特にニホンミツバチ/トウヨウミツバチのハネは小さめです)が、可愛くみえてきた今日この頃です。

 

 

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たのしいテントウムシ入門 ①この中にテントウムシは何種類いるでしょう? ②ナナホシテントウの星の数はいくつでしょう?

 たのしい教育メールマガジンに雑誌の記事を紹介したところ、評価が高かったので、一枚ここにも紹介しますね。メルマガ読者のみなさんにも読んでいただける内容を後半に続けています。

 メルマガの最新号に紹介したのは、私が大量に手放した本や雑誌の中で捨てられずにスキャンして残してあった資料です。
 理科の授業で使おうと思っていたのに、結局使わずに教師を辞めてフリーになりました。

 まず問題。
 この写真の中にたくさんのテントウムシが見えますね。
 黒くて二つの点のテントウムシやほぼオレンジ色のテントウムシ、10くらい点のあるテントウムシ、黒地に赤の模様、赤字に黒の模様のテントウムシなどいろいろな種類が見えています。
 ではこの中のテントウムシはおおよそ何種類に分かれるでしょう?
 スマホなどで見えづらい人は拡大してみてください。

 これとこれは同じ種類で、あれは別で、これも別・・・

 というようにおおよそでよいので、種類を予想してみてください。

⬇︎

⬇︎

予想してからね

⬇︎

⬇︎

調べてみると

答えは〈一種類〉。

 全部〈ナミテントウ〉という種類です。

テントウムシは日本に150種類くらいいます、単に星や色で区別するのではないんです。

 もう一つ。

 学生の頃、理科教育で教わったのですけど「ナナホシテントウの背中の星の数は7つではない」という話。

 え、っと思う人もいるでしょう。

 写真で確かめてみましょう。

 これがナナホシテントウです、、、どうですか、星が7つありますか?

 横ナナメになっている部分は少し見えづらくなっているのですけど、確かに7つあるように見えます。
 ナナホシテントウの星は左右に三つずつで合わせて6つ、真ん中の頭に近い側に一つで合計7つの星です。

 もう名前は忘れてしまいましたが、講義でそう語った大学の理科教育のA先生によると
「テントウムシの背中はパカリと二つに別れる。
 左右二つに別れるのに奇数の7つの星っておかしいと思わないか?」

 ふむふむ確かにそういえばそうだな。

 他のナナホシテントウをみてみましょう。

  真ん中の星、2つに見えませんか?

 これは飛ぼうとして羽を広げようとしているナナホシテントウです。
 確かに左右二つの星に別れます。
 

 A先生の言うように、左右を別々の星だと数えれば〈ヤツボシ(8星)テントウ〉ですね。

 大抵の学者は植物のうえで甲をしっかり閉じて動き回るテントウムシを観察するので、七つの星にみえるのでしょう。
 飛ぶ時などは一瞬ですから、高感度のカメラでとった写真などで確認しなければわかりにくい、ということもあります。

 いやいや、そんな細かいこと言わないでよ、というように考える人もいるでしょう。
 でもこういうナナホシテントウを見ると「やはり八つといった方がいいかもね」と予想変更するかもしれません。

 
 学名は〈Coccinella septempunctata〉、ラテン語で〈7つ〉と言い切っているので、今さら名前が変わることはないと思います。

 けれど「こういう見方、数え方ももあるんだよ、おもしろいね」という様に子ども達にはなしてあげてほしいです。
 その子がファーブル の様な卓越した昆虫観察者になるかもしれません。

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