双子葉植物と単子葉植物/ジャガイモは単子葉植物? ②

 じゃがいもの根っこを見ると〈単子葉植物〉にしか見えません、というある先生からの質問から広がった話、前回からの続きです。

 予想を立てた目でジャガイも根っこを眺めてみましょう。
 根っこは〈主根・側根型〉でしょうか、〈ひげ根型〉でしょうか。

 それぞれの特徴をはっきりさせた図がこれです。左が端子養殖部の根の特徴である〈ひげ根〉で、茎から同じ太さの根が出ています。右は双子葉植物の根の特徴である〈主根・側根〉で、中心の太い根の節々から別れる様にまた根っこが出ています。

 ではジャガイモの根っこを見てみましょう。
 ジャガイモは地下にもぐった〈茎〉で、根っこではありません。それは〈太陽光〉に当てると緑色になっていく、つまり葉緑素をもっていることでも分かります。根っこはいくら太陽にあててもみどり色にはなりません。

 ジャガイモにつながる部分ではなく、それ以外の部分を見てください。
 ①で書いた様に日本のサイトではまるで〈ジャガイモには根がない〉かの様な書き方をしているところがほとんどなので、アメリカのサイトを参考にしましょう。
 tuberは塊茎(かいけい):茎の塊(かたまり)で
rootが〈根〉です。
stoloneは〈地下に伸びている茎〉です。

 これが実際の写真です。

 全体を見ると分かりにくいかもしれませんから、根っこの一部を見てみましょう。どうでしょうか・・・

 これは〈主根・側根型〉に見えるのですけどどうですか?

〈ひげ根〉も拡大するとこういう様になっているのではないかと考える人もいるかもしれません。しかしひげ根を拡大しても〈根毛〉というとても小さな毛が一様についているだけで、太い根から細い側根から何本も枝分かれしているのではありません。※根毛は双子葉植物の側根にもついています

 ジャガイモは葉っぱが網目状で双子葉植物の特徴。

 そして根も〈主根・側根型〉で双子葉植物の特徴を持っています。

 もちろんタネから出てくる芽も双葉に違いありません。ただし、ジャガイモのタネから育てることはほとんどありませんから、そのところは①で紹介した板倉聖宣著「ジャガイモの花と実」を読んで、たのしく賢くなっていってください。

 研究所に学びにくるA先生の発言で、いろいろな人が賢くなったと思います。

 いろいろな人たちが自由に意見を出し合うとことによって真理に至る、そのことを実感するエピソードの一つだと思います。

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双子葉植物と単子葉植物/ジャガイモは単子葉植物? ①

 先日〈たのしい教育研究所〉に学びに来ているA先生から「ジャガイモは単子葉植物ですか双子葉植物ですか」という質問がありました。
「え、丸い葉っぱを見たら双子葉植物だと分かるよね!」と話したのですけど・・・

植物の葉の特徴

 

単子葉植物は一枚のとがり気味の葉が出て来て葉は縦に平行の模様、双子葉植物の葉は丸くて網目状の模様

双子葉植物      単子葉植物

ジャガイモの葉は左側のグループ

 

ジャガイモの葉はこうです。

 

 ところが質問したA先生によると「あの根っこは単子葉植物の特徴じゃないですか?」とのこと。

 単子葉植物の根っこの特徴と双子葉植物の根っこの特徴はこうです。

土の中の根っこの特徴

 

双子葉植物       単子葉植物

①主根   ②側根   ③ひげ根

 

 ジャガイモはこんな根っこをしています。

 たしかに・・・
 私もふと立ち止まって考えました。
 こういった様にいろいろな人たちが自分の考えを交わしていくと〈たのしく賢く〉進んでいけるのです。そして科学はこういう形で自由に考えを交わす中で発展していったのです。だからこそ〈科学は民主的な世の中で発展し民主的な世の中を守り育てていく〉のです。

 さてみなさんは、ジャガイモは単子葉植物だと思いますか、それとも双子葉植物だと思いますか?

予想 ジャガイモは
  ア.単子葉植物
  イ.双子葉植物
  ウ.両方の特徴を持つ中間の植物
  エ.その他

 

どうしてそう予想しました か?

 

⬇︎

⬇︎

予想してからね

⬇︎

⬇︎

 

 わたしの予想は「〈ウ その中間の植物〉だとおもしろいなぁ」と思いつつも「双子葉植物」ということでイに一票です。

 私いっきゅうがよく語ることですけど生物は〈図鑑に従って生きている〉わけではありません。進化の過程で、その中間の生物や、その分類を超えた生物はたくさん見つかります。
 双子葉植物であっても根っこが単子葉植物的な〈ひげ根〉の形状をしている植物があっても不思議とはいえません。

 ジャガイモの根の様子をもう少しみていきましょう。

 どうも〈主根・側根〉の形状ではなく〈ひげ根〉の様な広がり方に見えますね。

 Web上でもいろいろ調べてみましたが〈じゃがいもは地下にある茎:地下茎〉であって〈根では無い〉という説明ばかりが目につきます。
 まるで〈じゃがいもには根っこが無い〉と言っているかの様です。

 そんなバカな話はありません。
 根っこが水を吸収して葉っぱに送らなくては光合成は起こりません。じゃがいもに蓄えられているデンプンができないのです。

 そういうところも以前書いた〈頭打ちのネット情報⇨こちら〉という話と重なります。誰かの情報の焼き回しばかりがめぐって、よく読むとどれを見ても同じことしか書かれていないというわけです。

 わたしがたくさんの事を学んできた板倉聖宣の著書に絵本「じゃがいもの花と実」があります。植物についての見方・考え方をたくさん教えてもらった一冊です。
 久しぶりにその絵本を手に取りました。

 板倉聖宣ならきっとこのことに触れてくれているに違いない・・・

 しかし残念ながらタイトル通り「花と実」に関することが中心で、じゃがいもの根っこはどうなっているのか、についての疑問の答えを探すことはできませんでした。

ジャガイモの花と実 (オリジナル入門シリーズ)

 

 こういう時にはしっかり予想を立ててみていかなくてはいけません。
 まず予想変更して予想を立ててみました。

 じゃがいもにも根っこがある。
 双子葉植物なら〈主根・側根〉という作りになっているのではないか。

 

 じゃがいもの地下のつくりをもう少ししっかりみていくことにしましょう。

続く

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決まり・規則・ルールを作れば世の中は良くなるという考え方について考える/たのしい教育の規則・決まり

 教師をしていた頃学んだ発想法・哲学の一つが〈規則・ルール〉を増やすことで、違反も増えていく、正しいと思うことでも、それを規則にしてしまうと、意図したことと違う問題、反作用的なものまで起こってしまう、ということです。
 以前にも少し似たことを書いた気がしますけど、最近、ある先生のスーパーバイズで取り上げたことなので、ここでも紹介しましょう。

 学校にはたくさんの規則、生徒指導の担当であった私自身ですら覚えきれないほどの規則があります。
 中には〈古すぎる〉というものまで残されています。


 たとえば「ハンカチは白の無地(模様がない)」という規則があります。その規則に一体どういう意味があるのか?
 無理に考えれば〈マンガ的なものは教育的にマイナスである〉ということに端を発していたのでしょう。

 ところでハンカチ一つにそういうルールを設定する学校は、必然的に靴下も、シャツも、鉛筆も、筆箱も、下敷きもそうなっていくことになります。

「書き方を〈学校に持ってくるものは全て無地〉と決めれば済むではないか」と思う人もいるかもしれませんが、表記の仕方の問題ではないのです。
 たとえば子どもの鉛筆からはじまって持ち物全部をチェックするのは現実的に不可能でしょう。

 信じられないかもしれませんが、私の教師のスタートだった30年近く前は、体育の着替えの時などを利用して、子どもの肌着に模様が入っていないかチェックして保護者を指導している先生もいました。今ならクビになっていた可能性が高いでしょう。

 そういう持ち物指導が正しいのかどうか分からないということと並行して、世の中はゆっくりではあっても確実に新しい方向に進んでいきます。つまり時間が経っていけばたいていのものは子どもたちの感性が勝つのです。

 今はもうそういうルールは無くなっているでしょうから、それが一つの証です。

 指導が不可能なほど増えていくというだけでなく、そういうことに力を注いでいくと、それだけで勤務時間のかなりの部分を使ってしまい、大切な授業にかける時間と集中力が減ってしまいます。
 しかも子ども達同士が行う生徒指導も増えていきます。「キミ、違反の消しゴム使っているでしょう」という様ないざこざが〈いじめ〉に発展する危険は十分に予測されます。

 仮説実験授業研究会代表・日本科学史学会会長だった故 板倉聖宣が、こういう言葉を残しています。


〈規則ふやせば 違反もふえる〉
 真理をついている言葉だと思います。

 子ども達が〈たのしい〉〈もっと学びたい〉〈体調はよくないけれど、学校に行って先生の授業をうけたい〉という様になることが学校の本分だと思うのですが、どうでしょうか。
 だとしたら、規則を増やしていけば学校は良くなるとかいろいろな規則があるからこそクラスが保たれているという様なことではなく、規則は基本的なものに限定してスリム化する方向ですすめていけたらと考えています。

 私いっきゅうは、本来的に〈決まり、規則〉というのは警察関連の領域、取り締まりに属するもので、教育の本分とは異なると思っています。
 基本的な規則を残して、多くは〈教育〉の力ですすめていく。
 つまり「仲良くしなくてはならない」といる規則ではなく「仲良くするって気持ちがいいね」と感じてもらう様な授業を展開していくということです。

 取り締まりはすぐにできるけれど、教育は時間がかかります。それは、その子の一生ものの宝物を育てていく活動だからです。

 たのしい教育研究所は、取り締まりではなく〈教育〉の力で少しずつ学校や社会を良くしていく力のある先生たちを育てようと考えています。賛同してくれる方が増えていくことで、その活動も加速します。
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たのしく身体を動かす/それぞれの力を伸ばすたのしさ/沖縄市出前児童館の様子

 沖縄市の出前児童館が始まり、研究所が地域の公民館に出て、たくさんの子ども達へたのしい教育を実施しています。たのしい教育研究所のスタッフは全員が教員免許をもった教育のエキスパートです。
 今回はその様子を紹介しましょう。興味のある方はぜひご参加ください。沖縄市以外の方は事前に確認していただければ、参加できる方向で調整させていただきます。※人数によってはお断りすることもありますのでご了承ください

 今回のメニューの一つが〈フロアー・ボルダリング〉です。
 フロアーに広げられたループには三色の色で分けられています。
 

 自分のチームの色のループのみを選びながら手や足を使って移動していきます。

 これがけっこう筋肉を使うんですよ。


 二人組みで手を繋いで移動していくアクティビティもあります。

 終わった人たちはクールダウンでたのしい読み語りでたのしみます。

 後半はたのしいものづくりで〈貝殻ジェル〉づくりもあります。
 ぜいたくな内容を全て無料でたのしんでいただけます。

 今週の金曜日まで実施しています!

・10/15(月)ちばな公民館
・10/16(火)ごや公民館
・10/17(水)のぼりかわ公民館
・10/18(木)ひやごん公民館
・10/19(金)まつもと公民館
  時間 16:00~18:00

詳しくは⇨こちら

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