ユヴァル・ノバ・ハラリ著〈ホモ・デウス〉より/暴力で死ぬ比率と自殺、糖尿病による死亡率の比較

 研究所のWSが一息ついたので大好きな車の本と、以前から読みたかったユヴァル・ノバ・ハラリの〈ホモ・デウス〉を読んでいます。ハラリは前著〈サピエンス全史〉から刺激的で、その一冊で〈カール・セーガン〉〈リチャード・ドーキンス〉〈板倉聖宣〉〈ヨシタケ・シンスケ〉〈サイモン・シン〉と並んで私が中身を開かずに著者名のみで購入する人物のひとりになりました。

ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来

 ハラリは板倉聖宣と同じく歴史学者です。そして板倉聖宣と同じく科学的視点と数量を骨子にした斬新さを感じさせる人物です。

ユヴァル・ノバ・ハラリ

生誕

1976年2月24日(42歳)

Kiryat Ata, イスラエル

居住

Mesilat Zion, イスラエル

国籍

イスラエル人

研究分野

歴史

研究機関

ヘブライ大学

出身校

ヘブライ大学

オックスフォード大学

1976年、イスラエルのキリヤット・アタで生まれた。その後イスラエルハイファで、宗教的ではない東ヨーロッパ系のユダヤ人家庭で育った。[2]

1993年から1998年の間、ヘブライ大学で地中海史と軍事史を学んだ。その後オックスフォード大学のジーザス・カレッジに進み、Steven J. Gunnに師事して2002年に博士の学位を取得した。 2003年から2005年にかけてヤド・ハナディヴのフェローとして博士研究員の立場で歴史学を研究した。[3]

その頃から、主として軍事に関する多くの著書や記事を執筆するようになる。現在の専門は世界史とマクロ・ヒストリー(歴史の究極的な法則性を探求し、長期的・巨視的な傾向を見いだそうとする学問)である。著書『サピエンス全史』は2011年にヘブライ語で出版された。2014年には英語版が出版され、その後30に迫る数の言語に翻訳された。本書においてハラリは人類史の全域に渡る調査を行った。その領域は石器時代から始まって、21世紀における政治的・技術的な革新にいたるまでホモ・サピエンスの進化全域を対象としている。ヘブライ語版はイスラエルでベストセラーとなり、学界のみならず一般の人々の関心もかき立てたためハラリは一躍名声を得た。

ユーチューブで公開されているヘブライ大学における世界史講義(ヘブライ語)は、視聴回数が数十万回という人気を誇っている。[4] またハラリは『A Brief History of Humankind(人類史概論)』という英語での無料オンライン講座を開講しており、全世界で10万人以上の受講者がいる。

2009年から2012年にかけていくつかの有名な賞を受賞して名声を固めていった。さらに2015年、フェイスブックの創始者であり現CEOでもあるマーク・ザッカーバーグによってサピエンス全史が紹介され一躍世界的に有名になった。ザッカーバーグは本書を「人類文明の壮大な歴史物語」と評してフォロワーに紹介した。

ウィキペディアより引用

 

 

 さすが〈ホモ・デウス〉も刺激的な本です。

 まだ数十ページの段階ですし書評などを全く頭に入れていない段階なので不確定要素もありつつ「〈ホモ・デウス〉というのは私たちホモ・サピエンスが〈全能の神 ゼウス〉の高みに行こうとしていること」を表題にしたのでしょう。

 著作は「人類の長い歴史の中で〈暴力〉と〈飢餓〉と〈感染症〉の三つが人類が克服しなければならない最重要の課題であった」という話から始まります。

 内容を紹介する意味で、ひとつ問題として提示しましょう。
 考えてみる価値がある内容だと思います。

問題

古代の農耕社会では死因のおよそ15%が〈人間の暴力〉によるものでした。

21世紀初頭の現在、戦争、テロ、犯罪など、暴力に起因する死亡率はかなり減ってきています(具体的には後で解説)。

現在、暴力に起因する死亡率より高くなったのは次のうちどれでしょう。

 

予想

ア.自殺

イ.糖尿病

 

どうしてそう思いましたか?

 

⬇︎

⬇︎

予想を立ててからね

⬇︎

⬇︎

 

お話〈暴力による死亡率と比較してみる〉

 ハラリ著「ホモ・ゼウス」にはこうあります。私自身が数字の出所を丁寧にたどっているわけではありません。別な見方によってこの数字は増減する可能性がありますから〈ユラル・ノバ・ハラリによれば〉というただし書きになります。しかし、これまでのハラリの世界的評価から、かなり丁寧に数字を算出していると思ってよいでしょう。

古代の農耕社会では死因のおよそ15%が人間の暴力だったのに対して、20世紀には、暴力は死因の5%を占めるだけだった。そして21世紀初頭の今、全世界の死亡率のうち、暴力に起因する割合はおよそ1%にすぎない。2012年には世界自由で約5600万人が亡くなったが、そのうち、人間の暴力が原因の使者は62万人だった(戦争の使者が12万人、犯罪の犠牲者が50万人)。
 一方、自殺者は80万人、糖尿病で亡くなった人は150万人を数えた。
 今や砂糖の方が火薬よりも危険というわけだ。

〈ホモ・ゼウス〉上巻25p

 

 つまり、犯罪やテロ、戦争など暴力に起因して亡くなる人たちより、自ら命を絶つ人たちの数が大く、また〈糖尿病〉という病気は世界中の暴力起因の使者の2.5倍も多いのです。

 ハラリの文体は独自のユーモアと辛辣(しんらつ)さがあって、別な項にはこう書かれています。

 21世紀初期の今、平均的な人間は、旱魃(かんばつ;日照りなどが続き作物が取れなくなること)やエボラ出血熱やアルカイダによる攻撃よりも、マクドナルドでの過食がもとで死ぬ可能性のほうがはるかに高い。

同著10p

 もちろん比率的に少ないとはいえ〈暴力〉などで死亡する方たちの苦しみは多大なものがあります。それをさらに減らしていく努力は人類の共通の目標だといってよいでしょう。

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〈基本ルールは4つ〉〈身近なもので授業可能〉という基準は重要!/たのしい仲間とたのしい講座の準備会

 いろいろな学校からRIDE(たのしい教育研究所)に集ったたのしい先生たちと、〈秋のスポーツたのCafe〉のシミュレーションをしています。
 これは〈吹き矢教材〉の実験。
 やっと手頃に入手できる吹き矢の筒と的を使って試しています。
 この中に2連続で的を倒した名人がいます。
 わたしではありません。

 おいしいコーヒーを飲みながら講座のシミュレーション中。

 小学校の体育〈ベースボール〉の授業では「部活などでそれを経験している子ども達と,他の子ども達との差が大きすぎる。特に女の子はやりたがらない」というので「新しい組み立てでたのしめる教材をつくろう」ということでアイディアを出し合っています。

 ところで、いくらたのしめる教材が出来上がっても、そのルールが複雑だったり、利用するものが特別なものであったりすると、広がることは難しくなります。

 身近なものでカンタンに利用できる
 基本ルールは4つ程度

という目安はとても大切です。

 そしてそれが〈たのしい教育教材〉といってよいのかどうかは「実験」してみなければいけません。
 参加した先生たちが、それぞれの学級で授業して、来月の「スポーツたのCafe」で提案される流れです。

 たのしい教育研究所の講座満足度100%はこうやって維持されています。

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たのしい〈おきなわ秋の花さんぽ〉の様子

 秋の涼しい風の吹く気持ち良い朝、「おきなわ野山の花さんぽ」の著者 安里肇栄さんを講師に招いてたのしい教育研究所のメンバーで〈おきなわ秋の花さんぽ〉をたのしみました。

 今回が3回目の〈花さんぽ〉企画ですけど、回を重ねるごとに満足度もかなり高いワークショップになってきました。

 今回の花さんぽは〈宜野座村〉の野山です。
 

 桜が咲いていました、驚きです。

 これはカンナによく似た〈ダンドク〉という植物です。
 花の右側に独特の形をした実ができています。
 熟した実をあけると、その中のタネはまるでBB弾。
 実際かなり硬いんですよ。お手玉の中に入れて遊びに使ったといいます。

 

 安里さんが手を広げて説明している、その親指のあたりに位置しているツルは、幻の花と言われている〈イルカンダ〉です。

   数年に一度の開花で、タイミングがよければ春にこういう花をみることができます。

 これは帰化植物で〈オキナワハマグルマ〉。
 かなり強い生命力で、どんどん広がっていくキク科の植物です。

 これはホウロクイチゴ。

 夏の頃にはこういう実をつけます。野生のベリーとして美味しく味わえます。

 他にもたくさんの植物を見て、ダムの水の流れに〈こわいこわい〉を連発し・・・
 とてもたのしい時間になりました。

 次回は遠出して「大国林道」まで行きたいという話が出ています。少数なのですぐにいっぱいになるワークショップの一つです。関心のある皆さんはこのサイトをチェックしていてください!

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「UFOが見えた」という様な〈再現できないこと〉〈一度こっきりのこと〉〈あの時は確かにそうだったんだ〉という様なことにつき合ってはいけない/たのしい教育メールマガジンの反響

 今日発行した有料版のメールマガジンへの反響がいくつも届き始めています。

第一章Let’s enjoy Theたのしい授業「〈自由研究〉自分で簡単にできる珈琲焙煎」という章に驚いたという頼りが最も多く、続いて第三章たのしい教育の発想法「〈UFOが見えた〉という様な一回こっきりのものごとに付き合ってはいけない」という話への反響も多く届いています。


 その章のはじめのあたりを少し紹介しましょう。

はじめに

 星空の講座が控えているからか、ewb上にUPされている〈星空案内人〉として活躍している方の番組(BS朝日だったと思います)が目に留まり観てみました。

 科学館をやめて星空の美しさを伝える仕事に全力を尽くしているというその人はプラネタリウムを車につめ込んで各地を飛び回っています。

 私も時々受ける質問ですけど「UFOは観たことがありますか?」と参加者が問いかけた時、その人は

「残念ながら私は見たことがありません。

 しかし私が住んでいる八ヶ岳にはよく出るそうですよ。

 ぜひ今度、みなさんで見に来ませんか?」

と語ったてのです。

 唖然としました。

 この宇宙に知的生命体がいるかもしれませんが、知的生命体、いわゆる宇宙人が地球に来ていることはありません。〈来ている証拠がない〉のではありません、科学的に判断して〈来ているはずがない〉のです。それは〈幽霊や悪霊、天国や地獄が存在しない〉のと同じくらいハッキリしています。

 星空案内は科学的でなくてメルヘンの世界(人間が作り上げて世界)でよいというならそういう説明もありなのでしょうか。

 しかし宇宙も星空もガリレオたちが切り開いた大切な科学です。
 それはメルヘンではなく、人間の確かな創造性を広げてきました。ですから私には〈ここに行くとUFOを見ることができるそうですよ〉という様な星空案内は受けられることができません。

 今回は、その話と関わる内容をおとどけします。

いっきゅう

 

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