大成功「たのしいグッジョブin沖縄市」その①

rp_ffd588bdc702a97676d95e78089050d6-150x15011.png「いっきゅうハカセの たのしいグッジョブin沖縄市」が終わりました。
スタッフで片付けや食事を終えて、祭りの後の様相の研究所で、参加した皆さんの感想を読みながら感動のひとときを味わっています。

たのしい教育研究所は「沖縄市」に第三研究所を構えているにもかかわらず、各地を飛び回りっぱなしで、沖縄市での教育事業は実施したことがありませんでした…灯台下暗しです。

スクリーンショット 2014-11-24 17.21.39   気になりながらも、要請が届く場所を飛び回るだけで手一杯…

そういうところに今回、
《国土交通省》の支援で
「沖縄市」と
「海邦銀行」
それに市民交流センターの母体である社団法人「ファイブ・アローズ」が手を組んで、たのしい教育研究所に授業の依頼が来ました。
これだけの組織がそろっての要請に、かねてからの「沖縄市でもたのしい教育の普及を」という思いが重なって、
「全力投球させていただきます」
ということとなりました。

沖縄県や沖縄市教育委員会、沖縄市グッジョブ協議会の後援もいただき、この企画も太さを増していきました。

沖縄市で活動している方たちへのリサーチの中から
◯こういう形の教育イベントは少ない
◯参加人数は40人集まるかどうかだと思う・・・50人来たら大成功でしょう
という情報が得られ、さてどういう形で盛り上げようかという企画・教材作り会がなんども重ねられていきました。
その中で内容・タイトルが「いっきゅうハカセの たのしいグッジョブ in 沖縄市」と決まり、準備も着々とすすみます。

そうやって迎えた今日。
会場の準備に入ったスタッフは、前日に張ってくれた、スタッフの小禄さんの手作り「折り染め横幕」に迎えられ、とても感動。

会場からみると、青空に文字が浮き出て見えます。スクリーンショット 2014-11-24 16.51.01 受付が始まると 約100名 の参加となりました。
事前の問い合わせも相次いで、会場の関係でお断りしなくてはならない方たちも出たほどの賑わいでした。

けっこう広い会場を押さえたのですけど、こんなにいっぱいに広がりました。
ご覧ください。
スクリーンショット 2014-11-24 16.49.53 つづく

板倉聖宣とブルーナー/仮説実験授業とは何か? 発見学習とは何か?

 ブルーナーと板倉聖宣はとても近い関係にある、ということが前から意識していることの一つです。

教員採用試験問題に「ブルーナー」はとてもよく出題されます。
板倉聖宣も出題されることがあります。

 先ごろ、教員採用試験を受験する先生たちへのワークショップを開催した時のこと、「ブルーナー」について掘り下げて調べてみると、やはり仮説実験授業との関わりも見えてきました。

t02200165_0640048012280235509

仮説実験授業と発見学習/ブルーナーと板倉聖宣

 ブルーナーは教育史によくでる人物ですからすでに故人かと思っている人もおおいかもしれません。しかしまだご存命です。
 第一次世界大戦の翌年、1915年生まれですから、現在100歳です。
 すばらしい。
 アメリカの education.com をみると「1915-」とあります。つまり「まだご存命だ!」ということです。英語のサイトですが少しのせてみましょう。※飛ばしていただいてもかまいません

スクリーンショット 2014-11-23 0.06.26

ブルーナーと板倉聖宣、発見学習と仮説実験授業

http://www.education.com/reference/article/bruner-jerome-seymour-1915-/

 ブルーナーは
学習者に科学上の発見と同様の思考をたどらせることにより、科学上の概念を、学習者に自ら発見させることで、知識を獲得させる」という考えを元にした《発見学習》を提唱した人物です。

 本稿のタイトルの一つ「仮説実験授業」とは何でしょう?
スクリーンショット 2014-11-23 15.11.37

 板倉聖宣の「仮説実験授業のABC」にはこうあります。
「 仮説実験授業とは(中略)、科学上の最も基本的な概念や原理・原則を教えるということを意図した授業である」2004年版 p23
 仮説実験授業が生み出した最も大切な財産である「授業書」はまさに「科学上の発見と同様の思考」をたどりながら展開されていきます。

 私が数年前に「板倉聖宣哲学入門」を書いたとき、板倉がスプートニク・ショック後のアメリカの「科学の現代化運動」にかなり触発され、それが仮説実験授業の提唱にも大きく影響を与えていた事に触れようか迷いつつ、紙面の関係で割愛しました。

 たとえば 板倉聖宣著「科学と仮説」1971季節社 251pにはこうあります。

 すぐにPSSCがたいへん意欲的であることに注目し、その基本的な考え方に賛意を表すようになった…(中略)…私は「物理教育を革命する教科書−アメリカのPSSC運動」という表題でおおいにPSSCを支持する論文を作った

 ここでブルーナーと板倉聖宣の接点が生じます。
 なぜか?

 ブルーナーこそ板倉が賛意を表し、支持する論文を作ったと語る「PSSC運動」の中核にいた人物です。たとえば滋賀大学の鈴木真理子が、こう簡潔にまとめています。

スクリーンショット 2014-11-23 0.44.54
「1957年のソ連によるスプートニック発射のニュースはアメリカ社会に衝撃を与える。このような中、心理学者 ブルーナーの著した「教育の過程」(Bruner,1960)がアメリカの教育に転換をもたらす。
「教育の過程」は、1959 年に全米科学アカデミーによって召集されたウッズホール会議の内容を、議長であったブルーナーが認知論の視点でまとめたものである。
 これより以降、ブルーナーはPSSC物理を始めとする教育カリキュラムの改編や普及に貢献する。1956年から着手されたPSSC物理の作業は、一流の科学者と学校教師等による高等学校物理カリキュラムの再編成であった。カリキュラムにおいて教科の学問性が周辺的に扱われていた当時、PSSCは物理学者のように物理を学ぶカリキュラムとして登場する。

 このような動きは、他の自然科学分野や数学分野に波及した。

 

 板倉聖宣は、アメリカの教育に転換をもたらしたブルーナーと、PSSC物理のテキストに大きく触発され、仮説実験授業を提唱する事になったという仮説を本格的にたどりたい。

 今のところ時間がみつからずにまとめることができなのですけど、来年、時間の整理整頓がついてきたら、ぜひまとめようと思っています。
 まずはブルーナーの「教育の過程」を入手して読むところからはじめようと思います。

こちらの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか-いいねクリック=人気ブログ!-

 

いっきゅう筆

「たのしい教育はやめられない」メルマガ第129号 できました!

喜友名先生が毎週全力で書いているメルマガ「教師は辞めても 映画&たのしい教育はやめられない」の第129号ができあがりました。
今回も内容充実です。
「たのしい教育の発想法」では、板倉先生が沖縄に来て下さった時の教育講演会での話がスタートします。
スクリーンショットでご覧ください。

スクリーンショット 2014-11-21 10.23.18

スクリーンショット 2014-11-21 10.30.46

スクリーンショット 2014-11-21 10.23.49  スクリーンショット 2014-11-21 10.24.45 応援費として月800円(年9600円まとめ)を送ってくださることで毎週新鮮な内容を購読できます。充実した雑誌一つを毎月購入する気持ちで、明るい未来の教育界への投資ということで考えていただければ幸いです。
皆さんから頂いた大切なご寄付は、子どもたちだけでなく、おじいちゃんおばあちゃんたちへのたのしい教育の普及に使わせていただきます。

 お申込みは kiraku21a☆gmail.com(☆を@に変えて送信)メルマガ事務局で受け付けております。

「木の高さ」と「根っこの深さ」自由研究・楽しい学力向上(1)

やっとゆとりが出てきて、これまで滞っていたデータの整理をはじめています。
今回はその一つを紹介します。

仮説実験授業の「地球」という授業書にこういう問題があります。
————-
高さ20 mの木があるとしたら、その根は地表からどのくらいの深さまで伸びていると思いますか。

予想
ア. 20mぐらい。(木の高さと同じくらい)
イ. 10 mぐらい。(木の高さの半分くらい)
ウ.5mぐらい。
エ.1mぐらい。
オ. その他。
————

さて、皆さんはどう思いますか?
予想してみてください。
近くに誰かいたら一緒に考えてみるといいですよ。

私は何度も授業にかけてきましたが、身長と同じくらい根も深い、と考える人や、せめてその半分くらいはあるだろうと考える人が多い問題です。

授業書では、木の根の深さについて、こうあります。

————
     土の話
地球には土(や砂)が平均してどのくらいの深さまであるか、そういうことを研究してその結果を発表した人はまだいないようです。場所によってずいぶんちがうので研究しづらいし、学者たちにはあまり興味がないのかもしれません。
地球上でも、人聞がたくさん住んで、いる平野には比較的たくさんの土があります。川がはこんできた土砂がつもって、平らな土地が開けたところが少なくないのです。そういうところは、土の層がかなり深くまでつづいています。
しかし、それで、も、たいていは十数メートルもボーリングするとかたい岩盤に達します。
大きなビルを建てるときには、そういうかたい岩盤に達するまで長い杭を打って、その上にビルを作るのがふつうです。
山に行くと、木や草の下には土が十数センチから数十センチほどしかないのがふつうです。
いくら高い木でも根は横にひろがるだけで、根の深さは1mに達しないのです
そういう土は、木や草がはえているから、雨がふっても流れおちないのです。
ですから、木や草をみんな枯らしてしまって根が絶えると、土が流れおちて、岩肌が出てしまうこともあります。
結局、地球をおおっている土は、平均すると1mもないことになるでしょう。
その土の下には、かたい岩のかたまりがひろがっているのです。
————

子ども達に授業すると、たいてい「え〜」という声が聞こえてきます。
「じゃあ、掘ってみましょう」
という様に実験して確かめることができればよいのですけど、そうもいきません。

実は、データの整理をしていると、前回の台風で倒れた樹の写真が出てきました。
これです。
海岸近くなのですけど、立っている時には8〜10mくらいあったと思います。
ところが根っこの長さは30〜40cmくらいしかありません。

スクリーンショット 2014-11-20 23.42.33木の根は横に横に広がってどっしりと大地をつかまえるのです。
第一、深く深く進みたくても、土の下は岩盤といって硬い岩があるので、深くすすめないのです。   特に「山」では、その岩盤までの土はとても薄いのです。

〔追記〕おかげさまでこの記事がかなり読まれていて、いくつもお便りをいただいています。その関連のGoogle検索でもトップ表示されています。質問の返事がわりにその後も関連した記事を書いています。関心のある方は、このサイトの検索窓で〈木の高さと根っこの深さ〉でチェックしてみてください

① 毎日1回の〈いいね〉クリックで「たの研」がもっと元気になる!⬅︎応援クリック

② たのしい教育を本格的に学ぶ〈たのしい教育メールマガジン-週刊有料を購読しませんか! たのしい教育の実践方法から発想法、映画の章ほか充実した内容です。講座・教材等の割引もあります(紹介サイトが開きます)

③ 受講費、教材費、スーパーバイズなどの費用は全て、たくさんの方達へのたのしい教育の普及、ひとり親家庭など困窮した方たちへの支援に利用されています

⭐️ 〈SNSや口コミ〉でこのサイトを広げ、たのしい教育活動を応援していただければ幸いです!

④可能な方は気軽におたより、記事内の予想などを⬇︎





お名前(ニックネームOK)


メッセージ本文