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前例が無いから実験する/起業スーパーバイズで時々語ること

 今回は「起業したい」ということでスーパーバイズを受けに来る方たちに時々語ることを紹介したいと思います。私は起業する気はない、という方たちにも役立つことだと思います。

〈ハングリーでれ愚か者であれ〉と語ったスティーブ・ジョブス、〈私には夢がある〉と語ったマーティン・ルーサー・キング、ドイツの戦争責任を直視したヴァイツゼッカーほか、名演説・名スピーチと呼ばれるものがあります。

 ずいぶん前のこのサイトにも書いた記憶がありますが、もしかすると削除してしまったかもしれません、教師を早期で退職してフリーとなって活動しようと考え始めた時に、法人設立に関わる諸々の事を学びつつ探し回ったのが、私の様に〈早くに教師を辞めて自分の求める活動を展開している方たち〉でした。


 たくさんのツテをたどって探しましたが、残念ながら、そういう人物にたどりつくことはできません。
 教師を辞めたという方たちの多くは、体調などの問題で、ということでした。
 小中高の教師を辞めて大学に入ったという方がいるから会ってみないか、という話はありましたが、それは組織を辞めて組織に入ったということで、私の求めているスタイルとは全然違います。
 カウントダウンが始まった頃、自分の大切なミッションを実現したいという宗教上の理由で辞めたHさんという男性と会う事ができました。私は全くの無心論者ですし、活動モデルとしては違うのですけど、夢をもって活動している姿を見てほっとしたことを覚えています。もう何年も会っていませんが、今もきっと元気に活動していることと思います。

 ところで、前例が無いという時たいてい、人の心はゆらぐものです。
 サッカーをプロ化する中心にいた川淵三郎という人物がいます。ちなみにサッカーのプロ化は1993年5月に実現しましたから25年ほど前のことです。
 低迷するサッカー界の中にあって〈プロ化〉のプロジェクトチームを指揮した川淵三郎に対して日本サッカー協会の幹部から「時期尚早」「前例が無い」と待ったをかける声がかけられます。
 その時に川淵三郎の語った言葉は世界に出しても十分通用するものだと思います。

 時期尚早と言う人間は、 100年経っても時期尚早と言う。

 前例がないと言う人間は、 200年経っても前例がないと言う。

 そもそも時期尚早と言う人間は、やる気がないということなんだ。でも、私にはやる気がありませんとは情けなくて言えないから、時期尚早という言葉でごまかそうとする。

 前例がないと言う人間は、私にはアイデアがないということなんだ。でも、私にはアイデアがありませんとは恥ずかしくて言えないから、前例がないという言葉で逃げようとする。

 

 大体仕事のできない者を見てみろ。自らの仕事に誇りと責任を持てない人間を見てみろ。次から次へと、できない理由ばっかり探し出してくるだろう。

 仕事というものは、できないことにチャレンジをして、できるようにしてみせることを言うんだ。

こちら

 何か大きなことに挑戦しようという場合だけでなく、自分のこれまでの人生の中で新しいことに挑戦しようという時にも心に刻んでおきたい言葉です。

 新しいことことに挑戦しようという時、かならず不安がめぐってくるでしょう。
 たとえば

・教員免許は持っているけれど、これまで採用試験に合格するくらいの勉強をしたことがないから本務にな
るのは無理だろう
・これまで子ども達が喜んでくれる様な授業をしたことがないから、たのしい教育なんて無理だろう

 そういう不安が起こった時「時期尚早と言う人間は、 100年経っても時期尚早と言う。前例がないと言う人間は、 200年経っても前例がないと言う」という川淵三郎の言葉が突破口になるかもしれません。

 又聞きで原典に当たっていないのですけど、私が学んだアルフレッド・アドラーは「死ぬ3日前くらいまでなら人生を変えられる」という言葉を語っているといいます。
 遅いことは全くありません。
 何にしろ、その人生を生きているのは自分自身なんですから。

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