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「速読」と「ゆっくり読書」@楽しい福祉&教育 の発想法

たのしいブックレビューを楽しみにしています
というお便りをいただきました。

あれこれ紹介したい本があるとはいえ、
最近、パッと本を読んでしまって反省したことがあるので
そのことを書いてみたいと思います。

一時期の速読ブームは過去のものになった感ありです。

「いやいや、速読ブームはまだまだもりあがっているぞ」
ということだとしたら、すみません。
私の勉強不足です。

私は学生時代
速読ブームが始まる前
自分の読書スピードを
あげたことがあります。
きっと、読みたい本に加えて読まなくてはいけない本が
増えていったからだと思います。


その後、深く考えることがあり
読書スピードを落としました。

読書スピードを落とすためにかかったのは
スピードを上げるためにかかった年月より
長くかかりました。


⭐️

 随分前にヨーロッパ旅行をしたことがあります。
海外旅行が初めてだったので
旅行者の観光ツアーに参加しました。

これがエッフェル塔です。
これがモンブランです。
この国はスイスです。
この山には戦闘機が飛び立てるほどのトンネルがあります。
アルプスの少女ハイジはこの山小屋がモデルになっています。

写真をたくさん撮って、それなりに楽しむことができました。

その後、赴任した学校の先生たちで
北海道旅行にいくことになりました。
先輩の先生ツテで旅行社の方がついた旅行でした。

大山
層雲峡
オホーツク
襟裳岬
etc.

たくさんの場所を観てまわりました。

これまでたくさんの旅をしてきた中
ツアーはその二回のみです。

なぜか?

好きなところで立ち止まり
風の心地よさをたっぷり味わう

またいつかこの場所を訪れようと
地図を開いて記録する…

河に降りて水をすくって味わい
冷たく清涼な味わいに感動する

セミの鳴き声に車を停め
木の表皮を眺めながらセミの姿を探し
沖縄のセミたちよりずっと小さいその姿に感動する

あれ、さっき何気なく通過したけど
下眺めたらなんかすごい風景がひろがってるんじゃない?
そう考えて引き返し、車を停めて端っこから覗き込む
切り立った崖の下に田畑と民家が見えて
こういう処で暮らす人たちがいることに強く心打たれる

時間に追われるツアーでは、こういう感動は味わえません。

ツアーで行った層雲峡より
北海道の岬で湯を沸かし
のんびり珈琲をたてて味わった感動は
ずっと強く残っています。

ホテルで食べた一流メニューより
地元の人たちが昼時に通う
街角の食堂のカツ丼が美味しくて
たまたま通りがかったお豆腐屋さんで食べた
寄せ豆腐(ゆし豆腐@おきなわ)の味が
身体に染み入ってきたことは今でも忘れられません。

両方しっかり体験した速読と味わいながらの読書の違いは
それと同じことだと思います。

⭐️

雑誌のタイトルや目次を速読するのはアリでしょう。

心動かされる読書つまり《たのしい教育》として本に親しむなら
ゆっくり味わいましょう。

立ち止まって考える。
時々ペンをとって想いを記しながら
読み進める。

迷子になったら戻って読み返す

それが人間を豊かにしてくれる
本との付き合い方だと思います。

速い方がよいと思ったら車やバイクで
たとえば倉敷街を駆け抜けてみたらよいでしょう。

行ったという記憶は残るし
その時信号待ちで撮った写真をUPすれば
SNSで「いいね」がもらえるでしょう。

大好きな〈もえがらさん〉がいう
「ある人たちの幸せは、周りの人たちの〈いいね〉で成り立っている」
という、その幸せは味わえても
倉敷の街の風や、堀をたゆたう鯉の姿、
そこで過ごす人たちとの会話に心動かされることはありません。

「いいね」で成り立つ幸せ、
「え~、その作品よんだんですか、すごいですね」
で成り立つ幸せと
たとえば写真家 星野道夫の作品に感動して
リュクを背負ってアラスカの山を旅する幸せと
どちらが人生にとって深くかえがたいものか…

速読もゆっくり読書も
本気でしっかり体験してきた私には
はっきりとわかります。

以前書いたと思います。

寺田寅彦の周りにあった雑誌や書籍は、
今私たちの周りにあるものと比べれば
絨毯と針の先ほど大きな違いです。

でも寅彦さんが深く味わったような読書を
私たちはいくでも味わえるのか?

全然違います。

長くなりました。
ここまでにしましょう。
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