板倉聖宣の「わたしもファラデー」、二度目の読書を終えました。人間ファラデーを感じる名著です。
そのエピソードの一つを紹介させてください。
製本の職人になるために徒弟奉公をしているうちに科学に興味が高まってきたファラデーは一枚の張り紙を目にする部分です。
「科学の実験・講座1回1シリング」という張り紙。
他の著者は、いい加減に誤魔化す部分も、板倉はそれが今のお金でいくらくらいか、という事を必ずといっていいほど書いてくれます。他の著書でもほとんどそうです。
1回1000円の科学の実験・講座。
わたしの教育研究所で月に一度オープンする「たのしい教育Cafe」の数字と一緒なのに驚きました。
それにしても、徒弟奉公というのは給料がなかったのですね。
兄に出してもらったファラデーは、その実験・講座に参加し、それがきっかけで、講師だったテータムさんの開催する研究会にも参加させてもらうこととなります。
いまでいえばノーベル賞をいくつも受賞したであろうファラデーが、科学の道へと進んでいく様が、彼の息遣いとともに伝わってくる様な作品です。
おすすめいたします。