やっとゆとりが出てきて、これまで滞っていたデータの整理をはじめています。
今回はその一つを紹介します。
仮説実験授業の「地球」という授業書にこういう問題があります。
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高さ20 mの木があるとしたら、その根は地表からどのくらいの深さまで伸びていると思いますか。
予想
ア. 20mぐらい。(木の高さと同じくらい)
イ. 10 mぐらい。(木の高さの半分くらい)
ウ.5mぐらい。
エ.1mぐらい。
オ. その他。
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さて、皆さんはどう思いますか?
予想してみてください。
近くに誰かいたら一緒に考えてみるといいですよ。
私は何度も授業にかけてきましたが、身長と同じくらい根も深い、と考える人や、せめてその半分くらいはあるだろうと考える人が多い問題です。
授業書では、木の根の深さについて、こうあります。
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土の話
地球には土(や砂)が平均してどのくらいの深さまであるか、そういうことを研究してその結果を発表した人はまだいないようです。場所によってずいぶんちがうので研究しづらいし、学者たちにはあまり興味がないのかもしれません。
地球上でも、人聞がたくさん住んで、いる平野には比較的たくさんの土があります。川がはこんできた土砂がつもって、平らな土地が開けたところが少なくないのです。そういうところは、土の層がかなり深くまでつづいています。
しかし、それで、も、たいていは十数メートルもボーリングするとかたい岩盤に達します。
大きなビルを建てるときには、そういうかたい岩盤に達するまで長い杭を打って、その上にビルを作るのがふつうです。
山に行くと、木や草の下には土が十数センチから数十センチほどしかないのがふつうです。
いくら高い木でも根は横にひろがるだけで、根の深さは1mに達しないのです。
そういう土は、木や草がはえているから、雨がふっても流れおちないのです。
ですから、木や草をみんな枯らしてしまって根が絶えると、土が流れおちて、岩肌が出てしまうこともあります。
結局、地球をおおっている土は、平均すると1mもないことになるでしょう。
その土の下には、かたい岩のかたまりがひろがっているのです。
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子ども達に授業すると、たいてい「え〜」という声が聞こえてきます。
「じゃあ、掘ってみましょう」
という様に実験して確かめることができればよいのですけど、そうもいきません。
実は、データの整理をしていると、前回の台風で倒れた樹の写真が出てきました。
これです。
海岸近くなのですけど、立っている時には8〜10mくらいあったと思います。
ところが根っこの長さは30〜40cmくらいしかありません。
木の根は横に横に広がってどっしりと大地をつかまえるのです。
第一、深く深く進みたくても、土の下は岩盤といって硬い岩があるので、深くすすめないのです。 特に「山」では、その岩盤までの土はとても薄いのです。
〔追記〕おかげさまでこの記事がかなり読まれていて、いくつもお便りをいただいています。その関連のGoogle検索でもトップ表示されています。質問の返事がわりにその後も関連した記事を書いています。関心のある方は、このサイトの検索窓で〈木の高さと根っこの深さ〉でチェックしてみてください
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