たのしいお話 「3人娘と悪魔」 予想してみよう

 前回の「三年峠」に続きます、それぞれ独立して読んでも大丈夫です。前回と違って出典は思い出せないのですけど、内容の幹は覚えています。私の脚色で書いてみましょう。

 あるところに三人の娘とお父さんが仲良く住んでいました。

 父親が仕事にでかけたある日、悪魔がやってきて娘たちに
「お前の父親の命をもらっていくことにする」と告げました。

 一番上の娘が「何とか一年だけその日を先に伸ばしていただけませんか」と願うと、悪魔は必死にたのむ娘の姿に打たれて
「分かった、願いを聞き入れよう」
と去っていきました。

 一年後、悪魔がやってきました、季節は〈春〉です。

「約束通りお前の父親の命をもらっていく」

 すると二番目の娘がいいました。

「姉の願いを聞いてくれたのですから、私の願いもお聞き下さい。
 この季節が終わるまで、父の命を奪うのはまっていただけませんか」

 悪魔は困りましたが、それくらいならと考え
「分かった、願いを聞き入れよう」と言い、去っていきました。

 季節がハッキリ変わりました。
 時は〈夜〉、父親が眠りについた後、悪魔がやってきました。

 「約束通りお前の父親の命をもらっていく」

 すると三番目の娘がいいました。

「姉たちの願いを聞いてくれたのですから、私の願いもお聞き下さい」

 悪魔は困りましたが「まず願いを言ってみろ」と伝えました。

 三番目の娘は「このロウソクが燃え尽きるまで、父の命を奪うのは待っていただけませんか」と言いました。

 悪魔は、それくらいならと考え
「分かった、願いを聞き入れよう」と言い、去っていきました。

 それからもう二度と悪魔は現れませんでした。
 三人の娘と父親は通り仲良く幸せに過ごしていきました、とさ。

おしまい!

というお話です。

さて、この四角の中にはどういう言葉がはいるでしょう。

考えてみませんか。

こども達が出すいろいろなアイディアについて、「うん、いいねぇ~」「なるほどね」とか「当たっているといいね」という様に答えてあげてください。このお話の結末より、もっといいアイディアが出てくるかもしれませんし、違っていても、予想したそのアイディアはその子の賢さにつながります。

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予想してからね

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 四角の中にあるのはこういうワンフレーズです。

「すると三番目の娘は、フッと息をかけ、ろうそくの炎を消してしまいました」

 でうでしょうか。

 私の好きな話の一つです。

 ぜひ学校や家庭で話してあげてください。

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たのしいお話〈三年峠〉

〈三年峠〉というお話を知っているでしょうか、国語の教科書にも取り上げられるようになったと聞きましたから、読んだことのある人もいるでしょう。
 これまで読み語りで取り上げてきたたくさん絵本・ものがたりの中の心に残っている韓国のお話です。記憶の違いがあるかもしれませんけど、こういう物語です。

 そこで転ぶと三年後に死んでしまうという恐ろしい峠がありました、いつしか〈三年峠〉と呼ばれる様になりました。

 「三年峠で転ぶと三年後に死んでしまうぞ、用心用心♪」そんな歌を歌いながら、村人はみんな転ばない様に気をつけてゆっくり歩いています。

 ところがある日、あるおじいちゃんが転んでしまいました・・・

 もう大変。

 三年後に死んでしまうとなったおじいちゃんは、心配で心配でとうとう寝込んでしまいました。

 そこにある娘がやってきて、おじいちゃんにある話をします。

 それからおじいちゃんは、とても元気に過ごすようになりました。

 さて、姪っ子はおじいちゃんに何と語ったのでしょう?

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予想してみてね

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予想してみてね

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 こう語ったのです。

「おじいちゃん、三年峠で一度転ぶと三年後に死んでしまうなら、もう一度転べばさらに三年後、6年生きられるのですよ。3回転べば9年後。
さぁ、おじいちゃん、転びにいきましょう」

おじいちゃんは喜んで、ころころ転んで「これで百年でも二百年でも生きられるわい」そういいましたとさ。

 そういうお話です。

 絵本はおじいちゃんの表情もインパクト強く描かれていて、きっとこども達の心にも残る作品になると思います。「これはいい」と思える作品にたくさん出会えた分、たのしく賢くなると思います。

 実はこの〈三年峠〉を前フリにして次の話をしたかったのですけど、思っていたより長くなったので、次に回しましょう。
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たのしい文章入門ー文章ドクターの作法/〈雨の降る日は天気が悪い〉〈今の現状〉

「雨の降る日は天気が悪い」という言葉があります、当然のことを繰り返していて、わかりきっている言葉の代表格です。文章ドクターの仕事でたくさんの文章に手に入れてきたのですけど、こういう文章を書く人には出会ったことがありません。

 文章を綴ることは、誰かに想いや考えを伝えようという目的意識的な行動です。綴り慣れていくうちに〈高級品は値段が高いです〉とか〈大きな家は床面積が広いですね〉という様に当たり前のことを繰り返す人は少なくなっていくのです。

 テレビなどを見ていると「今の現状は・・・」という言葉によく出会います。文章ドクターでも時々出会うことがあります。

〈現状〉は〈現在の状況〉ですから「今の現在の状況は」となって、実はこれも当然のことを繰り返している言葉です。

「余分な贅肉を落とさなくてはならない」もそうです。
 贅肉の〈贅〉が「よけいなもの。むだ。役に立たない」を示す言葉だからです。

 こういう言葉は本人が気づかないことがあるので、文章ドクターで丁寧に手を入れていきます。
「期待して待つ」もそうです、〈あてにし、心待ちに待つこと〉が期待の意味だからです。

 こういう言葉のセンスを高めていくにはどうしたらよいのでしょう?

 「あえて同じ言葉を使っている」という場合は別にして〈一つのフレーズの中で同じ言葉を使わない、同じ漢字を使わない〉というルールを設けてみましょう。これだけで、綴る文章がどんどんスッキリしていきます。

 例えば
a.私の意見は、その意見とは違っています
という文章は、間違いでは無いのですけど、あえて
b.私の意見は、その考え方とは違います
と変えてみる。
 こういう作業をしているうちに、文章センスが磨かれていきます。

c.子どもの頃から遠足は大好きで、遠くにいくそのことだけでわくわくしていた
これも間違いではありません。
 この中の同じ漢字、〈遠足〉と〈遠く〉のどちらかを別の言葉に置き換えてみる。
d.子どもの頃から遠足は大好きで、自分のいつもの世界から離れた場所にいくそのことだけでわくわくしていた

 こういうことを続けていくうちに文章が目に見えるように、ワンステップ上の段階に登っていきます。
 私自身、初発のラフ文章を見直すと、重複ワードが見つかって、それを変換していく作業をしています、これまでこのサイトにたくさんの文章を載せて来ましたから、「あえて重複させた」もの以外の繰り返しがいろいろ見つかるでしょう。

 文章ドクターは、送られて来た文章に手を入れていく中でよりよくしていく作業です。大抵、二回三回、文章が行き来します。
 今回の話は最近の文章ドクターの相談の中で「もっと文章が上手くなりたいです」という相談の中で伝えた話の一つです。

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雨の日は植物が美しく見えるー雨のアウトドアもたのしい②

 前の記事で、雨の日、傘を指してアウトドアをたのしんでいる様子をお届けしました、その続きです。

 多くの人が意外に思うかもしれません、雨の日の植物たちは美しく見えるんです。

 あまりに暗いと困るのですけど、それなりに光があれば大丈夫。

 植物たちにとってまさに〈恵みの雨〉だからだと思います。

 これは二日前に紹介した〈イジュの花〉、正式には〈ヒメツバキ〉といいます、私にはとてもキレイに見えるのですけど、みなさんの目にはどういう様に映るのでしょう。

これは前に紹介した〈クチナシの花〉です。沖縄本島の中頃にある〈たの研〉の近くでは、殆どのクチナシの木は花が散っていたのですけど、少しは目にすることができます。
 晴れていた時よりもキレイに見えました

 野生の〈ランタナ〉も見つけました。

 これは〈ノボタン〉ですね、これから花をつけてくれると思います。

   

 これは〈コンロンカ〉、葉が花びらの様に見えるおもしろい植物です。
 特徴的な〈白い葉〉が輝きを見せてくれます。

 花はその白い葉の中にあって、やわらかな黄色です。

 これはよくみる月桃と、花のつき方が少し違って見えます。同じジンジャー(ショウガ科)の別な種類かもしれません。これからもみていきたいと思います。

 どうでしょうか。

 花は太陽の光輝く時もきれいです、ほとんどの人たちは晴れの時に花を愛でるでしょう。

 けれど雨の日も花たちはとても輝いて見えるんですよ。

 嘘だと思ったら試してみませんか。

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