〈予想を持って問いかける〉ことが教材研究の極意

 若い先生たちと授業ワークショップを実施しています。今回のテーマが「予想を持って問いかける教材研究」です。極意中の極意といってよいでしょう。簡単にその内容を書くことは難しいので、興味のある方は研究所のコースを受講してください。※ただし研究所の講座(例えば8/19自由研究)などを受講したことの無い方達は対象とはなりませんので、事前に一般のコースを受講していてください

 〈予想を持って問いかける〉ことは教材研究のみならず、人間が真理を追求してきた(正しいものを見つけてきた)過程、間違ったものにだまされないための過程です。ですから、人間の〈認識〉そのものにとってとても重要なものだということができます。

 仮説実験授業研究会の板倉聖宣が仮説実験授業を提唱した初期の頃にまとめた重要な論文「主体的人間の形成と仮説実験授業」の中でこう述べています。

 自分自身の予想をもって、自然に、あるいは社会に問いかけなければ、われわれは社会の実態、あるいは自然の実態について知ることはできません。

 

 私たちのまわりの星は、すべて地球を中心として回っているように見えます。ですから、人々が天動説を考えるのはあたりまえなことであります。

 つまり、われわれは自然から一種のデマ宣伝を受けているわけであります。これを切り崩すためにはどうしたらよいか。私ははじめにこの問題の研究を手がけました。そして次のようなことを見出しました。

 人々が天動説のあやまりを見出し地動説に達することができたのは、何も星を正確に、精密に観測することではなかった。そうではなくて、もっと大きく目を見開いて、自然の全般的な姿について自分の空想をもつことが必要だということであります。

 ものにとらわれずに自由な自分自身の立場を確立し、その自由な立場から自然に大胆に問いかけていくということによってはじめて自然のデマ宣伝や常識の限界をうちゃぶることができるのだ、ということを明らかにすることができたのであります。

 教育は〈人間の認識〉と共に歩む活動です。
 人間の認識を問題にする限り、〈予想をもって問いかける〉活動は、その基本となるべき重要なものなのです。

 たとえば子ども達への授業で

「今日の授業はかけざん九九です。では二の段から覚えましょう」

というようにして授業に入る場合と

「みんなぁ、2を二回足すといくら?」
「4」
「じゃあ2を4回足すと?」
「・・・8」
「先生はね、たとえば2を7回足したり、4を6回足したりする答えを、みんなより早く出すことができるよ、勝負してみない?

 計算機を使いたい人がいたら、計算機で足し算して、先生と勝負してもいいですよ」

 もちろん、かけ算九九を知らない子ども達と勝負すれば、それを知っている者が圧倒的に早く答え出すことができますね。

「先生、はじめから答えを調べてメモしておいたわけじゃないよ。
どうやっているんだろう?
どうすれば先生みたいに早く答えを知ることができると思う?
 実はね。これからの授業をしていくと、みんなも先生みたいにパッと答えが出せる様になるんだよ(^_^」

 そうやって、子ども達の興味関心を高めていく〈たのしい教育〉の方が、ずっと子ども達の集中力も高まり、結果としてかけ算九九の定着率も高くなります。

 国語でも算数でも理科でも社会でも体育でも、教育と名のつくものなら〈予想をもって問いかける〉という授業が極意です。具体的にそして丁寧に、いろいろな教育関係者、そして教師を目指す人達に伝えていきたいと思っています。

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講座の売り場のたのしい準備/研究所の卒業生大活躍

 いろいろな企業団体などからの要請で授業することも多い中、年に3回ほどは研究所の自主講座を開催しようという目標で取り組みをすすめています。来週は2017年度の2回目〈自由研究の講座〉が開催されます。
 講座では、それぞれの講師の授業も人気ですけど、〈売り場〉も大人気です。
 今日はその売り場の準備の日です。

 おたのしみBox(20%割引券付)
 折り染めインク
 手乗りブーメラン などなど 在庫を確かめつつ不足分を加えていきます。
 毎回、いろいろな人たちが手伝いに来てくれるのですけど、研究所の合格ワークショップの卒業生たちの力がどんどん高まってきて、今日はいっぱいの仕事をすすめてくれました。

 これまでで一番早く出来上がったと思います。

 

 たのしい教育研究所のメンバー10名でたのしい準備に乾杯!

 はやく講座をしたい今日この頃です。1日1度のこの「いいね」で一緒に〈たのしい教育〉を広めましょう➡︎いいね=人気ブログ!=ジャンプ先でもサイトをワンクリックするともっと良し!

たのしい教育教育所の忙しさはたのしさの拡がり

研究所の公式サイトが好評で読者を着実に伸ばしています。今後のために担当の方と一緒にサイトの整理をしようと、古いものから見ていて改めて、たのしい教育研究所の活動の密度に驚いています。
ある日の記事の中にこういう一文がありました。

先週は西表島と石垣島、今週月曜日は南大東小学校の子どもたち、明日は久米島の理科の先生方へ、来週は伊江島の先生方への授業です。

研究所を設立して三年間は、研究所に腰を落ち着けている時間はあまりなく、いろいろなところを飛び回ってばかりでした。

このサイトをご覧になって下さっている皆さんの中には、最近新しく読者となった皆さんもいらっしゃると思いますので、その頃の写真を掲載してみましょう。

 旅行かばんにいろいろな教材を詰め込んで、いろいろな授業をしていました。
 これはある島の子ども達、1年生から6年生まで一斉の授業をしている時の一枚です。

 教育委員会でたくさんの教育関係の方たちと意見交換をして来ました。
 これはその時の一枚です。

 たのしい教育研究所の活動の密度が、わたしの予測を超えて濃いものだったのでしょう。こういう写真が十年以上前のことの様に思えてなりませんが、ほんの3年くらい前のものです。

 おかげさまで、研究所の授業・講座は来年まで埋まり始めていますが、また落ち着いたら、遠いところにでかけていっての授業も実施してみたいと思っています。興味関心のある方はお問い合わせください。自分たちの島から広い世界で活躍する人たちを育てて、後々その人たちが戻ってくる。そして島が元気になる。そのためには長い時間がかかります。しかし手立てはしっかりしています。学ぶことが楽しくてたまらない、という子どもたちを育てるのです。そして、教えることが楽しくてたまらないという教師を育てるのです。そういう中から例えばノーベル賞級の子どもたちが育って行くことにもなるのです。

  何か最新の機械・教材などが必要なのではありません。ガリレオやロバート・フック、ファラデーなど、超一流の科学者たちが予想チャレンジしてきたことを、子どもたちや先生たちと一緒に体験してもらうのが、たのしい教育研究所の授業です。1日1度のこの「いいね」で〈たのしい教育〉を一緒に広げましょう➡︎ いいね=人気ブログ!=ジャンプ先でもサイトをワンクリックすると尚うれし!

たのしい教育研究所 マック先生のたのしい授業

 たのしい教育研究所には〈いっきゅう先生〉を中心に、何人もの授業者がいます。その一人〈マック/MAK〉先生の授業を紹介しましょう。

 これは那覇市の講座の一コマを担当している時の様子です。


 先日は、夏休みのものづくり講座で首里の子ども達約20名と授業したそうです。
 テーマは〈メザシの解剖〉と〈ものづくり〉。

 マック先生の絵や図は、とてもわかりやすいという定評があります。これは、科学的な変化を説明した図です。夏休みの自由研究講座(8/19)に向けてどんどん改良されていく原図なので、加工しておとどけします。

 夏休みの人気講座〈自由研究をたのしもう〉はおかげさまで満席となりましたが、熱心な皆さんからのご要望が届き、ほんの少しですけど、枠を広げることとなりました。希望の方は、お申し込みください。1日1度のここの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=ジャンプ先でもワンクリックお願いします!