たのしい教育とは-書簡 琉太郎様「エリート効果の危うさについて」

りゅうたろうさんがこのサイトに書いてくださった内容を丁寧に読ませていただきました。
板倉聖宣の発想法と哲学を追いかけている私にとって刺激ある文章でした。

ところで私は、りゅうたろうさんが今回取り上げた「エリート効果」の危うさを感じている一人です。
「エリート効果」という確かにあるのでしょう。
「あの山に一番先に上りたい」という様な先駆者意識というものを大事にしている人達はたくさんいると思います。
けれど、たのしい教育活動の広がりは、そういうモノを拠り所にしてはいけないのではないか、そういう事を考えているのです。

その事を話したくて書簡として書かせていただく事にしました。

たのしい教育活動の始まりが例えば、周りの人達がやっていなかった事による「エリート効果」であったにせよ、たまたま知人がやっていて、その付き合いとして始まったにせよ、それはどういうきっかけもありだと思うのです。きっかけはいろいろあってよい。
ちなみに私は「たまたま」の組みです。

ある人が「たのしい教育活動」を続けていこうと決断する時、周りがやっていないという事による「エリート効果」で広がっていくのではなく、たのしい教育を試した事による、実験結果としての「子ども達の笑顔」であったり「自分のわくわく感」であったり、「保護者の方達からよせられるファンレター」であったり、そういう「自分の本質的な喜び」として継続していくことを目指したい。

もしかすると、あの文章の続きで、板倉聖宣はそういう趣旨の事を語っていたのではないだろうか?
語っていなかったにしても、「語りたかった」のではないだろうか、そんな事を考えています。

エリート効果というのは「周りの人達から一目置かれる」という、周りの評価を気にした行動です。
そしてりゅうたろうさんが引用していた様に、それが広まると必然的に意欲が低くなってしまうものです。

私たちが大切にしている「たのしい教育活動」が広がっていく時に、そういうものを拠り所にしていてはあぶないのではないか。
そういうものではなくて、
「これをやると自分がたのしくてたまらないんだよね〜」
という様な、個人として湧き出て来るものを大切にしていく、という事が私の活動の指針です。

さっきは、板倉聖宣はそういう事を語りたかったのではないか、と書きましたが、実はりゅうたろうさんも、そういう事を考えていたのではないか、そう予想しているところです。
いっきゅう筆
たのしい授業の思想

私が影響を受けた板倉先生の文章「学習意欲は先駆者意識、エリート意識により大きく左右される」

私が影響を受けた板倉さんの文章を紹介します。

もともと学習意欲というものは先駆者意識、エリート意識によって大きく左右されざるを得ないのです。ですから、「学習意欲というものは、その事柄についての教育が普及し、学習の物質的条件がととのえばととのうほど(必然的に)低下する」という法則性によって支配されているのです。(私はこの法則を「学習意欲に関する法則」「先駆者効果」「エリート効果」などと名づけています。
この法則は大学の教育学などの時間に講義すべきことでしょう)そのことを忘れて、ただやたらに昔のエリート教育の内容を大衆化しようとしても、それは学習意欲をおとろえさせ、授業を無気力なものにさせ、ついには生徒の犯行をよびおこすものにもなってしまうのです。
「たのしい授業の思想」20ぺ『たのしい授業の思想』所収(仮説社)

 

板倉さんは、「学習意欲は教育が普及すればするほど低下する」といいますが、
これまでそういうことを聞いたことがありませんでした。
大学の教育学でもこういう事は言ってくれませんでした。
(いつも講義のときには、居眠りをしていたので自信がありませんが・・)

「もともと学習意欲というものは先駆者意識、エリート意識によって
大きく左右される」とありますが、戦前や戦後、
進学率が低かった頃、子どもたちは、
勉強して高校大学と進学するにつれ両親の学歴よりも高くなっていきますね。

そういうところでエリート意識がでて子どもたちの学習意欲が高まったのでしょうか。
少し先駆者意識ということについて考えてみたいと思います。

私が仮説実験授業に巡り会った頃、まわりでこの授業を実践している人は、
ほとんどいませんでした。

ですから授業について質問もできないので、何度も本を読んで、
なるべく忠実に仮説実験授業の運営方法に従って
仮説実験授業を実践したところ、
子どもたちの評価は、たのしくて、わかる、
というものがほとんどでした。

初任者の私にも科学の授業がたのしく実践できたのです。
一人一人の感想を読んでいると、この授業をやってよかったと
評価できるものでした。

何よりも一つの授業書を終わることで私自身が学ぶことが多くて、
授業をするのがたのしみになっていたのですね。

そうなると誰かとこの授業について語り合いたくなります。
他の人にも良い実践はすすめたくなりますからね。
必然的に仲間を求めてサークルを作ることになりました。

先駆者意識というものが強く働いていたんだなー、
と今になって分析しているところです。
もし、周りが、みんな仮説実験授業を実施していたら、
サークル活動もすることはなかったでしょう。
その後の人生も又、大きく変わったものになっていたと思います。
(琉太郎:記)
たのしい授業の思想

朝のたのしいミーティング!

ハカセが朝研究所に来るなり
「みんな、マックがすごいことになっている…久しぶりに今日はマックでミーティングしよう」
と言い出し
「よっしゃあ」
と四人でホワイトボードを抱えてマクドナルドへ。
夏休みなのに、ふだんの時よりお客がいないというのです。

でかけてみるとホントにそうでした…
中国産チキンの影響でしょうか。
スクリーンショット 2014-08-06 10.35.06ハカセは「こういう時こそぜひ挽回して<健康志向のマクドナルドに生まれ変わります>ってキャッチフレーズでがんばると、これゃあもりあがるぞぉ…私を顧問にやとわんかね」と語っていました。

ちなみにハカセはなぜか、牛丼の吉野家が危機の時や、レバ刺しが問題になった時とか、食品産業でいろいろ問題になる事があるのですけど、その都度に応援ツアーとか組むそうです。

ハカセがボードに書き込んだ今日の言葉は「たのしさの工夫はたのしい」です。

スクリーンショット 2014-08-06 10.35.21

30分のたのしい充実したミーティングを終えて、ハカセが
「最近、子どもにはできない実験シリーズ、ってのやっててさぁ…(^^」
と、二つのハンバーガーを組み合わせて新メニューを作っていました。

名付けて「フィッシュ・ソーセージバーガー」
たしかに子どもがやったら叱られる…
その名の通り、フィッシュバーガーとソーセージマフィンを組み合わせたものです。

スクリーンショット 2014-08-06 10.35.41「どうよ」と嬉しそうに感想を聞いてきてのですけど、上のパンケーキが全体を支配してしまい、ノーグッドでした(・_・;

M 記

新教材「パズりん」販売開始!

三つの図形を組み合わせて、長方形、正方形、台形、並行四辺形など、いろいろな形をつくるパズルゲーム「パズりん」が完成しました。

IMG_0990

パズりん1

 たのCafeで仲間が紹介してくれたゲームです…実際に講座などでやってみると、大好評でした。
受講者の方達から「売って頂けませんか」という話がいくつも来たので、「もの工房」の皆さんに頼んで商品化してもらいました。
左の黄色いカードがA4ですから、けっこう大きなボードです。
グループで遊んだり、一人で遊んだり、授業の時に利用したり…いろいろできます。
遊び方の解説も入っていて発売記念価格(四ヶ月以内)500円(送料込み)です。
20セット作りました…欲しい方はメールに、お名前、住所、電話番号、注目数を書いてお申込みください。
tanokyou★gmail.com で受け付けています。(★を@に変更してください)

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