たのしい教育をさらに深く学ぶには/メールマガジン最新号の紹介

 たのしい教育をさらに深く学びたい。沖縄に住んでないので、たのしい教育研究所の講座などを受けることができない。たのしい教育を応援したい、そういうみなさんが毎週手に取ってくれているのがメールマガジン〈教師は辞めても たのしい教育と映画はやめられない〉です。

 毎週金曜日が発行日で、パスコード付のPDFファイルでお届けしています。
 ◯ たのしい教育研究所の今日この頃
 ◯ たのしい教育実践編〈Let’s Enjoy the たのしい教育〉
 ◯ おすすめ映画〈Let’s Enjoy the Movie〉
 ◯ たのしい教育の哲学・発想法
の四本立てでお届けしています。

 おかげさまで最新の号数で261を数えます。
 第一号から購読している皆さんは、たとえば、Let’s Enjoy the たのしい授業では、家族でたのしんだり、教育関係の方が子ども達に授業したりできる内容を紹介しているので、それだけで261の教材が手に入るわけです。どれも無理せず真似できるものですから、いろいろな皆さんに喜んで頂いています。

 今週の内容を少し切り取ってみましょう。全体のボリュームは、各章ともこの20〜30倍です。

 〈Let’s Enjoy the たのしい教育〉では学期末のちょっとした時間に、子ども達とたのしめる簡単実験をとりあげてあります。

 映画の賞は〈ライフ〉 わたしの好きな俳優二人が初共演ということで注目していた作品です。

 〈たのしい教育の発想法・思想・哲学〉の章では、たのしい教育研究所に、行政に関わる方たちから問合せが届いている「貧困問題」について考えるきっかけとなる内容を書いています。

 年間購読は9600円です。興味のある方はどうぞ! 1日1度のこの「いいね」で〈たのしい教育〉を一緒に広げましょう➡︎ いいね=人気ブログ!=ジャンプ先でもサイトをワンクリックすると尚うれしい!

経済格差とたのしい教育/たのしさで貧困問題を解決する構造について

 「貧困家庭の問題について何かアイディアがありませんか」という相談が来ることがあります。たのしい教育研究所としてのアイディアはいくつもあって、その具体的なお話をさせて頂いているのですけど、それなりに予算がかかることなので、実現に向けては行政内部の本気の取り組みが必要になると思います。今回はその貧困問題について、少しだけですけど、書いてみようと思います。

 私が教師をしている頃から、貧困問題は肌身で感じていました。具体的な話は避けますが、保護者の方からの相談で感じるだけでなく、その数よりはるかに多く〈今月の給食費をどう捻出したらよいだろう〉と困っている方たちがいるのです。個人的に知り合いの行政や議会にいる方たちに〈まず給食費を無料にしましょうよ〉という話をずいぶん以前から繰り返して来ました。やっと最近は、そういうながれをみせて来ている市町村もあって喜んでいます。

 貧困問題というとユニセフのコマーシャルなどにも出ている様にアフリカなどの地域をイメージする人も多いことでしょう。
 日本はどんどん豊かになって来ている感じがあって、「子どもの今月の給食費をどうしたらよいだろうか」と悩んでいる人たちがたくさんいることが不思議に思えるかもしれません。

 貧困家庭と言われていても携帯電話があったり、車があったりと、昔と比較すれば遥かに豊かです。わたしが子どもだった時代には、こんなに車は走っていませんでしたし、冷蔵庫も必要最小限の小さなものでした。子ども達が電話を個人用として持つなんて考えられませんでした。
 この写真は1960年代の庶民の家の写真です。


 その頃の暮らしと比較すると、今、貧困問題がとりざたされていることを不思議に思う人もいると思います。

 何をもって貧困というのか、その定義はいろいろなものがあります。
 その中で、OECDの「世帯人数を考慮した可処分所得(等価可処分所得)が貧困線に満たない世帯に属する人」を〈相対的貧困〉として定義していることが多いようです。つまり、
その社会の中で、その家庭の所得がどのくらいの位置なのか、という相対的な見方なのです。

 計算的には〈全世帯の可処分所得を1人当たりに換算して、その所得額を低い順から並べ、中央値の半分に満たない人がどれいくらいいるのか〉で数値化します。
 数年前のデータで説明する資料しか手元にないのですけど、厚生労働者の国民生活基礎調査(2012年)を元にすると、122万円を下回る水準が〈相対的貧困〉です。

 計算すると、わたし達の日本では、〈相対的貧困〉の割合は16.1%
 6人に1人が相対的貧困にあえいでいる状況だということになります。

 先進国クラブとされるOECD加盟国35ケ国で、最も相対的貧困率が低い国はアイスランドです。〈相対的貧困〉の割合は4.6%に過ぎません。
 韓国は14.6%、日本より相対的貧困率は低いのです。
 ギリシャの15.1%よりも日本の貧困率が上回っています。

 日本の貧困率は
 イスラエル18.6%
 アメリカ17.2%
 トルコ17.2%などと並んで高水準です。⇒ 参考

 つまり日本では〈6人に一人が年間所得122万円以下の家庭に所属する〉ということが貧困問題の数量的データです。

 では、その貧困問題にどのように取り組んでいけばよいのでしょう。

 〈ベーシック・インカム〉つまり〈年齢・性別等に関係なく一律に現金を給付する仕組み〉を検討することなど、政治の力で取り組むことはたくさんあるでしょう。
 しかし、たのしい教育研究所は〈教育〉のエキスパート集団です。政治システムよりも根本的に解決するのが〈教育〉であると考えています。

 話を簡略化してみましょう。

 〈教育〉という重要な視点で〈貧困問題〉に対する取り組みを整理すると

A.子ども達がもっと学びたいと感じてくれる様な教育を提供するシステム
B.もっと学びたいという子ども達が〈進学〉で差別されることのないシステム
C.賢く学んだ人たちがその才能を活かす仕事につくことができるシステム
D.人生のいろいろな場面で〈学び直したい〉と感じた時に〈たのしい教育〉を提供できるシステム

の4つを構築することが重要であると考えています。

 Aが何よりも根幹となり、BそしてCDの順に展開し、それらが循環していく社会ができた時、〈貧困問題〉を含めて他のいろいろな問題を解決できる様になっていくでしょう。

 A.子ども達がもっと学びたいと感じていくれる様な教育を提供するシステム
を抜きにしては、BCDは本質的には機能しません。
 本人は特に学びたいという意思がないのに、世間体や周りが進学するから自分も進学するということでは、社会の問題を解決できる様な学びには繋がりません。そういう学びは高く見積もっても〈現状を理解する〉くらいの学びとなり、新しい社会を切り開くようなものとはならないでしょう。
 その意味で〈学ぶことがたのしい・もっとこういう授業を受けたい・この世界の謎を知りたい・解いてみたい〉という様な子ども達を育てることは、とても重要なことだと思っています。

 先日の〈グッジョブフェアー〉でも、そういう感想をたくさんもらうことができました。
 この写真は最近作成した「たのしい建築学入門」の問題の一つにグループでチャレンジしているところです。
 単におあそびをしている様に見えるかもしれませんが、〈基礎部分〉と〈主要構造部分〉という建築の重要なベースとなるものを学んでもらっています。

 はじめは行儀よく座っていたり、この子は友達と遊ぶ予定があったのに〈保護者の方に「行こう」と言われて参加したのかも〉 という様な座り方をしている子たちもいたのですけど、どんどん前のめりになって行きました。 
 姿勢自体がみるみる前のめりになっていき、そろそろ次のプログラムにすすみましょう、と言ってもなかなか耳に届いていないほどでした。
 この写真の手前の子ども達だけでなく、その後ろ側にいる子ども達の姿勢も御覧ください。

 そうやって〈学ぶ事が好き〉になって来た子ども達が、さらに上級の学校に行きたいとなって来た、それがBです。
 その時「本当にその子が学ぶ熱意を持っているのか否か」それは、担任の先生が書く調書を工夫することと、たのしい教育研究所のわたし達に面談をさせていただければ、かなりの確率で見分けることができます。
 今は特に進学する気がないという子ども達でも人生のある時に〈また学びたい〉と感じることもあるでしょう。それは仕事上の場合もあれば、子どもの頃学んだあのたのしさをもう一度味わいたいという場合もあるでしょう。
 それがDです。
 ABで学んだ子ども達は、その力を発揮できる職場で思う存分活躍してもらいたい、それがCです。

 たのしい教育研究所は、BCDつまり
B.もっと学びたいという子ども達が〈進学〉で差別されることのないシステム
C.賢く学んだ人たちがその才能を活かす仕事につくことができるシステム
D.人生のいろいろな場面で〈学び直したい〉と感じた時に〈たのしい教育〉を提供できるシステム
の根幹となる重要な「A」そして「D」の専門チームです。
 ADがあってこそBCがいきるのです。

 それらを構築する具体的アイディアは、本気で取組みたいという有志と感じた時にお話できると思います。

 行政にいる皆さん、議会で活躍している皆さんが、その重要性を感じてくれるためにも、読者の皆さんがいろいろな処で「たのしい教育をもっと受けたい」と声を上げてくださればよいのにと思っています。
 社会が進歩していくには時間がかかります。
 しかし〈たのしい教育研究所〉はその進歩を確かに感じながら、元気に活躍しています。
 みなさんの応援をたのしみにしています。1日1度のこの「いいね」で〈たのしい教育〉を一緒に広げましょう➡︎ いいね=人気ブログ!=ジャンプ先でもサイトをワンクリックすると尚うれし!</a</p

アイス・ブレイク〈消しゴムどこどこ〉でワクワク・ドキドキ

 たのしい教育研究所の授業はメインの内容に入る前も、とても盛り上がります。今回、沖縄市のセンター自治会で取り上げたのは〈科学手品〉と〈昆虫マッキーノ〉です。一つだけで十分もりあがるのですけど、ぜいたくに2つそろえました。
 その前にアイスブレイクでたのしんだのが〈消しゴムどこどこ?〉というゲームです。皆の前に二人出てきて、誰の手に消しゴムが隠されたのか、みんなで当てるゲームです。

 「もっとやって」の声に「またいつかやろうね」と答えて、メインの内容に進みます。

 その一つ〈昆虫マッキーノ〉も大好評でした。
 いろんな昆虫の名前をゲーム形式で覚えていきます。
 マッキーノとは、ビンゴゲームを教育で利用できる様に開発されたゲームです。開発した牧野栄一さんの名前にちなんで〈マッキーノ〉と呼ばれています。
 牧野さんは、たのしい教育研究所のいっきゅう先生の友人で、いっきゅう先生は牧野さんから〈マッキーノ沖縄支部長〉を命じられているほどです。マッキーノの本もおすすめです☞たのしくドリル・マッキーノ

 このサイトにもいくつかマッキーノの記事をのせています。
 たとえば⇒ こちら
 興味のある方は左のバーの検索サイトから探してみてください。

 日一回の「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか-〈人気ブログ〉いいねクリック⬅︎ジャンプ先のページでもワンクリックお願いします

ロバート・フックとレーウェンフック/〈小さな世界〉でもたのしさいっぱい!−りゅうぎんキッズでの授業づくり/自由研究とたのしい理科教育

 たのしい教育研究所は連日大忙しです。沖縄県のグッジョブフェスティバルで親子講座の翌日は〈若い先生方向けのワークショップ〉で熱心な先生方との真剣勝負。その翌日からは沖縄市の自治会・公民館でのたのしい授業がスタートしています。沖縄市に住んでいる子ども達が対象です。ぜひご参加ください。

「たのしい科学手品と昆虫ゲーム」

※6月の内容との兼ね合いで、より盛り上がる内容にアレンジすることもあります。予めご了承ください

時間16:00-18:00
○ 7/10 月曜日 センター公民館
 ⇒コザ小・パークアベニュー近く
○ 7/11 火曜日 越来 自治・公民館
○ 7/12 水曜日 海邦町 自治・公民館
○ 7/13 木曜日 泡瀬 自治・公民館
○ 7/14 金曜日 池原 自治・公民館

 

 翌月、8月1日(火)と8月4日(金)の〈りゅうぎんキッズ〉で授業する「小さな世界はたのしさいっぱい」の準備も進行中です。申し込み⇒こちら

 肉眼ではそのまま見ることができない小さな世界の魅力(みりょく)と不思議(ふしぎ)さを私たちに伝えてくれた重要な人物に〈ロバート・フック〉と〈レーウェンフック/レーヴェンフック〉という二人の人物がいます。名前が似ているので混乱してしまう人もいます。二人について紹介しましょう。

 これがロバート・フックさん。
 1,600年代、日本でいうと江戸時代の頃にイギリスで活躍した人物です。

ロバート・フック Wikipediaより

 

 これはロバート・フックが開発した顕微鏡です。今の顕微鏡の様な仕組みで、据え置き式、机などに置いて見るタイプです。

ロバート・フックの顕微鏡 Wikipediaより

 この顕微鏡で〈生物は細胞・セルという単位でできている〉という科学上の重要な事実を発見しました。またいろいろなものを観察して精密なスケッチをいろいろ残してくれています。

ロバート・フックが描いた〈のみ〉 Wikipedia

 ロバート・フックさんはコルクなど、いろいろなものの観察から「生物は〈セル:細胞〉と呼ばれるものからできている」ということを発見しました。

 

 これはレーウェンフック(レーヴェンフック)さん。〈レーウェン・フック〉と書き違いする人がいるかもしれませんが、アントニ・ファン・レーウェンフックです。少し長いからでしょう、レーウェンフックと紹介されています。
 彼も1,600年代にイギリスで活躍した人物、つまりロバート・フックさんと時代も場所も重なるのです。

レーウェンフック Wikipediaより

 これがレーウェンフックさんが開発した顕微鏡です。
 一枚のレンズでできていて、さっきのロバート・フックさんの顕微鏡より簡単なつくりに見えます。大きさも片手にすっぽりおさまるくらいです。

 レーウェンフックさんは、この小さな顕微鏡をもって、いろいろなところに出かけ、はじめて〈微生物〉を観察しました。そして「世界は微生物であふれている」ということを発見したのです。
 さらに、生きた魚のを観察し、そこに微細な血管があり、血管の中をつぶつぶが連続して流れていることを見出しました。〈血球の発
見〉です。

 レーウェンフックさんは、専門教育を受けたこともなく、科学の世界で利用している〈ラテン語〉も学んでいなかったので、科学の世界ではなかなか認められることがありませんでした。
 実は、レーウェンフックさんの活躍を認め、いろいろな人にその成果を広めたのはロンドンの王認学会で活躍していた〈ロバート・フック〉さんだったのです。自らも小さな世界を研究したからなのでしょう、レーウェンフックの顕微鏡のすばらしさや、研究の独自性を強く感じたに違いありません。

 りゅうぎんサイエンス・キッズでは、この〈レーウェンフック〉さんの開発した単式顕微鏡(たんしき けんびきょう)を独自に簡易版として開発した〈たの式顕微鏡〉を作成して、小さな世界の魅力をみんなで感じていこうと思っています。
 ご期待下さい!。1日1度のこの「いいね」で〈たのしい教育〉を一緒に広げましょう➡︎ いいね=人気ブログ!=ジャンプ先でもサイトをワンクリックすると尚うれしいです!