今から3000年くらい前、古代ギリシャの科学者たちが、これ以上分けられない究極の物質「アトム/原子」の存在を予測し、その後、1700年代に酸素や窒素、炭素などが発見され、それを「アトム/原子」と名付けました。ここまでが前回の復習です。
これ以上分割できないものとして名付けられた酸素や窒素や炭素でしたが、実は、その後、それらもさらに分割できることがわかりました。
つまり「究極の物質」ではなかったということがわかったのです。今から見れば「分割できないもの」という意味の「アトム」と名付けるのは、もう少し後に伸ばしておくとよかったのに、というのが本当のところです。
原子は、さらにいくつもの物質から成り立っていたのです。
電子や陽子、中性子などです。
Rくんが
「原子より小さな物質がありますか?」
という質問をしてくれましたが、
「あります」
というのがその答えです。
「陽子」や「中性子」「電子」などがそれです。
その時に、陽子や中性子や電子を「原子」と呼べばよかったのかもしれませんが、もう「原子」という名前はつけてしまいましたから、新しい呼び方が必要です。
そこで科学者たちは「素粒子(そりゅうし)」という名前で呼ぶことにしました。
これこそ究極の物質だという意味でつけた言葉です。
ところが、話はここで終わりません。
さらに科学者たちの研究はすすみ、つまり今から50年くらい前に、その陽子や中性子などよりもっと究極の物質がいろいろ見つかってきました。
「クオーク」という名前を聞いたことがありますか?
最近のノーベル賞で耳にする「ヒッグス粒子」や「ニュートリノ」というのも素粒子の仲間です。
詳しく知りたい方は、ここ を開いてみてください。
そこで科学者たちは、今ではクォークなどを「素粒子」と呼んで、中性子や陽子などは、単に「粒子」と呼んでいます。
もしも、今「素粒子」と呼んでいる物質より、さらに分割されたら、それが「素粒子」と呼ばれることになります。
科学はどんどん進み、今では原子よりもっともっと小さな物質が見つかってきました。
科学の研究がすすむと、人々の可能性もどんどん広がります。
たとえばこの素粒子の研究は、たとえば「量子コンピュータ」という、爆発的とも言えるような処理能力を持つ全く新しいタイプの コンピュータを生み出しつつあります。
宇宙の謎の解明にも役立ってきています。
さっきあげた「ニュートリノ」や「ヒッグス粒子」の研究は、まさにその謎解きの科学でもあります。
これを読んでくれている皆さんも、図書館などでいろいろ調べてみるといいですよ。
本格的な学力を育て
沖縄からノーベル賞を!
「たのしい教育研究所」です