今週も最新の〈たのしい教育メールマガジン〉の記事を紹介しましょう。

沖縄で「みーにし」と呼ばれる冷たい風が吹きました、季節はハッキリと「秋」です。
新聞などには「新北風」と表記されています。
「みー」は〈新しい〉という意味の島言葉です。ややこしいのだけど、島言葉で「北」を〈にし〉というので、あわせて「みーにし」です。
私の言葉感覚で〈初雪〉〈初夏〉という季節の呼び方にあわせて「初北風」と書きたいと思います、今年初の北風です。
ところで《島言葉のほとんどは大和言葉から》という私が立てた仮説があります。
「みー」に近い大和言葉に「にひ・にい」という、名詞の前につく古語・接頭語があります。
「新しい・初めての・ういういしい・新鮮な」という意味で、今でも「新妻」などに生きています。
「にい」から「みー」への音変化は起こりやすいものの一つでしょう。
たのしい島言葉の記事として公式サイトにいつか書きたいと思っています。
今週はたのしく綴りました。
書いている時のわくわく感が伝わりますように。いっきゅう
人気の高い〈発想法の章〉から紹介しましょう。
2008年12月26日
「新・仮説実験授業の教育原理を考える会」で板倉先生が語ったものを、久しぶりに私が文字起こししました。
何十年も変わらない知識を教えたい
板倉
20~30年ごとにはかなり社会が大きく変わりますね、常識が変わっちゃうんです。
例えば「世界で最も強い国がどこか」という授業をやると、ある世代の大人たちは「日本だ」と考えます。
1人当たりのGNPでは日本はアメリカを超えて〈世界1〉になったんですね。
「日本は1人当たりのGNPが世界一高い国だ」という知識があって、そうするとそれが、日本人にとってすごい自信になっているんです。
ぼくと同世代の日本人の科学者に「虹は7色か6色か」という問題を出すと、軒並み間違えるんです。
アメリカ人は「虹は6色だ」といいます。日本人は「それは彼らの美的感覚、色に対するセンスが貧弱だからだ」というふうに考えたんです。経済成長してアメリカを超えた時期から、日本人は自分たちに自信があるので、アメリカ人はセンスが貧弱なんだというように考えるようになったんです。
ある世代の親たち、今の親たちはね、日本は世界一になった国だと思ってるんですよ。「今、世界1番の教育国はどこだ?」と問うと「日本だ」と答える人たちは結構いるんです。
「日本であってほしい」という人たちがたくさんいるわけだし、親から「日本は一番だ」と教わったり、どこかでそういう話を読んだり知ったりしたことが、ずーっと頭の中に残っているんですよ。
ぼくなんかは「日本は世界の強国だ」とか「日本は一等国だ」とかいうようなことが、いかに恐ろしい結果をもたらしたかということを知っているから、そういうことに敏感なんです。
最近は円高でしょ、すごい円高ですね。
※補註:2008年当時です
でもつい最近まで日本は、国際的にいって1人当たりのGNPが少なかったですよ。日本の1人当たりのGNPは世界の7位だったんです。
そんなに低くないとはいえ、あんまり高くない。
これが円高になった関係でGNPが世界1位になっちゃって、アメリカを超えたわけです。
それで景気がいい話ができたりするんですね。
景気とか円の価値というのはこういうように変わっていくんです。
教育というのはどんどん変わっていく知識ではなく、子どもたちが、85歳になるまで有効なものを教える必要があると思います。
そうしないと危ないんですよ。
1度しっかり覚えてしまった知識については、その後ほとんど修正されないんです。
小学校5年生の時に受けた教育がその人のその後の人生の中でずーっと続いたりするんです。
今は「人生80年時代」ですね、85歳まで生きる人たちもいるでしょう。
その年になった頃まで、小学校5年生で学んだことを頑なに覚えているということがあるわけです。
だから85歳になっても子どもや孫にバカにされないような教育内容をしよう、と思うんです。
これは非常に難しいことですけどね。
新聞は時々刻々の情勢を教えるだけですね、でも教育はそうではないんです。
そういうのは〈社会の科学〉の授業書として扱う必要があります。
数学だったらほとんど全然変わりませんね、だから数学の古本はいつまでたっても売れるんです。中身が古くないからです、数学の真理が変わらないからです。
物理関係は100年くらいで変わることがあります、生物関係も変わります。とはいっても、そういう自然科学は新しい知識がプラスされるだけですね。
社会科学関係はそうではなく、それまでの知識がひっくり返るくらい変わるんです。
そしてその〈ひっくり帰った新しい知識〉が再教育によって変わることはほとんど絶望的だと思います。
だから85歳ぐらいまで孫や子どもに馬鹿にされないような教育をしたい。
そうすると教えることが、かなり限定されますね。
今1つ手がけているのは『貿易と社会』という授業書です。
明治維新のときの貿易から入ります。
現在から入りません、大きく変わりますからね。
明治維新、1868の年にどういうことが起こったか、これは変わりませんからね。ここまで
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