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エリック・カールの絵は、たのしく、わくわくさせるような構成「コラージュ」とよばれる技法 by ひな

  エリック・カールさんについて書いているシリーズの3回目です、今回はカールさんの絵の技法について紹介しましょう。

 カールさんの絵って独特ですよね。

 たのしい教育研究所(RIDE)のメンバーから
「普通に筆をふるっているようには思えないんだけど、どうやって描いてるのかなぁ~、貼り絵の様にみえるんだけど」
 という質問がありました。
 みなさんはどう思いますか?

 

 

 エリック・カールさんの来日記念に出版された
「子どもの夢を追って」 ➖エリック・カール自伝➖ (偕成社)
という本があります。
 その中に〈絵本づくりのひみつ〉というインタビューがのっています。

質問 
 あなたの絵は、絵の具や色鉛筆で画用紙などに書かれたものとはずいぶんちがいますが、どうやって描いているのですか?

カール
 たとえば、ピアノをならうとき、何度も何度も同じところを練習しますね。
 私も美術学校で、そうした練習をしました。紙にいろいろな色をぬり、それを切ったりちぎったりして形を作り(抽象的な形が多かったのですが)、それを、楽しく、わくわくさせるような構成にならべるのです。

 それが、コラージュとよばれるものでした。
 私はこのテクニックに、ずっと関心がありました。
 ずいぶんたってから、広告代理店のアートディレクターをしていたとき、このコラージュを使った一連の広告デザインをし、それがビル=マーチン氏の目にとまったのです。

 彼は、自分の本の挿絵を描かないかと誘ってくれました。それは、たいそうおもしろくて、やりがいのある仕事でした。こうして私は、子どもの本を手がけるようになりました。
 最初の本には、色つきの薄紙だけを使いましたが、その後は色をもっとリッチに、感触もおもしろくさせたいと思い、アクリル絵の具をふきつけたり、歯ブラシを使って点画をくふうしたり、指でなぞったこともあります。また、目のあらい麻布やカーペットのきれはしに絵の具をつけ、薄紙にもようをつけたりもするようになりました。
 これらの色紙が、いわばパレットになります。それを切ったり、ちぎったりして、壁紙用ののりでくっつけて絵にしていくのです。

※ビル・マーチン・・・
 1916年アメリカのカンザス生まれ。カンザス州立教員養成大学卒業、ノースウェスタン大学哲学科博士号取得。高校教師・小学校校長・大学の客員教授などを経たのち、読書指導をする教員や図書館員の育成に尽力する。絵本作家・詩人としても活躍し、数々のベストセラーを生み出した。2004年逝去。  ・・・偕成社・・・
「くまさんくまさんなにみてるの?」の作家。絵はエリック・カール

※コラージュ・・・
コラージュ(仏: collage)とは絵画の技法の1つで、フランス語の「糊付け」を意味する言葉である。通常の描画法によってではなく、ありとあらゆる性質とロジックのばらばらの素材(新聞の切り抜き、壁紙、書類、雑多な物体など)を組み合わせることで、例えば壁画のような造形作品を構成する芸術的な創作技法である。作品としての統一性は漸進的な並置を通して形成される。コラージュは絵画と彫刻の境界を消滅させることを可能にした。
・・・ウィキペディアより・・・

 カールさんの主だった作品たちは、画用紙にそのまま絵を描いていくというのではなく、いろいろな彩りの用紙を切り抜いてノリではっていって作られているんです。

 コラージュの技法は学校のこどもたちや家庭でやってもとても楽しそうですよね。

 これは、彩色したペーパーを選ぶエリック・カールさんの姿です。

 では、また。

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