小学校の頃、たのしい教育研究所で連続授業を受けたこどもたちが全員現役でいろいろな大学に合格してあいさつに来てくれたことを数回前に書きました。「どういう授業をしていたのですか」という質問が届いているのですけど、〈原子論〉や〈たのしい漢字学習〉などの他に算数で「〈1/2×1/3=1/6〉をいろいろな方法で説明してください」という授業をしたことを覚えています。私が小学校でやっていた授業なので思い違いがあるかもしれませんけど、算数の力がグッと高まりますから、みなさんも一緒に考えてみませんか。
計算の仕方ではありません、つまり〈分母は分母にかけて分子は分子にかけるからだよ〉というのは答えではありませんよ。
この問題を出したきっかけは、東京の某有名大学の入試で「〈1/2×1/3=1/6を計算ではなく図で描いて説明しなさい〉という問題を出したところ、他の難しい計算処理はできている受験生の多くが答えることができなかった」という話を聞いてからです。
日本のトップクラスの大学を目指す人たちも〈数処理〉の基本概念ではなく、受験テクニックや計策テクニックなど、記憶を主にして入試を突破していくのだということへの大いなる疑問を出発点にしています。
こどもたちには「いろいろな方法で説明してください」と投げかけましたが、ここでは図によって説明していく方法を紹介したいと思います。
まず、自分自身で考えてみてください。
保護者の皆さんは子どもが「ねぇお母さん、どうして ½✕⅓は1/6になるの?」と質問してきたと想定して考えてみましょう。
さぁ、どうしてでしょう?
あなたの考え!
たのしい算数の計算(かけ算の本質)
〈かけ算〉とは何でしょう?
たとえば〈✕2〉というのは、あるものが2セットになることです。
〈✕3〉というのは、あるものが3セットになることです。
では〈✕ ½〉はどういうことでしょう?
「2つに分けた1つ分」にすることです。
〈✕ ⅓〉はどういうことでしょう?
「3つに分けた1つ分」にすることです。
では〈 ½✕⅓〉というのはどういうことなのか?
自分で図を描いてみませんか!
1/2 ✕1/3は「〈2つに分けた1つ分〉を〈3つに分けた1つ分〉にすること」です、こうです。
まず一つのかたまり(全体の正方形)をタテに1/2にします、左半分の緑のバー で表しています。
その緑の部分今度はをヨコ(タテ割りが続くより見やすくなります)に3つに分けてみましょう、その一つ分が〈1/2 ✕1/3〉の答えです。
ピースを数えてみてください、一つのかたまりを6つに分けた1つ分になっていますね。※正方形の左下、濃くなった部分です
つまり〈1/2 ✕1/3〉は〈1/6〉ということです。
学校でこういうレッスンはほとんどやっていないので、塾などでいい点数をとっているこどもたちも、なかなかできません。けれど、丁寧にそれを教えていくうちに「そうか、わかった」と喜んでくれます。
練習してみましょう。
a.1/2✕1/4 を図で説明して答えを出してください(答は1/8)
b. 1/3×1/4 を図で説明して答えを出してください(答は1/12)
c. 〈3×1/2〉はどうして3/2になるのか、図で説明してください
〈数量のイメージ〉を〈図で描きながら理解〉できるようになると単に〈計算方法〉で進めていく人たちより遥かに算数・数学のちからが高まります、私がすでに何度も実験済みです。
なれていくと、1/2➗1/3 も図で答えを導き出せるようになります。いつかこのサイトで説明してみましょうね。
学校では計算が得意な子は「頭がいい」と言われがちです。しかし〈図で描けるこどもたち〉のほうがずっと賢いのです。これからの本質的な学力向上に向けた重要なベクトルです。
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