差別用語に敏感でありたい、そのためには学ぶ必要があるという話-楽しい教育の発想法

 魅入る内容と無駄のない文章の手本でもある〈中島敦〉、彼は才能を惜しまれつつ夭折した作家の一人です。1909年生まれ、1942年他界、33年の短い人生でした。
 彼の作品は短いエッセイを含めてもそう多くないので、ほぼ全て読んでいて、李陵や山月記、虎狩などは十回近く読んでいます。

 彼は日清・日露戦争後に生まれ、第一次世界大戦の頃、幼少期を過ごし、第二次世界大戦に向かう日本で成長していきました。

 その時の言語感覚が出てくる彼の文章にドキリとさせられる単語がいくつか出てきます。

 土人、半島人、内地人etc.

 私が「内地」という言葉に違和感を覚える様になったのは、中島敦の小説からだったと思います。

 ごく普通に「内地」という単語を発する人たちは、それが〈戦争〉という歴史的暴力を経て使われたきたことを知らない人も多いでしょう。それはそれで構わないかもしれません、しかし〈教育〉という視点でみると、こういうことを知っていた方がよいと思います。

 こういう分類を見たことがあるでしょうか。

https://social-studies33.com/2018/03/03/

 そうです、「内地」というからには「外地」がある、〈内地人〉〈外地人〉という言葉もある、つまり差別的な意味をふくんだ言葉でもあるのです。

 アメリカにはアフリカ系アメリカ人への差別、中国系の人たちへの差別、ホワイトでない人たちへの差別などいろいろあって、強い苦しみを伴いながらそれを克服していく過程が今の状況です。

 物理的な平等だけでなく、思想信条が表れる〈言葉〉によって、お互いを尊重していくことは、とても大切なことだと思います。それは、過去の歴史やことばを学んでいくことなしには克服できないものでしょう。

 たのしい教育は面白おかしいことを実施する教育ではありません。
 差別をなくし、お互いを尊重していく過程もたのしい教育が大切にしているテーマです。

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太郎こおろぎ その後/小学校の国語の教科書もおもしろい

 数回前、私がはじめて小学校の先生として子ども達の前に立った年、三年生の国語の教科書に載っていた「太郎こおろぎ」の話を書きました。いくつかたよりを頂いた他に、A先生が「読んだことがなかったのでアマゾンで注文しました」と国語の教科書作品を収録した〈光村ライブラリー〉を持って来てくれました。
 光村図書出版社、なかなか嬉しい仕事をしてくれています。懐かしく手にする人たちがたくさんいるでしょう、感謝。

 さて私も一冊欲しいなとamazonを検索していたら〈太郎こおろぎ〉の絵本がピンポイントで出て来ました、なんと・・・ 古本で約3万円。

 なるほどそれで〈せどり〉という転売ビジネスが成立するわけですね。
 こうやってバブルの様に高値にしていくことって、早く無くなって欲しいものです。

 閑話休題

 便りの中に、私が記事の中で

最後の「太郎は◯◯になって、学校に立派な、◯◯◯◯」という終わり方は、半分好きで、半分は「もったいないことをしたな」と感じたことも覚えています。

と書いたことにふれた方がいました。

 どこが半分好きで、どこがもったいないのか?

 あの太郎がみんなから信頼されて村長になったということが好きなエピソードです。そして〈コンクリート〉の校舎を作ったという〈古いものを新しくすることが素晴らしい〉と考えていた高度成長期の価値観そのものに残念な思いがするのです。どういう時代の流れ、価値観の変遷を経てもゆるがない作品というのはほとんどないでしょうから、それをもって「太郎こおろぎ」の価値を低く見る必要はないでしょう。

 みなさんの好きな、教科書の中に出てきた物語を教えてくれたら幸いです。

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こどもの笑顔と賢さと/新作バランス・プテラノドン

 毎週、地域のこども達にたのしい教育を実施しています、その中でたくさんの感動が生まれます。

 コロナまん延防止の中で公民館が使えないところもあり、こども達が家庭で実験やものづくりが楽しめる様に〈感染症対策セット〉と一緒に教材をプレゼントしているのですけど、こども達や保護者の皆さんがとても喜んでくれます。

 これは最近開発した〈バランス・プテラノドン〉、ワリバシの先にくちばしでのるペーパー・クラフトで、物体の重心を学ぶことができる教材です。

 さっそく持って帰って家で作り、自分で発見して見せに来てくれた子がいました。

「手にもバランスよくとまってくれるんだよ」と嬉しそうです。

 こども達が感動的に学んでいくことが、これからの教育には不可欠です。

 そういう子がいろいろな発見や発明してくれるでしょう。

 そういう未来をたのしみに、たの研のメンバーは〈たのしい教育〉に全力投球しています。

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私家版 茶わんの湯-コーヒーカップの湯気

 毎朝のルーティーンは寝ぼけた頭で相棒ア~ル&ニケの食事を準備してから珈琲をたてて、メール類の返事を書き、今日の流れを確認しつつ軽い執筆に入ります。

 太陽の光と珈琲の温度、置いた位置、カップの色と背景などいろいろな条件がうまく重なったのでしょう、たちのぼる〈湯気〉がハッキリ見えました。

 日本の科学者の中で卓越した名文家〈寺田寅彦〉の科学エッセイ「茶わんの湯」を以前このサイトに紹介しました。これは私家版茶わんの湯、珈琲カップの湯だなと思い、写真を数枚撮りました、紹介しましょう。

 これがコーヒーカップから踊る様に立ち上がる湯気の様子です。後ろにVictorの黒いスピーカーがあるので白く浮き上がってみます。スマホの調子が悪くなり、先月新しいタイプに買い替えたので画像を的確にとらえることができました。

 

 近づけると湯気の様子がハッキリみえてきます。

 

 寄っていくと粒になっている様子が見えてきました。

 重なり合った湯気の粒や離れて見える湯気の粒たち

 しばらく見とれていると雲がやってきたのでしょう、光が弱くなり、いつもの珈琲の様子に戻っていきました。

 わずか二、三分の時間だったかもしれません、たのしいひと時でした。
 たのしい1日の始まりです。

 

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