料理は科学 なぜ〈白菜+塩&唐辛子〉で酸っぱいキムチができるのか?

 三年くらい前に〈味を科学する〉という授業ブックを作り始めて、未完のままなのですけど、その時に気になっていたこと。キムチを作る時に塩を結構使います、だから〈塩辛くなる〉はずだ。プラスして唐辛子もいっぱい使う、だから〈ヒリヒリした辛さ〉も加わるだろう、それがなぜ『酸っぱ辛く』なるのだろう?

 キムチをつくるときには野沢菜とかタクアンよりたくさんの塩を使います。なのにキムチを「塩っから~」と感じることはありません。

 どうして酸っぱくなるか?

 そのこたえは〈発酵作用〉でした。

 白菜にはもともと〈乳酸菌〉が含まれていて、塩を加えることで白菜の中の水分が外に出て行くことになります。

 白菜の中の水分が減ると、それまでは水分が多くて発酵できなかった乳酸菌が発酵しやすい状態になるのです。

 とするとキムチということではなく、白菜の塩漬けだけで『酸っぱい』味わいになるはずです。

 それから白菜だけに乳酸菌が入っているというのは考えづらいので、他の野菜でも似た様に発酵作用が起こるはずですね。

 もしかすると漬物というものの多くは〈発酵〉作用が働いて美味しくなっているのかもしれません・・・
 というのが三年前の私の問題意識でした。

 料理というのは人間の歴史と同じくらい長いのでしょう、その蓄積を科学で解明していくと、さらにいろいろなものへ応用が広がります。

 私の知人でレストランを作った発酵が大好きな方がいます、やっと解決に向かいそうです。たのしい教育全力疾走RIDE(たのしい教育研究所)、みなさんの応援が元気の源です。一緒にたのしく賢く明るい未来を育てましょう。このクリックで〈応援〉の一票が入ります!

 

たのしい読書「新明解国語辞典」を一ページから読み進める

「新明解国語辞典」について書いた記事が好評です、ありがとうございます。「自分用が欲しくて買いました」という方もいました。

 辞書は改訂されていくので、私が尊敬する「山田忠雄」の責任編集版でなくなってから、しだいに柔らかくなっていきました。最新は〈第八版〉で、〈第四版〉あたりまでが、山田忠雄イズムが貫かれている様です。メルカリなどで古本を探すとよいと思います。

 さて、いろいろなお便りが届いたこともあって、私自身の興味関心もますます高まり、新明解国語辞典を1ページから全て読んでいくことにしました。

 やっと「あ」から「い」にはいったところです。
 おもしろいですよ。

 序章として山田忠雄が「辞書に求められるもの」と題した文章を載せています。

 これが骨ある文章で「背筋をまっすぐにして読まなくては」と思わせます。前回書いた〈暮らしの手帖〉も
 指摘した辞書界の孫引き体質を直球で指摘しています。少し書き抜いてみます。

 朝起きて朝食の膳に新聞を見る、夜の帳の下りる頃は夕刊を手にする。その度毎にわれわれは現代社会の進む方向と思潮を各自のアンテナで捉えようと試みる。媒体は言葉である。 本を読む、手紙を書く。事務を執る、連絡を受ける、命令を伝える。旧友と久し振りに会う、会話を楽しむ。テレビを見る。社会生活において欠くべからざるものは言葉である。
 生活は言語によって支えられ、われわれの思考と内省は言語によって深まる。

 〈言葉〉は私たちになくてはならないものであることを刻んであと、辞書の重要度にすすみ、その後、辞書界の現状を綴っています。

 しかしながら、辞書後進国の悲しさ、どの辞書を見ても満足を覚えることはめったに無い。そこに載せる用例は余りにも貧弱であり、当然の結果として語義の分析は十分でない。鋭さなど求むべくもない。語釈は十種一様であり、千篇一律である。付録の多さと本文の組み体裁に僅に自己主張をするのみ。既に団栗の背比べであって見れば、わが国においては、辞書の比較は無意義(ナンセンス)に近く、蒐集(しゅうしゅう)は多く好事(こうず)の域を出ない。

 それを打破するために山田忠雄が中心となって世に送り出したのが「新明解国語辞典」でした。

 もちろん辞書は山田忠雄一人で作ることができるわけではありません。けれど編集代表、主幹として彼がいなくてはこの辞書は完成しなかったことは間違いなく、その意味で〈山田忠雄がつくった〉といってよいと思います。

「あ」からはじまる言葉の一つを紹介しましょう。

〈あやまる/謝る〉自分が悪かったということを表明し、相手に許しをもとめる。

 なるほど、その通りだ。

 続いて用例が出てきます、みなさんならどういう例を挙げるでしょうか?

〈ちゃんと謝ってきなさい〉
〈心から謝ることが大切〉
という様な言葉をもってくる人もいるでしょう。

 ところが山田忠雄が刻んだ用例は違います。

「謝れば済む問題では無い」!

 笑いしました、他の辞書では真似できないでしょう。

 辞書を「読書する」というのは、活字中毒だった私もはじめてのことです。
 これからますますたのしみが広がります。

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「教師は授業で勝負する」という言葉ーNewスタイルの講座〈たのしい教育実践ワークショップ〉が始まります①

〈教師は授業で勝負する〉というけれど自分の授業は〈学校〉というフレームに守られなくても勝負できるのだろうか? 
 自分の学校の向かいにトヨタ、三菱という巨大企業が人材をそろえ、サービスの良い、格安の私立学校を作った時に自分の教えている子ども達がこぞって転校してしまうのだろうか、それとも「先生の授業うけたい」と残ってくれるだろうか・・・
 学校に所属していた頃、時々、自分にそう問いかけることがありました。
 そういう問題意識があったので他から依頼された授業を断ったことはほとんどなく、自分たちで企画した授業はたくさんありました。
 10年前〈フリー〉になって自分の腕で勝負することになり、いろいろな教育イベントに呼ばれて全国レベルの知名度の芸能人と前後しての授業などを何度も経験してきました。結果的に私の授業の参加者数や評価が高かったということ、何より、10年間で授業した何万人の方たちから得た評価・感想の結果からも、自分の授業の腕で生きていけることは実証できたと思います。
「統計的にみて新設立の会社は三年持たない」という中で元々の財力があったわけではない〈たの研〉が10年以上続いていることもその確かな証の一つでしょう。


 いろいろなタイミングがよかったことも幸いしているのですけど、「たのしい教育」という枠組みと、それを「いろいろな人たちがたのしく真似ることができる教育方法」という方向性がはっきりしていたことはとても大きかったと思います。
 同じ様にたのしい仮説実験授業を学んでいる人たちの中にもマニアックなところにすすんでいって容易に真似できない様な実験などをみせてくれる人たちもいます、それはそれでいろいろな還元があるのでよいのです。
 私がすすめてきたのはそれではなく「〈子育て中で大変な先生たち〉もむりせず楽にたのしい授業ができる方法」の追求です。

 結果的にそれが成功していることも間違いないと思います。
 そういう中で今回新しい動きが出てきました。

6時間後につづく

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たのしい植物入門ー自分の興味関心のあるものを追いかけるのが〈自由研究〉

 このサイトのデータ分析よると〈野山の散歩〉〈フィールド〉系の記事も好評ジャンルの一つだという結果が出ています。「野山を歩くのは興味ないよ」という方も、こういう記事をきっかけにたのしくなることがあるかもしれません、お付き合いください。

 野山を歩くといろいろな花や虫たちに出会えると思っている人たちも多いと思います、それは目が慣れてからです。

 野山をよく歩く私いっきゅうも、平日、パソコンの画面や資料などをみることが多いので、フィールドに目が慣れるまで時間を必要とします。はじめのうちは、そばにいる虫や花たちを見過ごすことが多いのです。

 これは慣れ始めた時に気づいて撮った写真です、アップで撮ったのですぐに気づくとおもいます、それが二メートルくらい離れているとなかなか見つけることができないんですよ。
 

 「これは!」と思った人も多いかもしれません。

 じっと待っていると、向こうから動いてくれることが多いのです。
 それにしても不思議な色合い、デザインをしています。

 
 姿を見せてくれました〈チョウ〉です、名前は知らないかもしれません、〈イシガケチョウ〉です。


 実におもしろい、幾何学的なデザインのチョウですね。

 生き物の名前はわからないくてよいのです。

 何度か見かけているうちに気になってきたら、調べるとよいからです。

 こんどはこの生き物です、これも最近、イシガケチョウと同じ日に撮った写真です。

 慣れてくるまでは、生き物を見つけるのは無理かもしれません、私もかなり目が慣れてから撮った一枚です。

 真ん中よりやや下、やや左側にトンボがとまっています、寄ってみましょう。

 こちらがジッと待っていると、トンボもゆっくり動いてくれます。
 ハネをひらきはじめました。
 しばらくするとパッと飛んでいき、スマホのカメラでは捉えることができませんでした。

 フィールドで楽しむコツは
・目が慣れるのを待つ
・生き物がいそうなところではジッと息をひそめるように待っていると向こうが動きはじめてくれます。
 目が慣れると少しの動きで生き物がいることがわかるようになりますから、この二つはセットです。

 自然の生き物たちに感動する心が、いろいろな本を手にしたりwebで調べたり、先生に尋ねたりetc. 生きた学力に繋がることは、たのしい教育がなんども確かめてきたことです。
 みなさんも公園などで、たのしんでみませんか。

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