たのしい教育が普通になる日々

 今週のメールマガジンに〈はじめに〉と綴った内容にいろいろな反響が届いています、今回はその文章に少し手を入れて紹介させていただきます。

 子ども達がもっと先生と勉強したいと感じてくれる教育つまり〈たのしい教育〉はいつ〈普通の教育〉になるんだろう?

 その問題意識はいつも私の頭の中を駆け巡ります。

 いつだったか研究所に学びにくる人たちに

「自分の子どもが〈早く学校行きたいな、新しい学年になってから勉強することがとてもたのしい!〉といってくれるのと〈早く夏休み来ないかな、勉強しなくていいし〉と呟くのと、どっちがいいですか。

 子どものテストの点数がよければどっちでもいいですか?」

と尋ねたことがあります。

 ハッとした様に何人もの先生たちが私の目を見つめてくれました。

 

 学校には友だちもいるし、給食もあるし、部活をしている子ならそれもたのしいでしょう。もちろん人間関係を豊かにしていくたのしさも学校で学べます。その中で教師の本領は授業です。

 小学校3年の頃、先生が何気なく伝えてきた「三角形の内角の和は180度です」という話に「そんなバカな、そんなぴったりいかない三角形もあるだろう」と思った私は、休み時間もうちに帰ってからもたくさんの三角形を描いて確かめ

〈三角形の内角の和は何をどうやって描いても180度という呪縛からのがれることはできない〉という原理に大きな衝撃を受けました。

 

「三角形の内角の和は何度か知ってる人?」

ハイハイハイ・・・

「はい、○○くん」

「180度です」

「正解~」

「予習して知っている人もたくさんいるみたいだけど、教科書で確認しましょうね、では○○ページ開いてください」

 それはモノトーンの世界よりもっと無味乾燥した世界に思えてなりません。

 三角形の内角の和が180度だという知識が定着するかどうかが勝負ではなく、たとえば

「三つの角を足したら全て三角形は180度になると言われているんだけど、179度くらいの三角形とか180.7度くらいの三角形はできないのかな?

 誰か作ってみない?」

と問いかけたい。

 知識のあるなしではなく、破壊力をもったその原理に感動してもらうこと、それがたのしい教育です。

 分度器は必要ありません、三つの角の周りを切って貼り合わせるといいのです、フラットな直線(180度)になりますから。

 

 今ならパソコンを利用して三角形を描いて角をコピーペーストすることも子ども達は簡単にできるでしょう。

 そうやって、図形の魅力の虜になる子どもたちが出てきたらすばらしいことです。

 

 時間ができたら「たのしい教育プラン 三角形の秘密」という図形の導入プランをつくろうと思っているんですけど、なかなか手がけることができません。

 誰かが作り始めて私のところに持ってきて一緒に作成をすすめることができたら出来上がりも早いと思います、興味がある人がいたらよろしくお願いします。

 そういう授業がたっぷりあって、いろいろな先生たちがそれで子どもたちと盛り上がる学校、夏休みも行きたくなる、そういう学校が普通になる、それがRIDE(ライド)の目標です。

 最近のプレゼンテーションの作成でこれまでの資料を整理している時、こういう評価・感想をみつけました。以前もどこかで紹介した気がするので二度みる人もいるかもしれません。

 

 私は十回以上みて、そのたびに「たのしくがんばろう」という想いを強くしています。

 こういう感想にあふれる「たのしい教育が普通の教育になる」そういう日がきたら、私の大好きな車にアウトドア道具を乗せて日本をぶらぶら旅することもできます、そういうことを考えながら、過ごしています。00

 毎日たのしい教育に全力投球、たのしい教育研究所(RIDE)です。

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ブルーベリー、花が可愛く実も美味しい byひな  

毎年、我が家で可愛らしい花が咲き実をつけてくれるブルーベリー。
スズランのようなかわいい花を見るだけでいつも笑みがこぼれます。

今年も三月には花が次々に咲き始めました。


梅雨が過ぎて初夏、その花たちが実になってくれました。


毎年少しですけど実をつけます。

果物を育てている人たちは知っていると思うのですけど、熟してそろそろ食べようかと思った時には実が無くなっているんです。

「鳥たち」です。

 ネットを開くと、同じようにヒヨドリに食べられてしまうという記事がありました。そういえば、イソヒヨドリが飛んでいたな。

子育て中のヒヨドリがブルーベリーの実をとって、巣にいるヒナにあげているのを見たという記事もありました。
我が家のブルーベリーも赤ちゃん鳥の餌になっていたのかな〜

そう考えると、少しあたたかい気持ちになりました(^^

ところで、我が家では鳥対策をしていませんが、今年は少し収穫できました。
鳥達が食べごろだと思う少し前に収穫したからでしょう。
少ないブルーベリーですけど、今度ついたらひよどりたちにおすそ分けでのこしておこうと思います。

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授業がうまくなるということは、子どもたちが「学びたい」という気持ちを高めること by ミムラ

いっきゅう先生の元で、自分の授業力を高めようと、スーパーバイズを受ける人たちがいます。

 たのしい教育ができる先生たちが増えていくことは、すばらしいことです。
 ボランティアスタッフとして集まってくる人たちもいて、メンバー全員、指導に力がこもります。

 その指導の中で、スキルがどんどん高まっていくのを間近で感じています。

 いっきゅう先生が熱く語っていたのは「その問いかけで、子どもたちが〈学びたい〉と感じてくれるのか」ということです。
 その中で、自分がなぜこの職業につきたいのかを真剣にこれでもかというほど考えていくことにもなります。
 子どもたちの賢さ、笑顔を増やしていく先生方がどんどん増えていくよう、全力で応援していきたいと思います。

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石が謎を解く(2)

 前回、沖縄で見つかる二種類の石灰岩の話をしました。
 どちらもサンゴが主成分の石灰岩で、一つは新しい石灰岩(右/琉球石灰岩)、もう一つはとても古い石灰岩(左/古生(代)石灰岩)です。

 どちらも沖縄(琉球)で見つかる石灰岩なんだから同じ様に〈琉球石灰岩〉と呼べばいいのに、と思う人がいるかもしれません。でも見た目も、できた年代もかなり違うので、詳しくいう場合には分けているん
 ちなみに、i鹿児島県でも右の様な若い白い石灰岩が見られます、それも〈琉球石灰岩〉と呼ぶんですよ。学術的な名前は原子分子レベルで特定されたものが多く、単にその場所にあるからということを超えて名付けられています。

 さて、沖縄の名護の海岸沿いを本部町に向かって走らせると、右手に大きな採石場が見えて来ます。コンクリートの原料を採っている場所で、その山全体が古い時代の石灰岩〈古生石灰岩〉でできています。

 古生石灰岩は本部半島でとてもたくさん見つかります。
 沖縄本島の中ではほぼ本部半島で見つかるものだといってもいいくらいです。
 沖縄市の公式サイトにある資料をご覧ください。赤系が古生石灰岩の見られるところです。

https://www.city.okinawa.okinawa.jp/userfiles/oki065/files/05citynature.pdf

 前回見てもらった古生石灰岩は、RIDE(ライド:たのしい教育研究所)の近くの公園にあったものですけど、本部町から運んできてものでしょう。

 ところで学生の頃か教師なりたての頃かハッキリしないのですけど、地質などに興味を持つ前に「とてもおもしろい」と感じた話があります。

 本部半島の根元にある名護湾にたくさんのイルカたちがやってきて行き場を失ってしまうということが毎年の様に起こっていました。
 それはなぜか?

 その先生曰く「本部半島と沖縄島はもともと離れていて、昔々イルカ達はこの海峡を通っていたのではないか」というのです。


「サケ達が生まれた処に戻るルートがインプットされている様に、イルカ達たちも先祖が利用していた通り道を覚えていて、そのルートを通ろうとすると、海がなくなっていて右往左往してしまうのだ」という説です。

 その後、そういう話を聞いたことがないので、その先生オリジナルの説だったのかもしれません。

「イルカのこういう現象は耳の中に寄生虫が入ってしまって方向感覚を狂わされてしまうから起こるのだ」ということを本で読んだことがあったのですけど、私は、この説に「ダイナミックでおもしろい」と魅入ってしまいました。

 石というのは大地の歴史を刻む宝物です。
 本部半島は沖縄島と年代的に遥かに古い石でできています。
 人間が文化としてして残した歴史をたどってもせいぜい何千年くらいですけど、若いといわれる琉球石灰岩ですら100万年くらいの歴史があります。本部半島でみられる個性石灰岩は数億年です。
 本部半島が独自の歴史をたどって沖縄島とくっついたというのは、十分考えられることでしょう。

 そうやって調べてみると、本部半島は沖縄島全体と明らかに地質が異なっていて地質の違うものたちを境界線で表す〈構造線〉がハッキリ引かれていることがわかりました、仏像構造線というへんな名前の構造線で分離しています。そして本部半島と細長い沖縄島を結ぶ白で表されたあたりは、周りにみあたりませんから、本部半島がくっつくときに海底の土壌が寄って来てできたと思えないこともありません。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/pedologist/60/1/60_47/_pdf/-char/ja

 本部半島がもともとは沖縄島と分かれていたかどうかは、今後じっくりとたのしみにしながら調べていくことにしましょう。

 いずれにしても白い石灰岩と黒っぽい石灰岩の二種類の違いが、沖縄島全体の構造のハッキリとした違いを教えてくれるものであるというのは間違いありません。

 同じ〈沖縄島〉と呼ばれていても、本部半島は、細長い沖縄島と違う独自の歴史をもった異質な土地であることを、私自身が感動的に学びとることができました。
 人間が生まれるずっとずっと前のナゾを、身近な石たちが解いてくれることを、たくさんの子どもたちに伝えてあげたいです。

 私自身が疑問を感じているマニアックな専門的な話になっていないか心配しつつ、書いてみました。おもしろい、と感じてくれたら幸いです。
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