教育基本法〈人格の完成〉とは子どもの可能性を伸ばしていく過程で仮に想定したもの

 雨の日の生きた学力・たのしい学力向上の記事について、嬉しい感想をいくつもいただきました、ありがとうございます。続きをと書き始めたのですけど、冒頭の部分がふくらんだので、前段部をのせたいと思います。

 雨の日の生きた学力の続きです、今回も梅雨時期のイキイキした植物たちを紹介したいと思います。
 ところで学校には生活科や理科、日常の活動などを通して子ども達が植物に触れる機会はたくさんあります。それがこども達の賢さとなり人生の豊かさに繋がって、こども達の可能性を伸ばしていくことが教育の大きな目標です。

 ところがそういう説明は教育基本法にはありません、教育基本法には筆頭〈教育は人格の完成を目指し〉と記されています。

第一条 教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。

 ところで、人間に〈完成された人格〉というものがあるでしょうか?
「あなたの人格の完成形はこうですよ。そちらのあなたが目指すのはこの完成形ですよ」なんてあるわけありません。

 もし皆さんが誰かにそう言われたとしたらどう感じるでしょう?
 完成形なんて誰にもわからない。そもそも、あったとしても完成形に到達できるのか? 無理でしょう。

 あらかじめ〈全体の人格の完成形〉を設定して教育していくとしたら、かつて日本が歩んだ〈滅私奉公〉的な人格を育てた様な過ちをまた犯してしまうことにもなる。

 世界大戦終戦後すぐにまとめられていく教育基本法の議論の中で、「人格の完成」という言葉が不用意に入り込んだために、そうなったのだと思います。

 そういうことを考えながら〈教育基本法〉について調べてみると、私と同じ問題意識を持っている人たちは国会議員にもいたことを知りました。

 2006年、「教育の第一義的責任は家庭にある」ということを明らかにするために教育基本法が改正されたのですけど、その過程で国会でこういう議論がかわされています。「第164回国会 教育基本法に関する特別委員会 第12号 平成18年6月8日衆議院会議録」を文意はそのまま校正

中井洽
 政府案では、第一条冒頭「教育は人格の完成を目指し」とございます。これは現行法と同じであります。
 人格の完成というのはどういうことを言うのでしょうか。
 また大臣は、人格が完成したというのはどういう人だとお思いになっていらっしゃいますか。

小坂文科大臣
 
それでは人格の完成とはどのような人なのか例示してみろ、こう言われたら、これは私は例として申し上げる人はおらないわけでございます。すなわち、人格の完成というのは、私は神のことだと思うのでございますね。ですから、神のような全知全能を備えたものを目指すといっても、これは到底到達できるものではございません。だからこそ目指すのであって、それが実現するということは恐らく一生を通じてなし得ないかもしれない、しかし常にそれを目指せということで、「人格の完成を目指し」と言っているんだと私は思っておるわけでございます。

中井洽
 教育で神のような人格完成を目指すというのは本当にできるのでしょうか。また、そんなことが目標というような法令でいいものかと僕は思わざるをえません。

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigirokua.nsf/html/kaigirokua/015816420060608012.htm

 

 教育基本法の文面に〈神〉を想定しているということに驚かされます、それは別に議論するとしても、法を提案する側が「到底、到達できるものではない」と言い切っていることは注目しなくてはいけません。

 教育は〈その人が生き生きと可能性を伸ばしていくたゆまない過程〉の先にある豊かで幸せな姿を目指していると考えてよいでしょう。もしも〈人格の完成形〉があるのだとしたら、その先にあるのだと。

※

 話がメルマガの発想法の章の様になってきました、学校の生活科や理科、日々の活動の話からはじまりました。教育は〈こども達の可能性を高め続けていく過程〉ですから、生活科や理科、日々の活動もそれに繋がるものであってほしい。毎日毎時間がその連続であってほしいけれど、現状でそれを要求するのは難しいでしょう。
 けれど少しずつそういう時間を増やしていきたい。
 そういう視点でこのサイトも御覧ください。

つづく

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梅雨の沖縄で雨のアウトドアをたのしむ 生きた学力はたのしいのです

 沖縄は梅雨に入りました、〈子どもの日〉なのに雨・・・ 雨の日はインドアでたのしむことが普通なのですけど、少しだけ勇気があれば雨の中の自然をたのしむことができます。

 梅雨の頃に花をつける代表格は〈ゲットウ〉です、ショウガ科つまりジンジャーの仲間です。

 

 ゲットウに時々こういう太いツボミの様なものがみられます、これは何か?

 少し中をのぞいてみましょう。

 分かるでしょうか、中にたくさんの花たちがひそんでいます。

 梅雨の頃といえばイジュの花もたくさん開きます。

 一輪で咲くのではなくブーケの様に束になって咲きます。                                                                               

 イジュは正式には〈ヒメツバキ〉、椿の仲間です。

 実は私はこれまでは遠目に見て「白が濃いなぁ」くらいの感覚で、今年やっとイジュの美しさを感じることができる様になりました。
 美しさを感じる様になるということは、また一つ成長したということなのでしょう。

 天気が悪いと家でテレビという様な人も多いかもしれません。傘という便利なものがあります。最近のスマホは曇りでもいい発色を刻んでくれます。
 これからの長い梅雨の日々も、アウトドアをたのしんでみませんか。

  テストの点数が高いことは悪いことではないと思います。ただしそれがペーパーの上での知識やテクニックとして身についているとしたら残念なことです。リアルな世界は、紙の上の説明よりずっと豊かでたのしく深いのです。「学力」という時に、そういうことも一緒に考えていきたいものです。
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たのしい社会ー日本の姿 沖縄は歯医者が多いっていう噂は本当か?-社会の自由研究も楽しい-

 メルマガの〈たのしい社会〉の反響が続いています。前回〈サトウキビ〉と〈砂糖〉の生産量の意外な違いについて紹介しました。今回はその発授業の発展型として紹介します。

「沖縄はコンビニが多い」という話については〈メルマガ〉で取り上げたので、その次にわたしが気になっている「沖縄には歯医者が多い」という話について紹介ましょう。

 県外から来たわたしの友人が「きゆなさん沖縄には歯医者がおおいねぇ~」と感心していたことがあって、それを周りの人たちに話すと
「確かに多いと思う、東京とか歩いていても歯医者とかそんなに見ないのに沖縄はよく見る。きっと沖縄は人口比にすれば全国一、二くらいだと思う」
と答えてくれました。

みなさんはどう思いますか、予想してみてください。

人口比でみると沖縄の歯医者の数は
ア.日本一多い
イ.日本一ではないがトップ5位に入っている
ウ.平均くらい
エ.平均以下

どうしてそう思いましたか?

ちなみにわたしの予想は「平均前後だろう」です。

⬇︎

⬇︎

予想すると当たっても間違っても賢くなる
⬇︎

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 これは厚生労働省の2018年〈医療施設〉のデータです。
 濃い色が人口あたり歯医者さんが多い都道府県です。

 都道府県別に10万人あたりいくつの歯医者さんがあるか、多い順にまとめた表がこれです。

 沖縄は全国平均の〈53,8〉よりぜんぜん少なくて〈43.0〉〈第40位〉です。

 全国1どころか、後ろから数えた方が早いんですね。

 これは小中学校などで扱う内容ではないかもしれませんけど、大人の社会科としてならとてもたのしめそうです。

 よく聞くのが「沖縄は車社会だから一人当たりの車の保有台数はトップ」という話です。
 数量的に見ていくことだけでなく、全国的な傾向をみていくと、「もしかするとこうかな」という問題意識も出来てきます。その問題意識は今解決することはできなくても、のちのち何かのきっかけで調べたり気づいたりすることにつながるでしょう。

 社会の力は、民主的な世の中を守り育てるためにも、とても大切です。子ども達がたのしく社会を学んでいくだけでなく、大人がたのしく学ぶ、〈たの研〉にはそういうプログラムもたくさんあります。興味関心のある方は、ワークショップなどをお申し込みください。

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たのしい社会〈サトウキビ〉が最も採れるのが沖縄なのに〈砂糖〉を最もたくさん作っているのは〈北海道〉、何で?/最新メルマガたのしい教育実践の章

 最新メルマガの〈たのしい社会〉の反響がいろいろ届いています。わたしがやっていた〈都道府県 生産高ランキング〉の様子です。いずれわかりやすいネーミングにして〈たのしい教育授業ブック〉の一冊にしようと考えています。シンプルな流れで盛り上がる上に、こどもたちはそれぞれいろいろな〈問題意識〉をもってくれるので社会的な見方考え方がアップしていきます。

 全体的なものはメルマガに譲るとして、ここでは「これは意外でした」という声がいろいろ届いている〈項目〉について紹介します。

 サトウキビの生産量が最も大きい県は?

 沖縄県です。

 ちなみにサトウキビの生産量がランキングできる県はのこり1県しかありません、鹿児島県です。他の県で作られていても、実験的なものであったり、ごく少量で日本の生産量に入れられるものではないということです。

 では〈砂糖〉が作られている都道府県をランキングするとどうなるか?

 予想してみてください・・・

 すでにタイトルにその答えがあるのですけど、それ以外にトップ10ということで考えてみて下さい。

 授業の流れと違ってここでは〈答え〉を出しましょう。
 砂糖を生産している都道府県の順位をみるとびっくりする人も多いと思います。
 サトウキビ全国一位の沖縄が〈6位〉、どういうことでしょう?
 ダントツは北海道です。
なんと東京や大阪は沖縄より砂糖が作られている・・・

都道府県番号

県名

出荷量

割合

割合

順位

1

北海道

583,740kl

813.2億円

34.9%

01位

12

千葉県

236,360kl

342.0億円

14.7%

02位

23

愛知県

211,110kl

303.2億円

13.0%

03位

13

東京都

87,370kl

142.0億円

6.1%

04位

27

大阪府

101,237kl

111.4億円

4.8%

05位

47

沖縄県

6,723kl

10.8億円

0.5%

06位

46

鹿児島県

3,821kl

6.8億円

0.3%

07位

36

徳島県

744kl

2.6億円

0.1%

08位

4

宮城県

X

X

X

X

9

栃木県

X

X

X

X

18

福井県

X

X

X

X

22

静岡県

X

X

X

X

24

三重県

X

X

X

X

25

滋賀県

X

X

X

X

28

兵庫県

X

X

X

X

29

奈良県

X

X

X

X

37

香川県

X

X

X

X

38

愛媛県

X

X

X

X

40

福岡県

X

X

X

X

45

宮崎県

X

X

X

X

2

青森県

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-

-

-

3

岩手県

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-

-

-

5

秋田県

-

-

-

-

6

山形県

-

-

-

-

7

福島県

-

-

-

-

8

茨城県

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-

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-

10

群馬県

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-

-

-

11

埼玉県

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-

-

14

神奈川県

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-

-

15

新潟県

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-

-

-

16

富山県

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-

17

石川県

-

-

-

-

19

山梨県

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-

-

-

20

長野県

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-

-

-

21

岐阜県

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-

-

-

26

京都府

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-

-

-

30

和歌山県

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-

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-

31

鳥取県

-

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32

島根県

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33

岡山県

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34

広島県

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35

山口県

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-

39

高知県

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-

-

41

佐賀県

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42

長崎県

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-

43

熊本県

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44

大分県

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-

 

 はなしはここからです。

 どうして沖縄ではなく北海道が砂糖生産量のトップか・・・

 そういう問題意識でこどもたちが調べていったり、教師が予め調べて授業化する流れもあるでしょう。

 それにしても東京や大阪が沖縄よりたくさん砂糖を作っているというのはおかしくないだろうか?

 これはもしかして外国から原料を買ってきているかもしれないぞ!

 というテーマで調べていく。

 メルマガで紹介した授業はこういうものに発展していく可能性が高い授業です。

 今月予定されている〈初夏の講座〉では、テラ先生が社会の教科書でクイズを作成するプログラムを紹介してくれます。

 社会科もたのしい教育の可能性が満載の教科です。

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