コロナに負けないたのしい教育

コロナの影響で自粛が続いている日々です。
室内でもできることや工夫しながら過ごしていることでしょう。
いっきゅう先生のメルマガにこういう言葉があります。

  子どもの一年は大人の何年分にも相当する勢いがあります、言葉のあやで言っているのではありません。
 身体の変化の勢い、はじめてのものごとに溢れ、たくさんのことを学んでいく勢い、対人的な関わり方を身につけていく勢いetc.
 単位時間あたりにして、間違いなく大人の何倍もの勢いがあるでしょう。つまり子どもの一年は私たち大人の一年よりずっと長いということです。
 その大切な子どもの時期に〈できるだけ家からでないように〉という日々が積み重なって二年続く・・・私たちの時間感覚で少なくとも4~5年分に相当すると思います。
 コロナ対策で来週まで夏休みを延長して9月から登校となりましたけど、学校がはじまっても「外に出ないように!」という指導が行われることもあります。また感染症が広がって〈コロナ休校〉となる可能性もあります。つまり残念なことですけど、こういう状況がまだ続いていくことが予想されるわけです。

 本質的な解決は新しい感染症に対して科学的に立ち向かうことができる賢く元気な人々がたくさん出てくることです。
 そういう人たちを育てる活動に取り組みつつ、今目の前にいる子ども達に「がまんして外に出ないように」というだけでなく、子ども達のために〈知恵と勇気といくらかの資金〉を注いで新たな取組みができないだろうか・・・

メルマガ第468号2021-08-25

 

 たのしい教育研究所の授業をたのしみにしている親子向けに、個別にたのしい教育をとどける活動をはじめています。
 風通しの良い屋外で一回2~3名、10分ほどで終了します。
 RIDEは体調管理に加えて〈換気・消毒・二重マスク〉を感染症対策の基本にしていますから、屋外のたのしい教育は自宅で過ごすよりずっと安全な状態です。

「夏休みなのにいろいろなところに行けず、子どもが退屈しているので、ぜひお願いします」という要望もあり、実験的にスタートしています。
まず〈ホタッテくん〉をとりあげました。
早速家で作ってたのしんだ写真や、子ども達や保護者の方からの評価・感想がが届いています。

 

・「お父さん帰ったらびっくりさせようと、転がす練習しています」
・おじいちゃんに作って見せて「すごいでしょ」って満足な様子でした
・「自由研究で使いたいと思います」
・「ホタってくんうごくのがおもしろかったです。またぜひきてください」


・自粛でもこんな風に、子どもたちがワクワク楽しめることがあると嬉しいです。コロナの中でも子どもたちのために楽しい企画や活動をしてくださり感謝です。ありがとうございました」
などなど、嬉しい感想がいっぱいです。
ホタってくんを作り、遊びながらその動きの不思議さを調べてみたいという感想もありました。

 それにしてもたのしい教育研究所(RIDE)の日々は子ども達に負けないくらい新陳代謝の大きな日々です。普通の大人の一年の何倍もの一年を過ごしている気がします。

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たのしい読書案内〈アライバル〉

久しぶりに読書案内をさせてください。
 私いっきゅうのとっておきの絵本の一つが〈アライバル〉、この一年で読んだ本の中でとても心動かされた一冊です。

    ショーン・タン作「アライバル」、大型の絵本です。
 2750円、映画の1.5倍くらいします、でもその価値は十分あると思います。私は5回読んで、読むたびに、心を震わせていました。

 表紙をめくるとたくさんの人たちの顔が出て来ます。その表情からも決して愉快なものではないことが伝わってくるでしょう。

 第1章の冒頭には、ある家族の写真と時計や帽子、珈琲の注がれたコップなど家の中の家具などが描かれています。


 ページをめくると、その家族の写真を大切に包み、女の人と男の人が手を重ねているシーンになります・・・

 女の子を起こして軽い食事をとらせたのでしょう、三人は路地をどこかに向かって歩き出します、そして壁には竜の尻尾の様な影が映し出されています。

 上空から見ると巨大な怪獣が街を徘徊していることがわかります。これは実在するものなのでしょうか、抽象的なイメージなのでしょうか。
 今のところわかりません・・・

 気づいたでしょうか、この絵本に言葉は登場しません。
 全て精緻なスケッチで作成されています。

 ストーリーは一人ひとりの頭の中でつながっていきます、そして私がつむいだストーリーと、みなさんがつむいだストーリーはきっと異なっているでしょう。
 つながらない部分は、何度か読んでいくうちに「これはこういうことか」という様に腑に落ちていきます。

 すでに5回読んで、これから6回目に入ります。
 絵に隠れた細かい表現も、毎回発見がなってて、どきどきしながら読んでいける力作を、みなさんも読んでみませんか。

注文できます➡︎アライバル

 

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センス・オブ・ワンダー〈アオムシ〉

 〈センス・オブ・ワンダー〉という言葉を何度も紹介してきたのですけど、言葉そのものが素晴らしいセンスだと思います。
 何気なく見過ごしていく私たちの周りの世界に〈驚ける感覚〉、たのしく豊かに生きて行く時の指針になるでしょう。

 赤ん坊の頃、見るもの聞くものが新しい世界、ワンダー(驚き)の世界です。生まれたての赤ちゃんは、呼吸する事自体が衝撃的な世界で、大泣きしてしまうほどです。
 歳を重ねるうちに、その驚きが次第に減っていきます。
 大人になるとほとんどが見た世界、聞いた世界、予想していた世界で、ワンダーがなくなってしまいます。

 センス・オブ・ワンダーは、ほっておくと失われていくのです。

 しかし強く意識していくことで子どもの様なセンスを持ち続けることができます。

 ぜひ自然の中に出て、いろいろな驚きを探してみてください。 

 これは先日、散歩している時にみつけたスズメガの幼虫です。

 スズメガというのはこういう昆虫です。

 その幼虫はどういう姿、形をしていると思いますか?

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 これがスズメガの幼虫です。

 わたしの人差し指よりずっと大きなアオムシでした。
 猫の子は子猫で、キリンの子はキリンの子ども、姿形は似ています。成長してスズメガになると言われても、いったいこのアオムシの身体のどこに成虫の羽根や触覚や足が隠されているのでしょう・・・
 驚くべき変化です。

 その驚くべき変化をうむために〈さなぎ〉という過程を経ていきます。

 生き物の驚くべき世界を、みなさんも感じてみませんか。

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文章は美しく(1)

 私いっきゅうはたくさんの文章を書いているだけでなく、論文ドクターなどでたくさんの人たちの文章を添削しています。

 学校の原稿用紙の使い方は〈新聞社〉の原稿の書き方を伝える様なもので、そろそろ改めてほしいと思っています。

学校で教えられた原稿用紙の使い方には
〈タイトルは2~3文字下げてから書く〉
〈苗字と名前の間は一ます開ける〉

 からはじまって、うんざるするほどたくさんのルールがあります。

 文章をたのしんで書いていく時に、そういうことを一つずつ確認していったらイヤになる人が多いと思うのですけど、どうでしょう。

 がまんしてがんばって何とか書いてきた作文を、先生がみるなり
「段落のはじめなのに一時下げない」
「一番はじめのマスには〈、○〉を書いてはいけない」
というように、たくさん指摘され
「書きなおしてくるように」
と言われた時の虚しさ苦しさを味わった人は少なくないかもしれません。

 特に〈読点  、〉の打ち方については先生自身も、その時どきで指摘の仕方が違っていてついていけません・・・

 そういう窮屈な世界に比べて、本屋さんに並んでいる本は自由でした。
 作家ごとに書きかたのスタイルがあって、しかも読みやすさはこちらの方が上だと思いました。

 そもそも新聞記者のルールからのしばりや書き直しの世界にいる時は文章を綴ることは全くたのしくありませんでした。私が文章を書くことが好きになったのは、自由に書くようになってからです。

 私が大切にしている一つが「美しいスタイルでつづること」です。

 その一つを紹介しましょう。

・(中点)を打って箇条書きにする時がありますね、たとえば私が小学生の担任をしていた時に遠足のお知らせで書いたものをみてみましょう。

 みなさん、今週の金曜日ははたのしい遠足ですね。体調をくずさないように、食事はしっかりとって、早めに睡眠をとるようにしましょう。
 宿題が多くて遅くまでかかるという人は「体調をととのえるために宿題は半分しかできませんでした」と書いてくれたらOKです!

 さて、遠足の当日準備するもので、いくつか大切なことを書きます。

 

注意すること
・新しいクツで歩きたいかもしれませんけど、はきなれたクツをはきましょう
・ハンカチよりタオルがおすすめです
・チョコレートはとけるのでおすすめではありません
              etc.

この後半部を、こう綴る人がいます。

注意すること
・新しいクツで歩きたいかもしれませんけど、はきなれたクツをはきましょう。
・ハンカチよりタオルがおすすめです。
・チョコレートはとけるのでおすすめではありません。
              etc.

何が違うかわかりますか?

 文章の終わりを示す句点〈○〉が加わっています。

 ところで〈中点 ・〉はどういう役割をさせたくてつけたんでしょう?

「いくつかあるうちの〈一まとまり〉」として利用しますね。

〈この一文で一まとまりだ〉というのは〈・〉があるだけでわかるので「ここで文章の終わりですという句点〈○〉」を加えるのはダブっていて美しくないと私は感じます。なので〈 ・と 。〉はほとんど併記することはしません。長い文章が来てしまう時にはしかたなく途中で 。 をつけることがありますけど、できればそういう時には短くワンフレーズずつに分けるようにしています。

 そもそも
・ハンカチよりタオルがおすすめです
・ハンカチよりタオルがおすすめです。

この二つのフレーズで意味が違って伝わりますか?
 全く同じ意味として読み取ることができます。
 なら、美しい方がよいと思うのですけど、どうでしょう。
 美しさはたのしさに繋がります。

「 」の時も似ています、これで一つのフレーズ(文章)だというのはわかるのに、フレーズのうしろに〈 。〉を打たないとバツになります。


 文章の最後には必ず句点がなくてはいけないと思っている人たちも、こういう場合はそれを打たないでしょう。

「こんにちは!」
「こんにちは!。」

句点は絶対ではないのです。 

「私は〈 。〉があった方が美しいと感じる」ということで書いているなら、それはそれでよいと思うのですけど、それでも周りの人に「こうしなければいけない」というのは控えたほうがよいでしょう。私の文章スタイルで綴る人たちは文章のプロの作家の中にもたくさんいるからです、むしろ増えてきていると感じています。

 これは最近私が読んでいる寺田寅彦の「旅日記」です。
 会話は「 」の中に〈句点。〉はありません。ちなみに寺田寅彦は有名な科学者でありながら夏目漱石に師事した文学者でもあります。

 そばにある「人間はどこまで耐えられるか」という本を開いてみましょう。ここにもカギカッコの中に句点はありません。

 私は、自分が美しい気持ちよいと感じるように書いていく。そうやってまず文章を書くことへのストレスを減らしていくことが重要でしょう。
 
「原稿用紙に書くときもあるんだから、型を統一して教えた方がよい」という考えがあるかもしれません。
 しかし「こうでないとバツです」という教育がどれだけマイナスであるか、それは誰の記憶にもいくつか残っていると思うのですけど、どうでしょう。

 原稿用紙の書き方も教えなくては、ということはあっても「文章を綴る時、原稿用紙の使い方通りにやらなくてはならないわけではない」ということを伝えることは必要でしょう。だって、子どもたちが図書館で目にする書籍の多くは、原稿用紙のルールに従って文章を綴っているわけではないのですから。

 そもそも、人間は機械と違って、いろいろな場面に対応できます。
 きまりきまりの世界から自由に書くたのしさにシフトしてよいと思う今日この頃です。

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