たくさんの人たちの笑顔と賢さ=たのしい教育・たのしい学力|優等生を育てるための教育との根本的な違い

読者の方から
「前回の〈円の面積の問題〉に感動し、あわせてこのサイトの内容をいろいろ読ませていただきました」
という言葉から始まる長いお便りをいただきました。

手紙
その方からの問いかけは、わたし達の研究所の設立趣旨ととても関わることだと感じるところが大きかったので、その方一人への返事というより、広く、たのしい教育研究所の考えということで書かせていただきたいと思います。

「たのしい教育」に込められた思いはいくつもありますが、目指すイメージは
《たくさんの人たちの笑顔と賢さ》です。

一部の特別な人たちを育てようということではなく、一人でも多くの人たちの笑顔と賢さを広げる活動です。

科学にしても技術にしても、たくさんの人たちの知恵と工夫を寄せてこそ前進していくのです。

いくらガリレオが努力を重ねても、そこにガリレオと討論できる程の人たちがいなくては、科学はすすみませんでした。
ダーウィンの進化論も、論敵や味方をたくさん巻き込んで、あれほどの説得力をもって広まってきたのです。
ガリレオ
だれか一部の人たちにしか理解できないものとしての文化ではなく、広くいろいろな人たちが自分の考えを主張できる様になれば、社会はもっと早く豊かになっていくでしょう。

逆に一部のエリート、一部の優等生を育てても社会はよくなりません。
たくさんの人たちのものとして、科学・学問・文化がすすんでいくことが大事なのです。

ですから、一人でも多く、賢くて元気で笑顔いっぱいの子ども達に育てたいと思います。

子ども達だけでなく、大人も、そしておじいちゃんおばあちゃん達も、たのしく賢くなっていただきたいと思っています。
そうやって活動していると、
「うちの子どもは勉強しているのに学力が伸びないのです」という相談が時々きます。

どうすればよいのか?
最も重要なのは、その子の中に「それが好きで好きでたまらない」という感覚を育ててあげることに力を注ぐことです。
時間はかかりますが、それが「確かな方法」です。

算数でも理科でも社会でも国語でも、それは可能です。

私たちがいろいろなところで授業や講演、講座を重ねていますが、それは、そういう「好きで好きでたまらない」という感覚が子ども達に芽生えることを目的にしています。

志を同じくする人たちが増えていくことをたのしみにしています。

沖縄の確かな学力向上は日本全体の学力向上につながります。
そしてその学力は、笑顔と賢さとを兼ね備えたものです。

たのしい学力向上に全力投球の、たのしい教育研究所です。

円の面積の問題(感動した一問)|直感の間違いを教えてくれる力(学力)

小学校六年生向けに「学び方特訓」をしている時、「これはいい」と思う教材をたくさん集めていました。

たいていのそういう中から
「限られたコースの時間で、今この子たちに伝えたい内容は何か」
ということで問題を精選していくので、半分以上はお蔵入りになります。

そういう、利用しなかった教材を整理していると
「これはやはりいいな」と思えるものもたくさん出てきます。

きっと、わたしの「学び方コース」を受講してくれた六年生も見てくれると思いますし、その子達だけでなく、教育に関わるいろいろな方達にも見ていただきたいのでここに掲載します。

 学校や家庭で問題を出したり、自分の頭を鍛えるつもりで試してみるといいと思います。
※解く時に利用する「円の面積の公式」は小学校5年生で出てきます

もんだい
同じ大きさの正方形が三つあって、それぞれに円が描かれています。
描かれた円の面積が最も大きくなるのはどれでしょう?

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予想
 ア.1)の円の面積が最大
 イ.2)の円の面積の合計が最大
 ウ.3)の円の面積の合計が最大
 エ.その他

予想をたてたら計算してみましょう。

計算のヒント
正方形の一辺の長さを勝手に ○ cmというように決めてしまうといいですよ

 

 

※ 解答編 ※

1辺を8cmの正方形だとしましょう。

解説 なぜ8cmにしたか
円の面積を出すには 半径×半径×円周率(π)です。
正方形の1辺を8cmにすると3)の図形の半径は整数「1」で表わすことができますから、おそらく計算が楽です。
もちろん、正方形の一辺は1cmでも4cmでも計算は可能です。

 

まず3)の面積の合計から
正方形が縦横4つずつに仕切られているので、小さな一つの正方形の1辺は2cmです。

すると小さな円の半径はその半分の1cmですね。

半径×半径×π=1×1×π=π ※つまり約3.14

これが16あるので
あわせて 16π  ㎠


2)の円の面積の合計はどうか

さっきは自力で解けなかったけど、ここまで読んで自力で解けそうだ、という人は挑戦してみましょう。

計算中

計算中

こうです。
大きな正方形の1編が8cmですから、仕切られた4つの部屋の一辺は4cmです。
すると円の半径は2cmになります。
一つの円の面積は

2×2×π=4π

これが4つあるので
4×4π=16π cm2

おやおや、3)と同じになってしまいました。
ということは、1)も同じになるのでしょうか?

やってみましょう。


1)の円の面積

半径は4cmですから
4cm×4cm×π=16π

おやおや、三つとも一緒になりました。

つまり正解は エその他 


「三つとも同じ面積になる」が正解です。

みなさんの予想はどうだったでしょうか。

私の直感は
3)がもっとも面積が大きくなる、でした。
なぜか?
どんどん細く分けていけばまるでパソコン上のドットの様に「ほとんどん全部が円だ」というようになってしまう と思ったからです。

しかしその直感は間違っていました。

「直感はよく間違うことがある」と感じると同時に

「その直感の間違いを教えてくれるのが《学ぶ》ということである」
と感じました。

ということで、わたしが感動した一問をおとどけしました。

 

沖縄のたくさんの子ども達の学力を本気で考える
「たのしい教育研究所」です

仮説社「文字の宝島」好評です!

研究所に顔を出してくれる先生方から教えてもらう情報は、とても貴重です。

自分でその教材などを実験(試)して、その結果を教えてくれるのですから、他では得難いものがあります。

最近、ある先生が「この教材が良かったです」と紹介してくれたのは
「文字の宝島」です。

文字でデザインされた通り道にいろをぬって、その文字を浮き立たせるのです。

低学年の子ども達が、とても熱心に取り組んでくれたとのこと。

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ひらがなやカタカナをたのしむタイプです。
漢字の学習には「漢字の宝島」があります。

これは、わたしが教務主任をしている時、おやすみした先生のクラスに行く時の定番の教材でした。

どちらもおすすめです!

たのしい教材が日本中に広がって
子ども達の笑顔と賢さがあふれる日々を目指す
たのしい教育研究所です

吹き矢でたのしい科学|会社や団体のスポーツ大会におすすめです!

ストローを利用した吹き矢で力学を感動的に伝える
「吹き矢の科学」
は私の好きな授業一つです。

加速を続けることによって大きな力を得ることができる、という科学の原理を感動的に学ぶ授業です。

これはわたしが、子ども達に授業している時の様子です。

授業の中では「的当てゲーム」を取り入れているのですけど、時々、抜群にうまい子が出てきます。

不思議なことですが、たいてい女の子です。

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ところで「日本スポーツ吹矢協会」という団体があります。
そこで真っ先にうたわれているのが「吹き矢は健康に良い」です。

そこでは「段級審査」をしています。

わたしの授業でたのしんだ子ども達の腕がどれくらいのレベルなのか、知りたくなってきました。

よその県ではどうかしりませんが、沖縄では学校の先生方のスポーツ大会は、たいていバレーボールに決まっています。
大会では必ず骨折する人がでます。

一度スポーツ大会で「吹き矢大会」を企画するというのはどうでしょうか?
会社でも組織でも、健康でたのしく、というテーマでとてももりあがると思います。

道具はストローと綿棒くらいですから、予算もそうかかりませんか。

大会の前には、準備運動や原理的な話として、わたしが参加者に「吹き矢の科学」の授業をする、という時間を加えることができれば、内容はさらにもりあがると思います。

興味のある方はご相談ください。

たのしい教育が沖縄を元気に賢く豊かに!
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