「記者ハンドブック」は教師にも必需/学校に一冊!

前回の記事の続きです。
まだの方は、そちらからお読みください。

前回の記事 ⇨ ⇨ 校正のおすすめ本(その1)

「記者ハンドブック」の魅力を順序良く書いていくと、かなりのボリュームになりますから、それはぜひ直接手にとっていただくとして、今回は「新聞記者達でも誤りやすい用事用語・慣用句」という章の紹介をさせていただきます。

スクリーンショット 2015-06-16 11.30.56 記者ハンドブック 第12版 新聞用字用語集

 国語の授業などでも利用できると思います。

私は時々、教員採用試験で学びにくる先生方とか、いろいろな講師をたのまれる時の気軽な問題として利用することがあります。

みなさんは、この使い方が正しいか間違いか分かりますか?
予想してみましょう。

1.愛嬌(あいきょう)を振りまく

2.  合いの手を打つ

考え中

考え中

考え中

 

答え

1は正解です。

この言葉ではよく「愛想をふりまく」という間違いが多い様です

2は間違いです。

「合いの手を入れる」が正解です。

ぼやっと読んでいると、どちらもそのまま読み進めてしまいそうです。
新聞記者でも間違ってしまいやすい表記なのです。

続けてみましょう。

3.足げりにする

4.  頭ごなしの外交

考え中

考え中

考え中

 

答え

3は間違い。
「足げにする」が正しい使い方です。
4も間違いです。
「頭越しの外交」が正解です。

 

この「記者ハンドブック」は、読み物として開いてもなかなかたのしめますよ。

おすすめします。

 

沖縄の、たのしく元気で賢い学力の向上、たのしい実力のある先生方の育成、実践型カウンセリング、その他、たのしく学ぶ方たちを本気で応援する「たのしい教育研究所」です。

校正のおすすめ本/読んでもたのしい「記者ハンドブック」 共同通信社

co1256630 文章でメシを食うというほどではありませんが、文章はとにかくたくさん書いています。そして幸い、少しは文章でメシを食うという状態に近づきつつあります。

このサイトは、出張先などから書き込むという場合も多いので、校正に時間をかけるということは難しいものがあります。

しかし、そういう時間の無い場合でも気になった時には漢字・語句についてチェックすることは最低限やっています。

今回は、わたしがよく開く一冊を紹介します。
共同通信社「記者ハンドブック」です。

スクリーンショット 2015-06-16 11.30.56 記者ハンドブック 第12版 新聞用字用語集

よくできた本だと思います。

学校に一冊。国語の先生や校長先生、教頭先生など「文章をよく書く」という方達には、とてもおすすめです。

読んでいても面白いのですけど、何しろ日本で一番文章を書くであろう職業の「新聞記者」がどんどん活用する本ですから、中身が洗練されています。

わたしが持っている記者ハンドブックは7年前に購入した「第10版」です。
なので、最新版の12版とは少しちがうところがあるかもしれません。
ご了承ください。

「これはどうなのだろう?」という時にとても役立つ構成になっています。

まずおもて表紙の裏側にあるのは、海外旅行や海外とのやりとりで混乱することの多い「時差表」です。教員採用試験でも計算が出されますね。

日本が朝の9:00だとするとN.Y.はいつのの何時か?

というような時に、いちいち計算するのも大変ですから、パッと確認できるようになっています。

うら表紙の裏側にあるのは「年齢早見表」です。

これも普通の人は、今や昭和◯◯年が西暦何年になるのか、書いてみないとわからないということだと思いますから、貴重です。

はじめのところには、

・常用漢字ではあってもこれは使わないようにしよう
・常用漢字にはないが使うことにしよう

という漢字が記されています。

常用漢字表のうち使わない漢字として「11文字」上がっています。

どういうものだか予想がつきますか?

「分かりやすい文章」を第一とする記者が、「これはどうも」ということで

「又」「箇」「且」「朕」

などの11文字があげられています。

逆に「常用漢字表」にはないが使いたいという漢字は

「瓦」「鶴」「亀」「拳」

など、全部で45文字です。

 

わたしは長年、学校という場所で文章を書いていたわたしからすると、このハンドブックは、まだ、分かりにくい漢字をいくつも利用していると思うところもありますが、とても参考になります。

続いて「新聞漢字表」が50ページほど続きます。

これは単に、新聞で利用する漢字が連なっているだけですが、「おくりがな」のつけ方の時に重宝です。

おくりがなの書き方は、ふた通りある場合があって、どちらも正しいということもあります。

例えば

「行う」と「行なう」

どちらも間違いではありません。

新聞記事では「行う」に統一されています。

わたしも個人的に「あえてその表記にこだわる」ということがなければ、新聞記事の表記に準じてよいと思っています。

あると嬉しい一冊です。

次回は、「新聞記者でも間違いやすい」という「用例」についてかいてみましょう。
おたのしみに。
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偉大なる まど・みちお@たのしい国語

以前、このサイトに「まど・みちお」について書いた(⇨過去の文章)のですけど、それより前、まどさんが生きていた頃に書いた文章が出てきました。

教師をしていた頃、週報にかいていたコラムです。

いろいろな方に読んでもらいたいので、ここに再録したいと思います。

———

私にとって、まど・みちおは「偉大なる人間」です。

ダウンロード2「ぞうさん」

「やぎさんゆうびん」

「ともだち ひゃくにん できるかな」

など、子ども達に親しまれる歌を世に送り出した人物でもあるけれど、それ以上に、年を重ねてもなお創作意欲を失わずに歩き続ける姿に感動するのです。

そして、その作品を生み出す彼の心が、子どものように純真である事に感動するのです。

何より、自らの行動に対しても偽らず、まっすぐに前を向いて生きて行こうとする姿勢に感動するのです。

最近、まど・みちおの訃報が届くのではないかという気がしてなりません。
偉大なる人物と同じ時を生きているうちに、この文章を書いておきたいと思います。
私がまど・みちおを心底尊敬するようになったのは、
「あなたの全作品集を出版したいのです」
と申し出た出版社に対して,彼が語った言葉に触れてからです。

「私は生涯で、戦争に賛成する詩を二編書いてしまいました。
 私がそんな不完全な、弱い、ごまかしをする人間だという事を明らかにする意味
 で、必ずその作品を探り当てて掲載してほしいのです」

 

「まど・みちお全詩集 伊藤英治編 理論社」の「あとがきにかえて」にこうあります。696ページからです。

まど・みちお全詩集スクリーンショット 2015-06-15 14.34.57

 

 じつは私には戦争協力詩を書いたという記憶が全くなかったのですが、この二編のうちの一編「はるかなこだま」を、昨年三月初めて目にしました。

 梅花女子大の谷悦子さんが、原本とは別の印刷物に転載されているのをみつけて、そのコピーを送って下さったのです。
まぎれもない拙作で、大ショックでした。

 しかし考えてみますと、私はもともと無知でぐうたらで、時流に流されやすい弱い人間です。
こういうのを書いていても不思議ではないと思われてきました。

 

が、にもかかわらず私は戦前から、人間にかぎらず生き物のいのちは、何ものにも優先して守られなくてはならないと考えていました。
戦後も、戦争への反省どころかひどい迷惑をかけた近隣諸国にお詫びも償いもしない政府のやり方に腹を立て続けてきました。
また地元の「核兵器廃絶、軍縮をすすめる区民の会」だけでなく「アムネスティ・インターナショナル」や「キリスト教海外医療協力会」やその他この種のいくつもの会にも、誘われるままに参加しています。
詩作のうえでも身辺の動植物を多くとりあげ、かれらのいのちの美しさをほめ、かれらに対する人間の横暴残虐を憤ってきました。

 つまり、一方で戦争協力詩を書いていながら、臆面もなくその反対の精神活動をしているわけです。
これは私に戦争協力詩を書いたという意識がまるでなかったからですが、それは同時にすべてのことを本気でなく、上の空でやっている証拠になりますし、またそこには自分に大甘でひとさまにだけ厳しいという腐った心根も丸見えです。
そしてとにかく戦争協力詩を書いたという厳然たる事実だけは動かせません。

 動転した頭でどうすべきか考えましたが、昔のあのことの読者であった子供たちにお詫びを言おうにも、もう五十年経っています。
懺悔(ざんげ)も謝罪も何もかも、あまりに手遅れです。慙愧(ざんき)にたえません。
言葉もありません、と私は私の中のはるかなところから、母のように私に注がれている視線に掌を合わせ、心を落ちつけました。

 そして結局この「はるかなこだま」を公表して、私のインチキぶり世にさらすことで、私を恕(じょ)していただこうと考えました。
本当に慙愧(ざんき)しているのなら、詩作の筆も絶って、山にでもこもるところでしょうが、あとで記しますように、私の中にはかすかながら私を庇いたい思いもあって、このような虫のいい対応を考えついた次第です。

 そこで私は、かねて詩稿が揃いしだい詩集に具体化の約束を頂いている童話屋さんに頼んで、「はるかなこだま」を同詩集に収録させてもらう了解をえました。
…続く…

こういう人物が、同じ日本人である事をとても誇りに思います。

まど・みちおは、日本人の良心を代表する人物だと思います。

その意味で、わたしにとってのまど・みちおは「偉大なる人間」なのです。

最近は、よく、まどさんの「百歳日記」を開いています。
名作です。

まどさんの命が、まだまだ続きますように。

———

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プリンタインク折り染めでブックカバー たのしい折染め

 前に紹介した「新染料(プリンタインク)の折り染め」は、おかげさまで好評です。

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 染めたものをそのまま飾っておくだけでもよいのですけど、工夫すると、いろいろなものに利用できます。 今回は、ブックカバーにしてみました。
 仕上がった折り染め作品を折って表紙をはさみこむだけです。
 わたしは淡いパステル系の色彩が好きなので、とても気に入っています。

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〈世界で一つだけの〉という形容は使い古されているとはいえ、間違いなく二度と作ることができないたったひとつのブックカバーです。

スクリーンショット 2015-06-14 23.36.36

 沖縄のこども達の学力が高まったという話をよく聞きます、全国学力テスの点数が上昇してきたそうです。

 それならなお、こういうたのしさ、自分の好みをベースにした偶然的なデザインをたのしんでいく経験をたくさん味わって欲しいと思います。
 たのしい学習、快感としての学習が、テストの点数を補完することは間違い無いでしょう。

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