合弁花と離弁花の違い・覚え方 ―シロツメクサ(クローバー)で楽しく確かめる【教員採用試験・中学理科】合弁花・離弁花の分類

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シロツメクサ(クローバー)は合弁花でしょうか、離弁花でしょうか。答えを先に書きます。離弁花です。マメ科だからです。けれど本当におもしろいのはその先で、あの丸い花は〈一つの花〉ですらありません。公園に咲いている花で、中学理科の分類がまるごと確かめられます。予想を立てながら読んでみてください。

 たのしい教育研究所によく顔を出してくれるT先生から「公園を散歩している時、シロツメクサがたくさん咲いていたのですけど、それが合弁花か離弁花か気になっています」というメールが届きました。

 みなさんはどう思いますか?


 わたしはシロツメクサが〈○○科の植物〉であるということを知っていたので、間違いなく答えることができます。
 でもおもしろい問題だなと思うので、今回はそれについて書きましょう。

🟢 先に答えを書きます ★

シロツメクサは〈離弁花〉です。
花びらは5枚、マメ ファミリー(科)の植物だからです。

……と書くと、
「なんだ、もう終わりか」と思われるかもしれません。

そうではありません、「ファミリー(科)」による分類の素晴らしさに加えて、植物それぞれのおもしさ、興味深さを感じるところだからです。

 

🟢 バラの花は一つの花です。ではクローバーは?

バラ

シロツメクサ・クローバー

 

🟢クローバーの丸い花は花のかたまりは 40〜80ほどの小さな花が集まったものです。

 花というからには、一つひとつがちゃんと花びらもおしべもめしべも持って、それぞれにタネをつくるわけですよ。

公園のシロツメクサたちは、花畑の中の一輪ではなく、一輪の中にもたくさんの花がある花束なのです。

🟢 合弁花と離弁花とは(中学理科のおさらい) ― 花占いができるかどうか ★

合弁花というのは、花びらが一枚ずつに別れず合わさっているという意味です。 ぼとりと全部を取ってしまうことになります。

離弁花は、花びらを一枚ずつ取ることができます。

覚え方は簡単です。

花占いができる → 離弁花 花占いができない(ぼとりと落ちる)→ 合弁花

「好き、きらい、好き……」と一枚ずつちぎれるなら離弁花。 一枚ずつちぎれずに全部くっついて取れてしまうなら合弁花。

ではキキョウは合弁花でしょうか、離弁花でしょうか?

「合弁花」です、愛称の花占いなら「すき」だけでおわります。

 さっきあげたバラはどうですか?


「すき」「きらい」「すき」「きらい」というように一枚ずつとっていくことができます、〈離弁花〉です。

 テストでは、ここをしっかり覚えておくとよいでしょう。

主な仲間

  離弁花類(花占いができる) 合弁花類(一枚ずつ取れない)
主な科 マメ科・アブラナ科・バラ科・サクラ・エンドウ キク科・キキョウ科・ナス科・ヒルガオ科・シソ科・アサガオ・タンポポ
覚え方 メ・ブラナ・ラ」=マアバ ク・キョウ・ス・ルガオ・ソ」=ききなひし

 

シロツメクサはマメ ファミリー(科)です、だから離弁花です。

エンドウやスイートピーの花を思い浮かべてください。
これはスイートピー、豆ファミリー(科)です。
花びらを一枚ずつとることができる、花占いにつかえる離弁花です。

🟢 でも、ここで何か引っかかりませんか ★

 同じマメファミリー(科)とはいってもシロツメクサ・クローバーの花とスイートピーの花とは違って見えませんか?

 マメファミリー(科)の花の構造はこうです、少しわかりにくいのですけど、大きい花びらと小さな花びらが合計5枚でできています。


 シロツメクサは?
 5枚どころじゃありません・・・

 どういうワケでしょう?

 もしかしてシロツメクサは豆ファミリー(科)の異変形で、花びらがたくさんできた種類なんでしょうか?

 どう思いますか?

それが先に書いた「シロツメクサの白い花はたくさんの花が集まった花の集合体」ということにつながります。

 実際に顕微鏡でのぞいた写真を 続きの記事に載せています。

👉 シロツメクサ(クローバー)の魅力② 小さくても美しい花

もっと詳しく知りたい人向け(合弁・離弁の分類は双子葉植物だけ)

🟢 単子葉植物では、この分け方は役に立ちません

単子葉植物の花も、合弁・離弁に分類することはできます。

けれど、同じ科の植物であっても 合弁花であったり離弁花であったりするので、 分類しても、その植物を特定(同定)するために役立たないのです。

ユリ科を見てください。 ユリは合弁状の花びらですが、 カサブランカは花びらが一枚ずつに分かれています。

だから理科の教科書では、 合弁花・離弁花という分け方は〈双子葉類〉のところにだけ出てきます。

「なぜ双子葉類だけなのか」 そう思ったことのある人は多いはずです。 理由はこれです。役に立つ分け方だから、そこで使っている。

分類は、暗記するための決まりごとではありません。 役に立つから、そう分けている。 ここがわかると、理科の分類がぐっと面白くなります。

🟢 ついでに知っておくと得をする、シロツメクサの話

「シロツメクサ」と「クローバー」は同じもの?

はい、同じです。

クローバーは英語(clover)で、シャジクソウ属の草の総称。 そのうち白い花をつけるものが、和名でシロツメクサです。 赤紫の花をつける仲間はアカツメクサ(ムラサキツメクサ)といいます。

なぜ「詰め草」なのか

江戸時代のことです。 オランダから日本にガラス器が運ばれてきました。

割れないように、箱の中に何かを詰める必要があります。

そこで乾かした草が詰め物として使われました。

その草が、日本の土に落ちて根づいたのです。

〈詰め物に使われた草〉だから、ツメクサ。

いま公園いっぱいに咲いているあの花は、 もとはガラスの緩衝材だったというわけです。

本格的に日本に入ってきたのは1844〜45年ごろ、 牧草として持ち込まれ、そこから全国に広がっていきました。

四つ葉のクローバーについて

シロツメクサの葉は、ふつう3枚です。 まれに4枚になるものがあり、それが四つ葉のクローバーです。

「1万本に1本」といった数字をよく見かけますが、 これは確かな根拠のある数字ではありません。 場所によってずいぶん差があります。

同じように、 「よく踏まれる場所には四つ葉が多い」 「一度四つ葉が出た株には、また出やすい」 という話もよく言われます。

これらは〈たぶんそうだろう〉であって、〈確かめられている〉ことではありません。

だとしたら、どうするか。 自分で確かめればいいのです。

🟢 これは、そのまま自由研究になります

シロツメクサは、自由研究にとても向いています。 どこにでも咲いていて、お金がかからず、そして予想が立てやすい。

研究テーマの例

① よく踏まれる場所に、四つ葉は多いか  道ぎわ・広場の真ん中・木のかげ、3か所で100株ずつ数える。  先に予想を書いてから数えるのが大事です。

② 一つの花に、いくつの花が入っているか  ピンセットでばらして数えます。  大きい花と小さい花で、数は違うでしょうか。

③ 咲いた順番を追いかける  シロツメクサは外側から順に咲き、咲き終わった花は下を向いたまま残ります。  つまり、下を向いた花を数えれば、その花が咲きはじめてからの時間がわかるのです。  同じ花に印をつけて、毎日写真を撮ってみてください。

④ シロツメクサとタンポポの、花のつくりを比べる  どちらも「たくさんの花の集まり」です。  けれど一つは離弁花、一つは合弁花。  ルーペでのぞいて、絵に描いてみましょう。

③は特におすすめです。 「花が下を向くのは、咲き終わったしるしだ」 これに気づいた子は、それから一生、道ばたの花の見方が変わります。

🟢 おわりに

公園にいくらでも咲いている、あの白い花。

あれは一つの花ではなく、数十の花の集まりで、 一つひとつがちゃんと5枚の花びらを持っていて、 外側から順番に咲いて、終わると下を向く。

そしてもとは、 江戸時代にガラスを守るために詰められてきた草でした。

知らないままでも、きれいな花です。 知ってしまうと、通り過ぎられなくなります。

 メールをくれたT先生に答えようと書いていたら、これはいろいろな人たちに読んでもらいたい記事だと考えて、このサイトにアップすることにしました。

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