大林宣彦監督のことば「あの戦争の記録は戦争で変えることはできないが 、芸術と映画をもってすれば未来を変えることができる」

 大林宣彦という映画監督をご存知でしょうか、チャールズ・ブロンソンを登場させた〈マンダム〉のTVコマーシャルなどで注目され、その後、「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」などたくさんの映画を世に送り出した人物です。

 1938年に生まれ、幼い頃に戦争を体験した大林監督の晩年は〈戦争と平和〉を前面に出した作品でした。

 大林宣彦監督が残した言葉に感動したことが度々あります。
 その1つがこれです。

あの戦争の記録は戦争で変えることはできないが

〈芸術と映画〉をもってすれば、未来を変えることができるかもしれない。

いや変えられるものである。

  大林監督は「教育をもってすれば未来を変えることができかもしれない」とは言ってくれませんでした。

 教育によってあのみにくい戦争が加速していった過去を知っているからでしょう。

 教育というのは「上からの意図」によってどのようにも変えられるものだからです。

 最新号のメルマガの〈たのしいSDGs〉という記事の中で「教育を含めて社会の構造全体が〈上から下へ〉でなく〈下から上へ〉という向きに変わらなくてはいけない」という話を書きました。

 たのしい教育は上から下へではなく下から上への教育改革です。

 大林監督に直接話をすることができたら、きっと賛同してくれたでしょう。もしかすると芸術と映画以外に〈教育〉にも期待をかけてくれたかもしれません。

 話を少し戻します。

 大林監督は肺がんで余命宣告された後も映画を作り続け、2020年4月に亡くなりました。
 紹介した言葉は亡くなる少し前にTV番組の中で語られたものです。

 大林監督の言葉はこう続きます。

自分がいちばんよいと信じるものをやるのが

表現者のせきむであります。

 たのしい教育研究所のメンバーは〈たのしい教育〉の表現者たちです。

 大林監督と生きる世界は違っていても「いちばんよいと信じるものをやる」という姿勢は全く同じです。

 大林監督の映画作品はスタンダードな監督たちとかなり違うところがあるので、好き嫌いがはっきり別れると思います。

 NHKのサイトに、大林監督の人生が終わろうとしている時を追いかけたテレビ番組の記録があります。その番組を見ながら私が手書きでメモしたのが、ここで紹介した大林監督の言葉です。
 興味のある方は読んでみてください。

https://www3.nhk.or.jp/news/special/sci_cul/2020/05/column/20200507/

 

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どうして自分に向かって光の道ができるのか?/たのしい科学はいろいろな扉を開く

 今週のメールマガジンの授業の章に、こども達にみせてあげたい簡単実験「ひっくりかえる矢印」を書きました、コップを通すと矢印が左右逆になるあそびで、知っている人もいると思います。

 

 そこに、理科の時間によく出てくるこういう図を載せて説明したのですけど、読者のAさんから「これまでなんども見てきたのですけど、はじめてこの図が重要なのだとわかりました」という嬉しい便りが届きました。

 
 この図については〈たのしい教育メールマガジン〉に書いたのでおくとして、Aさんは〈この図でのコップの後ろにある物体が逆の方向からみえる現象〉がはじめてわかったことに感動したそうです。

 見えるというのは、実際の物体がそこにあるのかどうかではなく、私たちの目の中にどう入ってくるかなんですね。

 と書いてくれました。

 そうして「ものが見える」という不思議さに感動したAさんは、「太陽などで自分のところに光の道ができるのもわかってきました」と続けます。
 読んでいて「なるほど感動すると、いろいろなものごとのとびらがひらくのだな」と嬉しくなりました。
 レンズを通して逆向きに映る不思議さが理解できたために、レンズでなく、たとえば鏡などの反射もスッと頭の中にイメージできるようになったわけです。

 太陽の光の道は手元にないのですけど、満月の時の光の道の写真はあります、みなさんはこの映像、不思議に感じませんか?
 どうして自分だけに向かって光の道がやってくるのでしょう。

 月の光は地球にいる私だけでなく、月を向いている地球の面にいるいろいろな人に、いろいろな処にとどいています、自分だけに道ができるというのはなぜなんでしょう。

 この写真には〈月から直接とどく光〉と〈月の光を水面が反射した光〉の両方が映っています、私たちの目にそう映るわけです。

 水面は月からとどくたくさんの光をいろいろなところに反射させています。そのうちの〈自分の目と月とを結ぶ一筋の光だけ〉が私たちの目に入ってくるだけだからです。別な向きに反射している光はたくさんあっても、それは私たちの目には入ってこないのです。

 Aさんも、そういうように理解したのではないでしょうか。

 そうやって、いろいろな人の知的な深まりがすすんでいくことは、たの研にとって嬉しいことです。

 きっとAさんはいつか自分の感動を周りの人に伝えてくれるでしょう。

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たのしい教育実践編〈植物の香りをたのしむ・形をたのしむ〉

 九月のたのしい教育ワークショップでとりあげた教材を、さっそく学校で実施した先生の感想がSNSに出ていました。
「この間、たのしい教育研究所で教わった葉っぱや実のビンゴをやりました・・・」と始まる生き生きとした文章に植物の写真がたくさん載っています。

 ワークショップの中のその部分を紹介しましょう。

 台風接近もあり、周りにいろいろな植物がある会場でもなかったので、講師のM先生がこども達と一緒に校庭にある葉っぱを集めて、それをもってきてくれました。

 これは香りが特徴的な植物シリーズです。

 ゲットウやシークワーサー、よもぎ、クスノキ etc.
 一つずつ手にして香りをしていくだけで、とてもたのしい世界が広がります。
 

 大人はすでにそういう植物の香りを知っているのだからたのしめないのではないか?

 いいえ、私を含めてみんな言葉を止めて、たのしんでいました。

 これは〈植物の形ビンゴ〉の様子です、丸型とかハート形とか
 いろいろな形を探してたのしんでいます。

 いつもは校庭の掃除で集めて捨てている葉も含まれていて、それを手にしてしみじみ味わうのはなかなかないことです。

 

 つねづね語っていることですけど、学校でたとえば〈二個の磁石〉を渡して
「自由につかっていいよ、ただし〈タブレット〉に近づけたり〈指にはさんだり〉するのはやめてよね」という最小限の話して自由にたのしむ時間をとる。

 たっぷり楽しんでくれるこどもたちもいるでしょう。

 すぐに飽きてしまうこどもたちもいるでしょう、そういう時には予想を立ててもらいましょう。
 「アルミホイルはくっつくかな~?」
 という様に。

 シンプルな授業でもたのしめるものはたくさんあります。

 たのしい教育研究所では、そういう授業も大切にしていて、逆に、コテコテの準備をして自分にしかできないという様な授業をワークショップなどでとりあげることはありません。まねするハードルが高い授業が広まるのは難しいからです。

「日頃の授業、どうしようかな」と考えている方は、お問い合わせください。

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実りの秋 応援団の方たちから届いた美味しいものたち/どんな花がさくでしょう?

 夏の暑さも朝夕にはだいぶ和らいだことがわかります、秋に向かってはっきり動き始めましたね、嬉しいことです。

 昨日〈たの研〉の応援団の方から季節はずれの美味しいスイカがとどきました、うれしいことです。
 九月後半に入ってもとれる特別な品種なのでしょう。

 
 タネはほとんどありません。

 気づいた人もいるでしょう、騙された人もいるでしょう。

 スイカではありません。

 グアバです。普通サイズで小学生のこぶし大です。 

  甘さはおだやかとはいえ、沖縄にいる者には懐かしい美味しさです。

 なぜか笑える〈フトモモ科〉で、和名は〈バンジロウ〉、島言葉では〈バンシルー〉、ここにも大和言葉と沖縄の島言葉の類似性がはっきりわかります。

 

 細い幹ですけど、しなりも強く3m以上になるのが普通です。

 どんな花が咲くと思いますか?

 きれいですよ。

  これから実りの秋、美味しい食べ物もたくさん出てくるでしょう。

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