自由研究 イルカとサメ 動物分類から広がる世界②

 自由研究というのは夏休みの宿題だからやる様なちっぽけなものではありません。「自由研究こそが本物の研究」で、それはたのしくてたまらないものです。
 前回のお話を読んで「とても興味深いです」というメールがいくつも届いています。おもしろいと思って自分で調べていくうちに、きっといろいろな発見が生まれるでしょう。たのしいと感じたら、それが生活を豊かにします。どんどんたのしいことを見つけていってくださいね。

 さて前回、イルカは哺乳類でサメは魚類だというお話をしました。
 それが、外見のどういう違いにつながるのか・・・
 いきましょう。

 哺乳類の仲間の身体の動きを見てみましょう。
 身体を移動するときのネコの動きです。哺乳類は基本的にこういう身体の動きします。

 もちろん足を動かして前に走っていくのですけど、線の部分〈背骨〉の動きを注意して見てください。
 地面から空の方向で見ると、体の骨を〈上下〉に骨を動かして前に進んでいます。

 

 

 ところが魚はそうではありません。

 これは魚の骨です。魚たちは地面に対してヨコ向きに身体をくねくね動かして進むのです。

 

 こんな動きですね。地面から空に向かう方向で見ると、上下ではなく横にクネクネひねりながら進んでいくのです。骨の構造がそうなっています。

 この向きの動きで水をかくとすると〈尾びれ:尻尾の部分〉は、地面から空に向かった方向に広がっていなくてはいけません。そうでないとうまく前に進むことができないからです。

 サメは魚類ですから、他の魚と同じ様な向きに尾びれがついています。

 ところがイルカは哺乳類です。

 背骨の動きはヨコにクネクネではなく、タテ向きに動かします。すると、魚の様な向きで尾びれがついていては、水を刀で切る様な動きになって、前に進むことができません。
 尾びれは地面と同じ向き、横向きについています。
 この写真で確認してみてください。

 これが、サメの様な魚類とイルカの様な哺乳類との大きな違いです。

 サメの尾びれを見てください。
 魚類は身体をヨコにクネクネ動かして進みますから、地面に向けてタテ向きですね。


 海で、サメかイルカか確認するときには、尾びれを見てください。
 こんな感じで背びれと尾びれが水面から出ているとしたらイルカではなくサメなのです。

  

 〈イルカかサメか〉、それは動物の進化の分類で整理していくとはっきりと違いがわかってきます。

 そうそう、前回の記事に載せた写真をもう一度見てください。
「あ、これは・・・だ!」と分かる様になっているのではないでしょうか?
 わかったとしたら、今回の内容がうまく頭に入った証だと思います。

 興味を持ってくれた方は、どんどん自分でも調べてみましょう。
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自由研究〈サメとイルカ〉-尾ひれから広がる世界 ①/興味が深まればいろいろなところから深く学ぶことができます

 〈自由研究〉の質問がいろいろ届いています。今回はテーマとして魚好きの方たちのヒントになる話にもなるでしょう。

 以前書いた「国際通りの近くの川でサメが釣れた」という話を書いて後、釣り人の知人とこんな話で盛り上がりました。

いっきゅう先生、海で近づいて来たものがサメかイルカか簡単に見分ける方法を知ってる?

 海中は陸上より視界が悪い上に、向こうは動いていますから、細かく違いをチェックすることはむずかしくなります。そんな時でもあるポイントを知っているとサメかイルカかわかります。


 顔を見ればわかる、確かにそうかもしれません。
 しかし例えば船からこういう姿が見えたらどうでしょう。イルカだと思えばよいのか、サメなのか? 今回の前後編のお話で、きっと見分けられるようになると思います。

 私はダイバー免許をもっていて海で実際にサメと遭遇したこともあります。
 サメとイルカの違いは、理科の時間のたのしい学習にもなります。すでにそれをお話のプランにまとめていて、メルマガで紹介しようと考えているところですけど、その始まりの部分を紹介しましょう。

 進化の違いに興味を持つきっかけ、あるいは自由研究のきっかけになると思います。

 「分類」というのは、人間の発想のおもしろさが表現される分野で、わたし自身、とても興味を持っています。植物の分類などもいくつか書いてきましたから、興味のある方は検索して読んでみてください。

 さて、2000年前のアリストテレスはまず〈血液のありなし〉で動物を大きく分類しました。
 血液のない動物がいるのかどうかについては、興味深い話になるのですけど、それはいずれ何かの機会に譲ります。

 今の動物の分類の仕方はアリストテレスの分類からかなり進んでいて、まず〈背骨のありなし〉で大きく分類しています。

 サメやイルカなどは背骨があります。
 背骨のある動物は〈せきつい動物〉と呼んで、それをさらに

魚類、両生類、ハチュウ類、鳥類、哺乳(ほにゅう)類

に分類しています。

 サメもイルカも海の中で生活しているから〈魚類〉だと思うかもしれません。しかし違います。

 サメは魚類、イルカは哺乳類です。

 ちなみに人間も哺乳類ですから、イルカは大きく分けると人間と似た仲間なのです。

 「それがどうした」と思うかもしれません。だって外からみた形は似ていますから、それが魚類でも哺乳類でもあまり関係ないではないか・・・そう思うかもしれません。

 しかし進化の流れから見ていくと、そうでもないのですよ。

 もともと生命は〈海〉で誕生しました。

 動物たちはもともと〈魚〉の様な暮らしをしていたのです。つまり〈魚類〉の仲間が脊椎動物のもっとも古い形なのです。

 それが進化して〈両生類〉〈ハチュウ類〉〈鳥類〉〈哺乳類〉という様に陸に上がっていきました。

 イルカたちの様に海に住んでいる哺乳類は、陸に上がらず、そのまま海で進化していったと考える人もいるかもしれません。
 しかし違うんですよ。
 海から陸に上がった私たち哺乳類の仲間たちが、水中の生き物をとって食べているうちに、海中で過ごすことに適した姿に変わっていったのです。

 ではイルカたちが〈陸に住んでいた時〉はどういう動物に似ていたのでしょう?
 科学者たちはその姿をはっきりと特定しています。

今のイルカたちがまだ陸上で暮らしていた頃はどういう姿だったか?

あなたの予想

 ア.ワニみたいな長い姿
 イ.像みたいな鼻が長い姿
 ウ.キリンみたいな首の長い姿
 エ.その他

どうしてそう思いましたか?

 

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お話 イルカの祖先

 イルカたちの元の姿は、犬に近い外形をしていました。

 イルカの祖先はすでに絶滅したメソニックスという動物です。
 犬にとても似ています。

 信じられない、と思うかもしれませんけど、科学の研究の中で突き止められてきた事実です。
 
これが次第に姿を変えていく過程のメソニックスです。

 ぜひ自分でも進化の流れを調べてみるといいですね。

 さて、今のイルカたちは、外からみるとサメに近い姿形をしています。

 実はこの進化の中で、魚の仲間ととても違う場所がハッキリとわかります。

長くなりましたから、続きは次に書かせていただきます。
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たのしい天体観測/アウトドアたのCafeの様子/新作〈空中スイカ割り〉登場

 たのしい教育cafe7月はアウトドアでたのしみました。ちなみに8月19日(日)は〈自由研究〉をテーマにたっぷりたのしみます。大人1人でも、科学を十分たのしめますし、先生方はいろいろな授業で利用できる二学期のたのしい教材研究になります。子どもはもちろん夏休みの課題として利用できるものになっていますから、ぜひご参加ください。詳しくは⇨こちら

 さて7月のアウトドアたのCafeは「夏休みに入ったぞパーティー」も含めてたのしい時間になりました。

 これは第一陣が準備に入って乾杯している様子。
  準備がまたたのしいのですよ。


 天文観測の専門家からは〈天体望遠鏡一台でたのしむのは5~6人だ〉と言われていたのですけど、それではあまりにも少ないので10名枠まで増やして、それでも止まらず12名でたのしみました。

 

 皆のアイディアで〈空中スイカ割り〉がスタート。

 中にお菓子をたっぷり詰め込んでスイカデザインの箱を作って、棒で叩くと割れてドドド~とお菓子が出てきます。
 研究所作成の教材の一つですけど、クラスでもたのしめるゲームになると思います。みんなとても喜んでくれました。
 これはRくんが見事に叩き割ったシーンです。


 その前のSくんもみごとに叩いたのですけど、少し弱かったので割れるまでにはいかなかったですね。そこも本物のスイカ割りと同じ。

 

 恒例の「味してどっち〈◯◯当てクイズ〉」のテーマは〈一番高いアイスクリーム当て〉。
 ペットボトル立てなどいろいろなゲームをたのしみつつ、暗くなったらいよいよ天文観測。


 はじめて天体望遠鏡で星をみる人たちがほとんどで、みんなとても感動してくれました。

 

 地球が動いているので、次第に視界から惑星が消えていくことに感動した人たちもたくさんいます。
 木星ではその周りに並ぶ〈衛星〉の姿を見て、土星では「本当に輪っかがあるんだ」と声をあげてくれました。
 ごく普通の天体望遠鏡ですから、とても小さく見えているのですけど、ちゃんと形はわかります。


 次回のアウトドアは〈秋の花さんぽ〉でどんぐり拾いもやる予定です。おたのしみに!

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授業がうまくなる/授業スーパーバイズの様子

 研究所の授業スーパーバイズの様子をお届けしましょう。子ども達を惹きつける授業、魅力的な授業についてのヒントになると思います。
 今回は〈三年生の算数:かけ算の筆算〉でこういう問題を考えてもらいます。

一本40円のえんぴつを3本かいました。代金は全部でいくらになるでしょうか

 段階としては、二年生でかけ算九九を学び〈一桁と一桁のかけ算〉は済んでいる段階で、三年生になって今度は〈40×3〉の様な〈二桁×一桁〉を学ぶ単元になっています。

 皆さんならどの様に授業を組み立てるでしょう。

 教師として基本的なことですけど、二年生で一桁同士のかけ算を学んだから、子ども達はそのかけ算ができると考えてはいけません。
 しかし、経験が浅いと「みんな7×6はいくらだった?」という様に、子ども達が知っている前提で授業を構成していくことがあります。

 そういう基本前提は抜きにして、一体子ども達が身を乗り出して授業に入ってくる構造について考えてみたいと思います。

 このサイトでいくつか書いて来ましたが「人間は〈予想を持って問いかける〉ことによって新しいものごとを見出すことができる存在である」ことがその大きな骨格となります。

 ウィキペディアの様な知識を羅列しても、優等生の良い子たちはついてきてくれるでしょう。知らなかったことを知るのはたのしいことでもあるからです。
 しかし〈勉強が嫌い、苦手だ〉という子ども達も確実に存在しています。
 統計的にいえば、特に好きではない、嫌いだという子ども達の方が多数だと思っていた方がよいでしょう。

 そういう子ども達が乗って来てくれる様な問題を考えるのです。
 教科書の問題が解ける様になる前に〈苦手だ・嫌いだ〉という子ども達でも予想を立ててくれる様な問いかけを考えてみましょう。
 それが教材研究のキモであると言っても過言ではありません。

 わたし自身がパッと目の前に出されたこの問題を見せられて〈さてどう組み立てようか〉と瞬間的に考えたアイディアの一つを紹介します。

20円のおかしを2個買ったらいくら払えばいいんだろう?
たし算してもいいし、みんながもっている教具のお金モデルを机にならべてもいいよ
考えてみてね
難しかったら、近くの人たちと相談するのもOK

と問いかけて考えてもらう。
少し時間をおいて答えがでたところで〈かけ算の式と答え〉を書く。

20×2=40

ところでさ、2円の切手を2枚買ったら、いくら払えばいいんだろう?

と問う。
これは二年生の復習にもなっています。もちろん少し時間をおいてから落ち着いたところで、〈かけ算の式と答え〉を書く。

2×2=4

なんか、数字がとても似ているねぇ・・・

・・・

今度はねぇ、4円の切手を3枚買ったらいくらか考えてみて

 

4×3=12

じゃあ、40円の切手を3枚買うとどうかなぁ。
お金モデルとか、友達と相談するして考えてみましょう

 

40×3=120

もちろん、この計算ができない人がいてもOKです。クラスの半分くらいの人たちがお金モデルなどで答えを導き出せた段階でもいいと思います。

あれれ、今度も数字がとても似ているねぇ・・・

じゃあさ、次の問題はどうだろう。

 こうやっていくつか繰り返していくうちに〈何十×一桁〉の計算というのは〈一桁×一桁〉の計算を十倍する、ゼロを一つつけることで簡単に計算できることを発見してもらうことができる様になるでしょう。

 もちろん準備時間がしっかりあれば、もっと視覚的にインパクトのある教材づくりも可能です。

 こういうアイディアが練られていくうちに〈かけ算の筆算授業プラン〉としてまとまっていくことになります。

 授業は回を重ねればうまくいくというものではありません。
 若くても魅力的な授業ができる人たちもいれば、経験を重ねていってもなかなか子ども達がくいついて来ないという悩みをもった方達もたくさんいます。

 子供たちにとって魅力ある教材を作っていくことは、たのしい教育の骨格の一つです。興味のある方は、研究所の講座を受講してください。直近でいうと8月19日(日)の自由研究の講座があります。
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