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たのしい教育初心者向け〈たのしいプログラムを教育過程に位置付ける方法〉&保護者がたのしい先生を応援する方法@たのラボ式ちんすこうづくりを例に

先生たちが自由大胆に自分の個性を生かして、子どもたちと楽しく授業していけるようにするためにはどうしたらよいのでしょう? 実はそのことが、不登校・登校拒否を増やし、教師のメンタル疾患を増やしている今の教育の現状を突破するキーになると思います。「たのラボ式ちんすこうづくり」をやりたいと思った先生が、学校で授業しやすくなる30通りの方法を紹介します。併せて、保護者の方が先生がたのしい授業をしやすくなるためにできる簡単な方法を紹介します

〈たのしい教育メールマガジン〉
最新号の『授業の章』に書いた記事に
反響がいくつも届いています。

たのしい教育プログラムをやりたいのに
教科書に位置付けられていない
というのがハードルになって
なかなかチャレンジできない人たち向けに
その方法をまとめた内容です。

何しろ教師というのは
いろいろなものに縛られます。

全体の奉仕者であることをわすれるな。
お酒の席ではああしろこうしろ。
飲んだら何時間は運転してはいけない。
自分の行動が教師全体の信頼を損なうことにもなる 云々。

授業するにしても
たくさんの縛りがあります。

教科書のどこに位置付けられているのか?
子どもたちの実態を踏まえているのか?
学年の足なみは揃っているか?
学力向上を踏まえているか?
エトセトラ

そんな中で「たのラボ式ちんすこうづくりをやりたい」
と考えても、なかなか動きがとれない。
それは十分予想されるところです。

特に教師経験が少ない先生たちの中には
学年会で提案される学年主任の週案に
そのまま合わせる先生もいるそうです。

それぞれの先生たちが自分の持ち味を生かして
いろいろなアイディアで子どもたちの
好奇心
楽しさ
元気を高めていく、
それが不登校量産システム、
教師のメンタルをどんどん追い込むシステム
の教育現状を変えるキーだというのが
私の予想です。

では「やりたい」と感じた先生は
どうすれば自分のやりたい授業ができるのか?

大丈夫です。
文科省の指導要領は、教師の興味関心を吸収するくらいの
フレキシブルな構造になっています。

「ちんすこうづくり」なんて家庭科にも出てきません。
でもこういう手があります。
変化球でもぐりこませるわけではありませんよ
直球で授業することが可能です。
 メルマガの授業の章の前半を、紹介ましょう。

 

はじめに
夏休みも終わりますね。
 学校好きな子どもたちも、学校の細かい時間の波に乗るまで時間がかかるでしょう、もちろん教師も。
そういうときは〈美味しいものを作って食べて笑顔になる〉ことをおすすめします。
いくつもお問合せを頂いていた〈たのラボ式ちんすこうづくり〉を紹介します。

  作り方の前に、授業の何に位置付けるか、というアイディアを整理してみたいと思います。
「こんな理屈はいらない」という方もさらりと目を通すと授業に取り入れやすくなると思います。
「こういうのは関係ないんだけどな」という方は次の🟠へジャンプしてください。

🟢基本的には家庭科の「調理の基礎」です。でも、ちんすこうを入口にすると、算数・理科・国語・社会・図工・総合・キャリア教育などへ広げることができます。
 具体的にはこういうアイディアがあります。

① 家庭科「調理の基礎」として
~沖縄の伝統的なお菓子、ちんすこうをつくろう~
学習指導要領には、材料の分量や手順、調理計画
用具や器具の安全・衛生的な取扱い、味付け、盛り付け
調理の工夫、などが位置付けられています。
「ちんすこうを作ること」が目的ではなく「ちんすこうづくりを通して調理の基礎を学ぶ」という授業

 

② 「調理計画」の学習にする
材料を量る⇨混ぜる⇨成形する⇨焼く⇨冷ます⇨食べる
という工程をとりあげ「料理の順番」「時間を考えて計画する」という学習。
学習指導要領にも「材料の分量や手順、調理計画」が位置付けられている。

 

③ 「分量」を算数につなげる
例えば「20人分にするには?」「10人分なら?」
「1.5倍にしたら?」など。
割合・比例・重さ・単位につなげる。
発展「100人分作るなら材料は何kg必要?」

 

④ 「重さ」を算数・理科につなげる
ちんすこうの材料を量る授業。
100g、50g、10g、1g を実際に手で持って比べる単位の肌感覚の授業。

 

⑤ 「砂糖は何をしている?」という理科
例えば「砂糖を入れなかったら、ちんすこうはどうなる?」
あるいは「砂糖を2倍にしたら、もっとおいしくなる?」
など。

 

⑥ 「ラードって何?」という理科・科学
「ラードは何からできている?」「油なのに、なぜ固まっているの?」「温めるとどうなる?」
 固体 → 液体 という状態変化の授業。

 

⑦「小麦粉は何からできている?」という社会・理科の教材
「沖縄のお菓子なのに材料の小麦はどこから来たの?」
小麦粉、小麦、小麦畑、外国・日本の農業、輸入、食料自給率、という内容。

 

⑧ 沖縄の「食文化」
ちんすこうを、沖縄の食文化を知る教材として位置付ける。
例えば、ちんすこうはいつからあるか? 昔のちんすこうはどんな形だったか? なぜ沖縄のお菓子になったか?
どんな場面で食べられてきたか? 昔と今で材料はどう違う? など。
「お菓子づくり」から「地域の文化を知る学習」にする

 

⑨ 総合的な学習の時間に
テーマを「沖縄のお菓子を調べて、未来に伝えよう」
とする。
① ちんすこうを作る
↓

② 歴史を調べる
↓

③ 他の沖縄のお菓子も調べる
↓

④ 地域の人に聞く
↓

⑤ パンフレットを作る
↓

⑥ 発表する
という探究にします。
総合的な学習の時間は、地域や学校の特色、子どもの興味関心を生かした学習や、ものづくり・生産活動などの体験を位置付けることができます。

 

⑩ 「商品開発」家庭科+算数+国語+総合+キャリア教育
「自分たちのオリジナルちんすこうを商品にしよう」というテーマ。
味、形、大きさ、値段、パッケージ、商品名、キャッチコピー を考える。
最後に「100円で売るなら、材料費はいくら?」まで考えたい。

 

⑪ キャリア教育
「ちんすこうを仕事にするならどういうものが考えられるか?」
作る人、材料を仕入れる人、包装する人、デザインする人、宣伝する人、売る人、お金を管理する人 など
一つの商品ができるまでには、いろいろな仕事が関わっていることを学ぶ。
文科省もキャリア教育について、学ぶことと将来とのつながりを見通しながら、各教科等の特質に応じて取り組むことを示しています。

 

⑫ 「お客さんに食べてもらう」までの学習
〈作りました。食べました〉ではなく「誰かに食べてもらうには、どうしたらいい?」をテーマにする。
衛生、見た目、味、大きさ、包装、値段、接客が問題になります。
「作る」から「社会で使われるものを作る」へのステップです。

 

⑬ 国語「説明文・手順を書く」
ちんすこうを作った後に「ちんすこうの作り方を、初めて作る人にも分かるように書こう」という授業に繋げる。
順序・時間・数量・接続語・写真・図などを使った説明。
**「実際に作ったからこそ書ける説明文」**

 

⑭ 国語「キャッチコピー」
食べてから「このちんすこうを食べたくなる一言を考えよう」という授業。
例えば「ひとくちでサクッと沖縄旅行」など。
短い言葉で伝えるという言語活動。

 

⑮ 図工「パッケージデザイン」
「100円で売るちんすこうの袋をデザインしよう」
色・形・絵・文字・商品名・ロゴを考える。
実際に袋を作ってパッケージする。

 

⑯ 社会「沖縄の産業」
5年生なら「沖縄のお菓子は、どんな産業とつながっている?」という扱い方もできます。
ちんすこう⇨小麦⇨砂糖⇨ラード⇨包装⇨運送⇨販売
と追っていく

 

⑰ 社会科で「地域の人に聞く」をテーマに、総合との組み合わせ
 地域の方たちに「昔のちんすこうはどうだった?」と質問していく。
「昔はこうだった」という話を聞いて、昔の材料、値段
食べる場面、作り方、店 などを調べる。
地域教材として利用できます。

 

⑱ 外国語・英語
例えば、「これは何ですか?」 “What is this?”
「ちんすこうです」 “It’s chinsuko.” など。
さらに外国人に紹介するなら、
“This is a traditional Okinawan sweet.”
というところまで行けます。

 

⑲ 「英語で商品紹介」
商品開発と組み合わせると面白いと思います。
子どもたちが自分の商品を、
“This is our original Chinsuko.” と紹介したり、知っている映画を使ってワンフレーズ紹介をする。

 

⑳ 食育として位置付ける
家庭科では食育との接続もスムーズです。
例えば「お菓子は食事になるか?」「ちんすこうだけで一食にできる?」「お菓子と食事は何が違う?」という問いを、みんなで考えて調べていく。
「おいしい」だけではなく、栄養という概念まで広げることができます。

 

㉑ 「材料を減らしてみる」
通常のちんすこうから「砂糖をなくしたら?」「ラードをなくしたら?」「小麦粉を変えたら?」と考える。
予想 → 実験 → 食べる → 比較 → 考える
という流れにして、たのしむ

 

㉒ 「どれがおいしい?」を研究する
例えば、A 砂糖少なめ B 普通 C 砂糖多め で作る。
みんなで食べて「どれが一番人気か?」を調べる。
その中で、アンケート、数える、表にする、グラフにする、結果を説明するという学習にすすめることができる。算数の「データ活用」にもつながります。

 

㉓ 「100円で作れるか?」
「このちんすこうを100円で売ったら、もうかる?」
 材料費を計算します。
 さらに、袋・シール・電気代・人件費・送料 まで考えたらどうなるか?
 ここから、原価・利益・価格 という社会の仕組みにすすむ。

 

㉔ 「100個作ったら?」
1個ではなく「100個作るなら?」というテーマの授業。
材料の量を100倍にすると時間は100倍?
人数を増やしたら?
役割分担したら?
 比例・効率・分業の授業につなげる。

 

㉕ 「失敗したちんすこう」を教材にする
「なぜ失敗したんだろう?」
 焼きすぎ? 焼き不足? 分量の違い? 混ぜ方?
 成形? 温度? 時間? など。
 失敗を「ダメ」とせず「失敗したものには、次に成功するための情報が入っている」という学習にすすめる。

 

㉖ 「自分だけのちんすこう」
「あなたなら、どんなちんすこうを作る?」
例えば ⇨ 星型、ハート型、沖縄の形、動物型、小さいもの、大きいもの、甘さ控えめ、黒糖味 など。
ここでは「正解」ではなく「自分で工夫する」という家庭科の考え方につなげる。

 

㉗ 特別活動
学級活動で「みんなでちんすこうを作って、誰かにプレゼントしよう」とします。
誰に? ⇨ 6年生、先生、地域のお年寄り、保護者、他学年など。
そのために ⇨ 役割分担、話し合い、計画、実行、振り返り

 

㉘ 異年齢活動
1~6年生を混ぜて「みんなでちんすこうを作ろう」という授業も可能です。
高学年が、材料を量る、下級生をサポートする、時間をみてあげる など。
総合的な学習の時間には、異年齢集団など多様な学習形態も位置付けられます。

 

㉙ 「地域に売る」
子どもたちが、作る
↓
考える
↓
計算する
↓
デザインする
↓
売る
↓
お客さんと話す
↓
振り返る

 

㉚「教科別一覧」
教科・領域境:ちんすこうでできること
家庭科境:調理、材料、分量、手順、安全、衛生
算数境:重さ、割合、比例、原価、グラフ
理科境:加熱、状態変化、材料の性質
国語境:作り方を書く、説明する、キャッチコピー
社会境:沖縄の食文化、産業、流通
図工境:商品パッケージ、ロゴ、デザイン
総合境:地域文化、商品開発、探究
特別活動境:話し合い、役割分担、協働
キャリア教育境:商品ができるまでの仕事、販売
食育境:食事・お菓子・健康について考える
外国語境:沖縄のお菓子を英語で紹介
環境:材料・包装・食品ロスを考える

 学年主任の授業に全て合わせる
全ての教科で学年で統一して同じことをやる
という特異な学校風土でなければ
この中のどれかでいけるでしょう。

いろいろな問題を抱える教育を
明るく元気にするのは、教師一人ひとりの力が
楽しく高まっていくことが重要です。

いろいろなたのしいチャレンジをしてくれる先生たちが
増えてくることを期待しています。

保護者の皆さんは、ぜひ
「たのしい教師」
「たのしいことをやろうとがんばっている教師」
を応援してあげてください。

どうしたら応援になるのか?
簡単です。
校長先生に「うちの子の担任の◯◯先生、とてもいいですよ」
と伝えるだけでOKです。

そういう情報が複数届けば
その先生を見る校長先生の目が変わります。
その先生が個性を出して授業しやすくなっていくでしょう。
何しろ校長先生は大変です。
学校に起こる問題や苦情に

まだあります。

とはいえ、あまりにも長くなりました。
いずれチャンスがあれば書きましょう。

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