PEALカウンセリングをした時、クライエントさんが「どうして今までの悩みが大したことではなく、こうやって動いていけばよいとわかっていくのか」と感動し、カウンセリングのことを学びたくなったと話していました。今回はカウンセリングのことを書きましょう。
1900年のこと、F氏が「人間には意識することのできない領域、無意識という側面があって、それが行動の多くを支配している」という考えを提唱しました。
そうです、ご想像通り世の研究者はこぞって批判・反論しました。
「コーヒーに砂糖が欲しいと意識するからスプーンで砂糖を入れてかき混ぜるのであって、無意識が行動の多くを支配するって何をいってるのさ」というわけです。
みなさんもそうおもいませんか?
ですよね、暑いと意識するからエアコンのスイッチを入れるのだし、お腹がすいたと意識するから何かを食べるわけです。
ところがですよ、脳科学が進んでいくうちにF氏の言っていることが随分正しいのだということがハッキリしてきました。
人間の意識は脳の活動全体の1~2割程度で、8~9割は意識でコントロールできない部分だというのです。
暑いからエアコンをつけようと意識する前後で、脳は膨大な情報処理をしています。汗腺の開きをコントロールして体温を調整したり、心臓の鼓動をコントロールしたり、エアコンのスイッチを取るために歩く動きもものすごい量の情報処理をしてバランスをとり、しっかり◯歩でスイッチまで着き、絶妙な動きで手に取りスイッチを押しているわけです。
「よし、まず右足を25cmくらい軽く前に出して、足の裏の70%くらいつくころ、左足をひょっと40cmくらいすすめて・・・」と意識しながら動いている人はほとんどいないでしょう。
「かゆいぞ」と意識するまでもなく何となく手の甲を掻いたり、木の枝にぶつかりそうな予感でサッと頭を下げたりetc. 意識して動いていたのではぜんぜん間に合わない行動に満ちているんです。
でもそういうことが脳研究によってハッキリしたのはF氏の無意識理論の提唱より後のことで、F氏はそういうことを知りません。F氏はそういうこととは別に、思考や感情の分野で独立して、そのアイディアを提唱したわけですから、天才的だと思います。
人間が過去に、強い心の痛手を受けていたとしたら、その後、何か言葉で説明できないような不安に支配されることがあります、つまり無意識的な不安です。
朝起きて、特に意識することなく珈琲を入れていたりすることがあります。
「この人は安心できそうな人だ」「この人は危険ではないか」という無意識的な感覚があります、つまり言葉で考えて判断しているのではなく、意識の奥の方の感覚です。
ある香りをかいだ時、さっと何十年も前の記憶が蘇ったりします、これも「よし、あの時のことを思い出すぞ」という意識でたどったものではありません。
「人間の思考や行動の多くも、意識ではない無意識の部分の大きく依存している」それは間違いないことです。
F氏はその無意識的な行動の多くを「性」と結びつけて説明するようになっていったので、その部分でPEALカウンセリングと共通することはあまりないのですけど、「無意識的なもの」つまり「言葉にならない思いや感覚、行動」といったものはPEALカウンセリングのテーマとして重要なものの一つです。
何となくのその思いや感覚、行動といったものが、納得いくように言語化できた時、悩みや目標の正体が明らかになって、一歩先に進むことができるようになります。
長くなりました、このくらいにしておきましょう。
いつかPEALカウンセリングの具体的な話も書きましょう。
あ、そうそう、F氏というのはフロイトさんのことです。
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