空手界のカリスマ 仲里周五郎先生 琉球空手の伝統を頑なに守った見事な九十七年の生涯を生ききりました

 私の空手の師である仲里周五郎先生(小林流小林舘協会/沖縄県無形文化財保持者)が2016年8月26日(金) 九十七年の生涯を閉じました。 空手一筋で生き抜いた偉大な人物です。

 師範クラスが集まった月一度の実技指導では、前に立ち、自ら号令と気合をかけ、私もそこで周五郎先生からとてもたくさんのことを教えていただきました。

 肩と手の筋肉をさすりながら
「きゆなくん、今の技は上半身に力がかかりすぎておるんだ。少しだけ力を抜いてみなさい」
「そう、それでいいんだ」
という様に、琉球空手の一つ一つの技を、とても丁寧に指導してくださったことを、身体の感覚として今でもしっかりと覚えています。

 この写真は、実技指導が終わって、範士全員が車座になっている時の一枚です。 全員に語りかける表情も言葉もいつも穏やかでした。 周五郎先生2010 わたしは2012年、教師を早期退職し「たのしい教育研究所」の活動に全力を投じた為、月に一度の研究会に顔を出すことができなくなりましたが、偶然にも同じ時に周五郎先生は協会の会長を退き、私たちへの指導を終えました。わたしは周五郎先生の最後の時まで指導して頂いたことになります。 九七年という齢(よわい)は誇らしいものですが、きっと私たちに、もっとたくさんのことを伝えたかったに違いありません。 周五郎先生から頂いた七段という段位と師範免許状を大切に育てていきたいと思っています。 そしていつか琉球空手の奥義を「たのしい教育研究所」の中で伝えることができたらと思っているところです。

横幕も予想を立てて実験する=講座「たのしく のびようよ夏!」

昨日県外出張から戻り、明日は沖縄市でキャリア教育授業です。
その後〈たのしい教育研究所と連携ができないだろうか〉ということで、ある団体の方が県外から話をしに来てくれるのをはじめとして、いろいろな会議等をこなしつつ、今週土曜日(8/6)は、わたしがとてもたのしみにしている講座「たのしくのびようよ 夏!」です。終わると教員採用試験の二次試験を受ける方たち向けの特訓コースと、夏も大忙しのたのしい教育研究所です。

さて今週土曜日の「たのしくのびようよう夏!」は、研究所のメインスタッフが、『自由研究』をメインテーマにして〈ものづくり〉〈ドライアイスの科学〉〈たのしい読み聞かせ〉など、全力で「たのしい教育」を伝える講座です。

そんな中、研究所の応援団の方がとても見事な横幕の字をかいてくれました。
書道の名人ですが、今回は墨ではなく絵の具で仕上げてくれています。
今回のデザインも、研究所の芸術部門担当 小禄さんのアイディアです。

たのしい横幕2

さわやかでとても気持ち良い文字です。
講座を担当するスタッフの笑顔も広がり、ますます元気になっています。

たのしい横幕

たのしい教育研究所には、
「まあ、今回はこんなものでいいよね」
というような発想法はありません。

今回はこの方がいいのではないかな?
今回はこういう方法で試してみたい!
という様に、それぞれの担当が真剣にアイディアを出し合って予想・実験してくれています。
ですから今回の様に横幕をみても毎回斬新なチャレンジです。
それがまたたのしいのです。

きっと、講座に参加してくれる方たちの多くの方たちも「いい横幕ですね」と感じてくれると思います。

わたしはドライアイスを取り上げて〈自然現象の原理〉をもとにして、たのしい実験をします。

講座はおかげさまで早々と定員に達し、現在はキャンセル待ちになっていると、受付スタッフから連絡が入りました。

参加できなかったみなさん、今回は〈自由研究〉がテーマでしたが、次回は「たのしくのびようよ 秋!」で〈図画工作〉をおもいきりたのしむ講座を開催します。ご期待ください。

いつも元気に挑戦
たのしい教育研究所です

たのしい教育研究所の仲間たちの活躍

仮説実験授業の全国大会に参加できることとなり、急ぎでレポートをまとめています。
書きながら改めて発見し、驚いたことがあります。今回はそのことについて書かせていただきます。

 「たのしい教育研究所」の活動は、おかげさまで着実に元気にすすんでいます。
もちろん私も元気にたのしく活動しています。

代表ひとり元気でたのしく活動し、周りの仲間たちは、苦しんだり元気を失ったりということも考えられますし、講座を受講する人たちは「たのしい」と言っているけれど、切り盛りするスタッフは苦しそうで元気がない、ということも考えられます。

しかし、毎回とっている評価・感想を見ていると、「スタッフがたのしそうです」とか「スタッフの皆さんが明るくサポートしてくれました」といった様な言葉が時々みられますし、私が見ていても、みんな笑顔で活動していますから、まず、そういうことは考えられないと思います。

さて、研究所の活動以外のところで、研究所の主力メンバーは、どういう状況なのだろうかと考えてみました。

Iさんは、来年あたり、そろそろ校長先生になる頃です。
研究所のweb上の公式サイトを切り盛りしてくれています。たのしい授業、仮説実験授業などの情報をうちの公式サイトから入手していく人たちが着実に増え、購読件数は既に12万カウントを突破しました。

沖縄のキミ子方式の第一人者Kさんも、たのしい教育研究所の看板を背負って学校の校内研修や老人ホームなどでの授業を担当しています。この秋は「たのしい図工」でメイン講師を務めます。そしてKさんは仲間たちの活動を後ろで支える重要人物です。年齢的には最も上ですけど、最も元気といってよいと思います。

以前「月刊 たのしい授業」に連載コーナーを持っていたM先生も大活躍で、「沖縄県○○研究会 会長」という肩書きです。
肩書きをみると、研究所で最も成功している人物です。

研究所のイラスト担当、ものづくりの名人のM先生も、地域でもいろいろなところから要請されて授業しています。研究所の開発する教材では写真と並んでM先生のイラストが毎回大活躍しています。企業から依頼された講座では私と一緒に宇宙をテーマに授業してくれたりします。

採用三年目のI先生も講座やたのしい教育Cafe、その他にも事務局として積極的に支えてくれています。学校でもとても人気のある先生です。

採用二年目のT先生は、もう既にわたしの授業の代役を務めるまでになりました。学校では2年目にしてかなり大きな役を任され、先日その学校の校長先生にご挨拶に伺ったのですけど、とても信頼されている様子で、嬉しいかぎりです。

県外大学生のHくんも時間を作って沖縄に足を運び、授業では、ものづくりなどを担当してくれています。彼は今年教員試験に合格して学校現場に入ることと思います。

研究所の宣伝部長Y先生は、大きな学校の教頭先生として、校長先生や教務の先生と仲良くがんばっています。人間関係づくりがとてもうまいので、どこにいっても活躍できる様な先生です。

T先生もどんどんたくましくなり、講座などでは全体をリードしてくれています。ものづくりだけでなく、仮説実験授業の授業書も担当してくれます。それだけでなく、講座全体の企画から準備、開催までを取り仕切ってくれますからとても大きな力です。

S先生は学習塾の塾長として成功をおさめ、忙しく活動しています。日中は比較的時間がとれるので、一緒に話し合いや会議などに参加してくれています。仮説実験授業も得意なので、いずれ落ち着いたらコラボでたのしい授業をやろうと話しています。

他にも、研究所の講座で学んで教師になっていった人たちが、顔を出してくれる様になり、講座の手伝いをする方達もどんどん増えてきました。

たのしい教育研究所の活動そのものは、これまで紹介してきた様に、着実に進んでいますが、それを担っている私たちの仲間も、研究所の活動に歩を同じくする様に、とても元気に活躍しています。それが一部の人たちではなく、「全員」なのですから素晴らしいことです。
ますます元気に伸びる、たのしい教育研究所です。

たのしい仲間

遠藤純夫先生の哲学「ボクには嫌いな人なんていない」

 遠藤純夫先生が沖縄に来てくださる時、可能な限り私が空港でお迎えし、送り届ける役をかっていました。

車の中で遠藤先生が語ってくれた一言ひとことは、心の中に残っています。
四年前「世の中にはいろいろな考え方の人がいる」という話になった時、遠藤先生がポツリと発した一言が忘れられません。

「きゆなさん、ボクはねぇ、嫌いな人っていないんだよ」

 その言葉が誇張でないことは、遠藤先生と深く関わった方なら十分に理解できることでしょう。

遠藤純夫(えんどうすみお)先生

遠藤先生の沖縄での講座の一コマ

 教育の世界に限らず「自分たちの考え方こそが正しい」と考える人たちもいます。そういう人たちにとって、自分たちの考え方に寄らない人たちは、敵であったり、屈服させる相手であったりすることがあります。ガリレオも論敵とケンカばかりしていた時期があったといいます。

 しかしケンカでものごとがうまくすすむことはありません。もしも真理であればなおのこと押しつけてはいけません。その押しつけは人間関係的なひずみだけでなく、正しいものが広まっていく時の足を引くことにもなります。

 たのしい教育研究所は、充実した内容を推進し、かつ、いろいろな意見や考え方の方達と戦うのでは無く、ゆっくりと仲間たちを増やしていく活動をすすめていきます。それは遠藤純夫先生が大切に伝えてくれた哲学です。

たのしい教育研究所 所長 喜友名 一