まど・みちお の魅力と才能@たのしい国語

 自宅の階段から降りる時にたまたま〈まど・みちお〉の本が目について久しぶりに開いてみました。

 数え切れないほど読んで来た〈まど〉さんの作品ですけど、何度読んでも新鮮な感動を覚えます。

 いくつか紹介しましょう。

 タイトルを予想してみませんか。

自分が 書きちがえたのでもないが いそいそと けす
自分が書いた ウソでもないが いそいそと けす
そして けすたびにけっきょく
自分がちびていってきえて なくなってしまう
いそいそと いそいそと
正しいと 思ったことだけを
ほんとうと 思ったことだけを
自分のかわりのように のこしておいて

 

 まどさんの〈けしゴム〉という詩です。

 

 この詩にも心動かされます。

 「どうしていつも」  まど・みちお

  太陽
  月
  星

  そして
  雨
  風
  虹
  やまびこ

  ああ 一ばん ふるいものばかりが
  どうして いつも こんなに
  一ばん あたらしいのだろう

 

 以前この本を手にした時にラインを引いた〈まど〉さんの文章があります。

 今でもいくらかそうですが、若い頃の私はとくに、かこを懐かしく思ったり、ものを美しいと思ったりし始めると、どうにも胸が苦しくなって来たものです。
 その過去なら過去、物なら物と、一体にならずにはいられないような衝動にかられてです。
 そして「子ども」(人間に限らずすべての生き物)は私にとってそのような美しいと思えるものの一つだったのです。

まど・みちお「処女作の頃」

  1980年1月「びわの実学校 97号」収録

 

 今読んでも新たに感動してしまいます。
 自分の周りのものごとに、まるで恋をするように寄り添い見つめる。
 ほんの少しで良いから〈まど〉さんの様な感性に近づいていけたらと思う日々です。

 

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伝えるための表現とは 植物図鑑から見えるもの

 論文ドクターは私の専門の一つですが、もちろん〈文章〉だけが物事を伝えるわけではありません。
 先日研究所のスタッフと〈ジュズダマ〉の実のつき方を調べていた時のことです。
 かなり少なくなって来た種なので〈沖縄の植物図鑑〉をいろいろ開いてみてもなかなか見つかりません。
 そのうちの一冊にこういう写真と「夏頃花を咲かせ、灰白色の丸い実ができる、実に糸を通して飾りにして遊ぶ」という様な簡単な説明が載っていました。

 著者にはわかっているかもしれませんが、問題意識をもって見ていても〈どういう実のつき方〉なのかもわかりません。そもそもに何をもって〈ジュズダマ〉と判断して良いのかもわかりません。

 そういう時に頼りになるのが〈伊波善勇〉先生の名著「石川の植物」です。

 柄(から)の先端に一つの実ができることや小穂(しょうすい)が外に垂れ下がっている様子もわかります。

 
 〈人に伝える〉とはどういうことか、こういう様な画像からも学ぶことができます。〈たのしい教育〉を一緒に広げませんか ➡︎ ここをクリックするだけで〈たのしい教育研究所〉への応援の一票が入ります!

 

ジュズダマとサキシマスオウの苗を植える

 ある場所にスタッフの小禄さんとスコップを担いで種から育て た〈ジュズダマ〉と最近入手した〈サキシマスオウ〉の苗を植えました。たのしい教育研究所を応援してくださる方たちがたくさんいて植樹などに適した場所をいろいろ提供してくれるのですけど、今回はOさんの小高い土地の麓に植えさせていただきました。

 他にも研究所で育てた植物を植えてOKです、という場所を提供してくださる方がいましたら、ぜひ連絡ください。

 さて、ジュズダマはかつて〈お手玉〉の中に入れるとが定番なほど身近なイネ科の植物だったのですけど、この頃は自然に生えているものを探すのは困難です。
 実はとても硬く、ハンマーで叩いても簡単には割れないほどです。

 苗はすでに1m近くまで育っているので、このまま自然の中で成長していって欲しいです。

 

 前回のメルマガに書いた〈サキシマスオウ〉も沖縄ではかなり少なくなった植物の一つです。

 まだ20cmくらいですし、土地が合うのか、日光量が合うのかどうかなど、難しいところがあるのですけど、見守っていきたいと思います。

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たのしい教育が広がることで世の中は確実に良くなっていくという予想に賛同してくれる方たち

 たのしい教育は〈たのしく絵を描くこと〉や〈計算力を高める〉という様な一つの方法にとどまらず、〈子ども達の豊かな未来〉や〈より豊かな社会〉を育て拡げる理論や哲学をもった大きな体系です。

教育関係者向け〈たのしい教育〉講習会の様子

 「楽しくないより楽しい方が少しいいだろう」「楽しませて後なら苦しいことも耐えてくれるだろう」という様な〈手段〉として利用するものではなく、「たのしい教育」そのものが〈目標〉なのです。

 もちろん中にはたのしい教育を〈手段〉として、あるいは何となく〈かいつまんで〉利用する方たちがいます。しかし、そういう気軽な気持ちで試した方たちでも、子ども達の嬉しい反響を見て次第に〈たのしい教育〉にのめり込んでくださる方たちが出てきます。

 しかし中には、実は〈たのしさ〉などを求めていない教師の姿が子ども達に見透かされて、特によい効果が出てこない人たちもいます。たのしい教育研究所は、学びたいと考えれば全力で支援する組織ですから、そういう方たちにも門戸を開いています。

 さて、そうやって〈教育関係者〉の方たちと関わっていく中で、次第にいろいろな方たちが応援をして下さる様になりました。お母さんであったり、地域で活動する方であったり、学生さんであったり、仕事をリタイヤした方たちであったりetc.

 我が子の教育であったり、地域で関わる子どもたちの教育であったり、職場での新人教育であったり、総じて〈教育と全く関わりがない〉という人たちはほとんどいないことを考えてると、〈教育関係者〉という言葉は〈全ての方たち〉という様にみることもできます。

 ある時、たのしい教育に興味関心を持っている男性が「きゆな先生、私が生きているうちに、世の中はもっとよくなりますかね」と尋ねてきました。
 きっと疑問をたずさえた質問でしょう。

 そういう時わたしはハッキリと「たのしい教育がどんどん普及していけば確実に世の中は良くなると予想しています」と答えることにしています。
 〈たのしさ〉は確実に〈賢さ〉と〈周りの人たちの笑顔〉に繋がります。それは必然的に世の中を豊かにし、住み良くしていくに違いないからです。

 最近〈たのしい教育研究所〉の活動を応援して下さる様になった方がいます。
 沖縄市で店舗を構えている方です。

 その方は沖縄市の出前児童館事業の〈広報〉を担い、店舗に毎月の案内リーフを掲示して、お客さん達に勧めて下さっています。

 こういう支えを受けることができる〈たのしい教育研究所〉は実に幸せな組織だと感じています。
 こういう方の様に、一緒に〈子ども達をたのしく賢く〉育てる活動を一緒に推進して下さる方が一人でも増えていってくれることをたのしいみにしています。
 それによって社会がより豊かになった頃、「自分も〈たのしい教育研究所〉の活動に一緒に取り組んできたのだ」と誇りを持って語っていただけたらと思っています。〈たのしい教育〉を一緒に広げませんか ➡︎ ここをクリックするだけで〈たのしい教育研究所〉に一票入ります!