〈たの研〉の活動で使う本を買う時によく利用していた本屋さんが来月店を閉めると聞いて、行ってみることにしました。※最新メルマガの〈たの研の日々〉を加筆・編集しておとどけします
私は今でも活字中毒のままなのだけど、〈たの研〉の目標がおおかた達成されてヒマができた時まで、本を読む時間は減らそうと考えていて、新本で購入するのは欲しい本20~30冊の中で一冊くらいです。
去年のことを考えても本屋さんで買ったのは30冊くらいだと思います。電子本やオーディブル(朗読)もあるので、書籍(紙の本)を買う機会はますます減っています。
一般の方たちも、紙の本を買うのはとても減ってきているといいます、本屋さんが採算をとるのはかなり難しくなってきているでしょう。
けれどやっぱり紙の本はいい。
実体があるだけに、デジタル情報よりずっと心に染み入ります。
この『スピノザの診療室』も『星を編む』もとてもおもしろそう。
電子書籍と紙の本と、そんなに違うのかと不思議に感じる人がいるかもしれません。
でもパソコン画面でブラッド・ピッドを見るのと、喫茶店の向かいにブラッド・ピットが座っていて眺めるのとではぜんぜん違いますよね。
喫茶店の場合は、話しかけたら返事してくれるくらい身近です。
デジタルデータと紙の本とでは、それくらい違う感じがします。
ま、活字中毒者ゆえのバイアスもかかっているのでしょうけど・・・
店内を歩いていると「この棚では黒澤明の本を買ったなぁ、ここでは合格SVのあの本とあの本、子どもたちのコーナーではヨシタケさんのあの本とこの本を・・・」と、本の表紙まで想い起こされます。
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前回買おうと思って控えていた本を手にレジに立っていると、元気な店員さんが親子のお客とたのしそうに会話しています。
私の番が来て清算し、記念にと本を包んでもらうことにしました。
ラッピングが終わって受け取る時
「お店を閉じると聞いたのですけど…」と話しかけると
「はい、来月いっぱいで店じまいです!」
と元気な声が返ってきました、すでにたくさんの人たちと交わした言葉で、気持ちの整理もついているのでしょう。
いろいろな想いを込めて
「長い間、本当にありがとうございました」と伝えると、店員さんの動きのリズムが一瞬崩れ、その後、声は聞くことはできませんでした。
本を差し出してくれた店員さんに、お辞儀をして、まるで卒業証書のようだと感じながら両手で受け取りました。
入るときには大雨だったのに、外に出る時は雨が上がり春風が吹いていました。
季節の変わり目と社会の変わり目を同時に感じる日になりました。
また行こうと思います。
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