読者の方から届いた〈知識が身についたら学力も高まる〉をきっかけに/自由研究 花の開花(咲まち)(1)

 このサイトの読者の皆さんのおかげでgoogle検索やyahoo検索の〈教育や学力〉に関わるwordで順位が上がって来て、新しい方たちがこのサイトを見てくれる様になりました。その方たちからのお便りも届いています。その一つ「テストの点数を高めたら、それで興味関心が高まるのではないか」という話がありました。以前たくさん耳にしてきた問いかけで、講演会などでも実際に答えたことがあります。

 もしかすると長年続く〈学力向上〉の取組みを支えているのが、この考え方なのかもしれません。
〈たの研〉は批判する組織ではなく〈新しい提案をする組織〉です。そういう考え方を持っている先生たちを説得しようということは考えていません。
 どちらなのだろう、という方に「こういうたのしい教育をやってみませんか」という提案を、このサイトに綴っています。
 メルマガでは「もしそれが全体的にいえることだとしたら、日本全体の意欲は高くなっているはずだが、結果はどうか」ということを統計を見ながら書いたのですけど、いずれチャンスがあれば一部を紹介したいと思います。

 ここではこのサイトで書いてきたことを振り返りたいと思います。

 そもそも人間が〈たのしい〉と感じている対象、たとえば〈つり〉のたのしさを感じ始めた人が、その知識なり技術なり能力なりが高まらない、あるいは低下していくことがあるのでしょうか?
 植物の成長をみるのがたのしいと感じはじめた人が、感じたがために植物についての知識や育てる技術などが低下していくことがあるのでしょうか? なんらかの特殊な事態がおこれば別でしょうけど、高まっていくのが普通ではないかな。

 私は一生懸命考えてみても、たのしく感じたがために、知識技術能力などが高まらなくなる、あるいは低下していくという事例を思いつかないのですけど、もしも〈ある〉という方は是非おしえてください。

 大なり小なり違いはあっても高まっていくことはほとんど間違いないと思います。

 たのしい教育研究所はこれまで人間が大切に残してきたもの、科学、技術、学問、広く文化の本質的なものを、まず感覚としての〈たのしさ〉として味わってもらう教材・プログラムを広めています。

 最近完成した『ガリレオが開いた世界』は仮説実験授業の授業書「ふりこと振動」の入り口の教材として作成しました。身近な〈菜の花〉を起点にして植物のグループに対する見方考え方にすすんでいく教材「菜の花から広がる世界」、トルク(回転力・回転能)を利用して〈飛距離〉を自由に調整できるブーメランづくりetc.
 全てが〈その内容の魅力たのしさ〉を感じることができるかどうかという視点で構成してあります。
 そして、それを受けた人たちの評価は〈たのしさ度〉だけでなく〈理解度〉も高くなり、〈もっとこういうことを学びたい〉という意欲が高まっています。

 つまり「まず〈ふりこの等時性〉はこれこれで」という様な知識内容を定着させるのではなく「たのしさを感じる中で〈ふりこの等時性〉が感動的に染み入ってくるスタイル」です。
 そういう教育をすすめていく中で、たとえば以前ここで紹介した様に、数年後「東京の大学で電気の勉強をしにいきます」「東大理系に合格しました」「あの時の授業が忘れられなくて先生を目指しています」etc. というこども達が育っているというのも純然とした実験結果です。
 こども達だけでなく〈たの研〉の講座を受講した〈先生〉たちも「早く休みが終わらないかな、こども達に早くこの授業をしたいな」といってくれる様にもなります。

 ーそれが本質的で長期の学力向上につながるのは間違いないでしょう。

 理論的な話だけでなく、今作成している〈たのしい教育ワークブック〉の話をさせてください、自然に育つ植物たちを好きになるワークプログラムです

 たのしさを優先させるプログラムづくりの進行中の一つが〈咲きまち〉です。

 〈たの研〉が研究をすすめているから、たのしい教材になるというのは間違いです。そのプログラムを受けたこども達、先生たちが〈これはたのしい・よくわかる〉と評価してくれてはじめてたのしい教育プログラムになるのです。

 これは今、野山で目にする〈ノボタン〉です、肉厚の葉と鮮やかなムラサキが目を引きます。

 
〈挿し芽・挿し木〉が可能か、枝先を少し分けてもらいました、成功したらたの研で増やして戻してあげたいと思っています。

 これが実験中のノボタンです。

 ツボミがついている枝がありました。この右側にあるツボミはどれくらいしたら花開くと思いますか?
 それとも切った枝咲きのツボミは花開かないのでしょうか?

予想

ア.切った植物は花にならない

イ.翌日には花になる

ウ.2~3日後には花になる

エ.4~5日後に花になる

オ.一週間以上かかる

 

どうしてそう思いましたか?

 次回に続く!

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子ども達のやる気を高めるのが教師、先生たちのやる気を高めるのが管理職

 4月5月は不登校に関わる相談が多いという話をしたことがあります、保護者の方たちからだけでなく、教師からの相談もあります。※ここで書いている内容は全てRIDE( ライド:たのしい教育研究所 )の強い個人情報保護規定で本人の特定ができないように脚色されています、ただし本質的な内容は伝わる様に書いています
 
 その中でいろいろな先生たちからの相談を受けながら、学校は子ども達だけでなく、先生たちのやる気が高まる方向に変わっていかなくては、変えていかなくてはと強く感じてしまいます。

 転勤し新しいメンバーの中でスタートした日々が、教師にとってやる気を削いでいくものになる、それは不幸なことです。教師本人にとってももちろん、その先生が受け持つこども達にとっても。

 かつて教育行政の重要なポストにいたT先生と語らっていた時「管理職はがんばっているが先生方のやる気が高まらない」という話が出ました。それについて私はこういう話をしたことがあります。

「たとえばA先生が新しく担当したクラスの中で、Bくんのやる気が失われてきたとする。それはもしかするとその子特有の事情があったのかもしれないし二人の相性が悪かったということも考えられます。
 けれどクラスの中のいろいろな子どもたちの〈やる気〉がなくなっていったとしたらどうでしょう。
 まずそのA先生のやり方を変えていく必要があると思うのですけど、どうでしょうか?」

 もちろんT先生は同意です。

「先生では、ある学校が新しい管理職の体制でスタートした。
 そこである先生のやる気が失われてきた、それはもしかするとその先生特有の事情があったり、相性であったりする可能性があるかもしれない。
 しかしその学校のいろいろな先生たちのやる気がなくなってきたら・・・

 それは学校のリーダーである管理職のやり方を変える必要があるのではないでしょうか」

 T先生は「ん~」と言いながら困った顔をしていました。校長、教頭を指導してきているわけですから、管理職が変わらなければという話に対して、簡単に肯定できなかい気持ちが伝わってきます。

 教師はこどもたちの授業に責任をもつ、こども達のやる気を高め、可能性を高めてあげる。

 校長は先生たちのやる気を高め、可能性を高めることに責任がある。

 ある年、新しい校長がやってきて担任の先生たちが次々と病休をとり、とうとう教頭も病休をとっていったという悲惨な学校で勤務したことがあります。結果的に、毎月の様に病休をとる先生たちが続いていく状況は止まりませんでした。今でもその頃のメンバーとはつながっていて語りあうことがあります。

 そういう学校の状況とは逆に「校長が変わって去年より先生たちの活気が高まってきた」という学校が増えていくことが沖縄の教育に限らず日本全体、世界中で求められていることでしょう。学力向上を目指す教育委員会にとっても文科省にとっても切実な問題だと思います。

 その意味でも〈たのしい管理職の日々〉を送る先生たちが増えていく、そのためにできることに力を注いでいこうと思います。

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おすすめブックレビュー『ただのおじさん』ふくだすぐる作絵 (岩崎書店)/たのしい読語り

とてもほのぼのとして、心からほっとします。
何も考えずにただ読むだけでつい微笑んでしまいます。
ぼーっとしたい時や、忙しくてハードな日々が続いているときなども、よく手に取って見たくなる絵本です。おじさんの優しさと動物たちに癒されるんですよ。

 先日、お友達が研究所を訪ねて来てくれました。
 この絵本を読み語りしたら、とても喜んで「絵本もいいですね。図書館にも行ってみようかな」と話してくれました。

お気に入りの場面をいくつか紹介します。

おじさんのいえには
いろんなどうぶつたちが
あそびにやってきます。
まずタコさんです。

 タコさんは「ぼくがいすにすわると、こんなことになってしまうんです」と、イスから転げ落ちて、床にべたーっとしてしまいます。

 その時のおじさんのことばがいいんです。

「タコさんだからできるんだねーすばらしい」

いいな〜
私までうれしくなりました。

一番笑ったのがライオンさんです。

「おじさん、わたしのあたまを かりあげにしてください」
ライオンさんは、ぼさぼさのたてがみがイヤになってきたのです。
「えーーー切っちゃうの?」



おじさんはハサミで、チョキチョキ・・・チヨッキンキン
トラガリにしてあげました、大爆笑!

 聞いているお友達も笑いがとまりません。

 トラガリにされたライオンさんがつぶやいた
「ライオンにたてがみが ひつようなわけが なんとなく わかりました」
という言葉も笑えました。

ねこさん、ぞうさん、ねずみさん、やぎさん、おさるさんたちも出てきますが、そのやりとりもおもしろいですよ。
ラストのページで、ヤギさんのせなかで気持ちよくねむっているのも気持ち良さそうです。
  

 時には、ほのぼのとた絵本もいいですよ。
 もう古本などでしか手に入らないようです、図書館などでも探してみてくださいね。

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しまくとぅば(琉球方言)をたのしむ/琉球方言を学ぶ意義を知っている先生たちプラス〈楽しく伝える方法〉があって活性化する

 琉球方言(しまくとぅば)についてはずっと関心が高く、教師を早期退職する前から教育に導入していました。20年以上前、恩納村に勤務していた頃こども達に「英検・漢検だけじゃなくて〈方検〉もあるんだよ」と独自に「方言検定試験」を実施して盛り上がっていました。あの頃は昼の休み時間が長かったので、たくさんのこども達が集まってきて、方言をたのしんでくれたものでした。地域のおばあちゃんも手伝いに来てくれて、二次試験は対面式のトークでしたから本格的でしょう。きっと私が沖縄で一番はじめに実施したのではないかなぁ。
 今では公的に実施されている〈しまくとぅば検定試験〉ができて、すばらしいことです。〈たの研〉のさくら先生は挑戦して合格証をもらったそうです。このままどんどんもりあがっていってもらいたいものです。

 さて〈たの研〉は10年の活動の中でいろいろな取組がすすみ、今年度はやっと本格的に〈しまくとぅば、琉球方言〉の教材科に歩をすすめることとなりました。琉球方言・しまくとぅばが〈たのしい学力向上〉と関わるのか?
 言葉というのは、ものの見方・考え方の根元に位置する大切なものです。琉球の祖先が残してきた、ものの見方や感覚を学ぶことが〈生きた学力〉に繋がらないわけはありません。

 〈たの研〉の先生たちにリサーチすると、沖縄県が作成した立派な教材がすでに配布されているそうです。数年前沖縄県医師会と沖縄県教育委員会の取り組みで県内の全児童生徒に配布された健康読本の作成委員として関わったことがあります。こういう一冊を仕上げるまでに、お医者さんたちとかなりの回数、深夜までアイディアを練り合いながらすすめていきました。台風の日に集まったこともありました、たのしい思い出です。この一冊もそうやって仕上がったものでしょう。


 これは検定試験用の単語帳です。
 英検とか漢検の単語帳よりずっとフレンドリーな感じがしますね。

 〈たの研〉で方言というと下地先生です。
 学生時代から地元の方言を収集していて、ほうげん絵本の作成もすすめているとのことですから本格的です。

 下地先生のもっている方言の貴重な資料もいろいろ見せていただきました。

 


 さて問題は、これだけ多忙な学校教育の中に、どうやって今以上に〈しまくとぅば〉を広げていくのかです。

 たのしい教育研究所ならではのたのしいアイディアがあります、ご期待ください。

 いずれにしても、教育の未来を支えるのは〈たのしさ〉です。文科省が「主体的・対話的で深い学び」をテーマに新学習指導要領を編成しています、〈たの研〉の言葉でいえば「たのしさが主体的・対話的で深い学びを支える」です。

 教材はいろいろな先生たちに試してもらい、先生たちとこども達の評価を分析して、80%以上の高い評価が得られたものを、このサイトでも紹介していく予定です。ご期待ください。たのしい教育全力疾走RIDE(たのしい教育研究所)、みなさんの応援が元気の源です。一緒にたのしく賢く明るい未来を育てましょう。このクリックで〈応援〉の一票が入ります!