県外出張から戻って夜、研究所に着くと、ウェルカム・スペースでひまわりと、シクラメンだろうか、迎えてくれました。
ホッとする場所です。
来週の講座「たのしく伸びようよ 夏!」もたくさんの申し込みが来て、現在キャンセル待ちの調整中とのことです。
わたしも「たのしいドライアイスの科学」の教材作りに取りかかっています。
たのしい日々を元気にすごす
「たのしい教育研究所」です。
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「蝶からガンの薬をつくる」の後半です。
前回のお話を読んでいない方は、1つもどってお読みください。
※
青虫からとった液を直接胃がんの細胞にかけてみると、どういうことが起こったか?
杉村さんの言葉をそのまま載せてみます。
驚いたことに、6時間くらいで核が縮んで細胞が死んでしまった。増殖していた胃がん細胞にアポトーシスが起きたんだ。
サナギから取り出した成分を人間のがん細胞に入れてみると、がん細胞が死んでしま
ったのです。
それにしても、幼虫の体から取り出した体液をそのままがん細胞にかけてみたというのですから、大胆な実験です。
そういう、あるいみ乱暴とも言える実験をしたところ、サナギの中での細胞を殺す作用は、人間のがん細胞を殺す効果もあった、ということがわかったわけです。
その後、精密な研究を積み重ねて、「ピエリシン」という薬の発見につながりました。
杉村さんたちの研究は、まだまだ続いています。
杉村さん本人が書いた内容を読みたい人も多いと思いますのでサイトを載せておきます➡︎ こちら
蝶の幼虫からガンの薬を作っている、という話をすると、それはいかにも怪しげな薬だろうと思うかもしれません。
しかしけっこう信頼性のある研究なのですよ。
そして私が好きなエピソードの一つです。
夏休みに入って、このサイトを読む小・中学生が増えてきましたので紹介させていただきます。
「完全変態(かんぜん へんたい)」という言葉を聞いたことがありますか?
英語では「メタモルフォーシス」といいます。
「チョウやセミ、カマキリは完全変態なのか不完全変態なのか」
という様に、学校の先生になるための試験にも出題されることがあります。
チョウやアリ、カブトムシなどは完全変態します。その仕組みは、とても不思議な現象の一つです。
地をゆっくりはって動くアオムシが「サナギ」となり、空中を舞うチョウにかわるのですから、驚きです。いったい、あの青虫の中のどこに、チョウの羽の部分がかくれていたのでしょう?
わたしも子どもの頃、とても不思議に思って観察した一人です。
完全変態の仕組みは多くの昆虫たちがとった生きるための方法ですが、科学者たちは今も、サナギの中で何がどう変化しているのか、とても興味をもって研究しを続けています。
サナギの時は体の中がドロドロのクリーム状になっているという話を聞いたことがある人もいるかもしれません。最近のマイクロCTというスキャン技術で、昆虫たちの体を解剖せずに調べることができる様になり、かなり詳しいことがわかってきました。これがそのマイクロCTによるスキャン画像です。
サナギの時、完全変態の段階で、成虫になるために必要のない部分を殺してしまいます。そしてチョウという新しい体に必要なものを作り出しているのです。
細胞が自らを殺していまう働きをアポトーシスといいますが、サナギの中でそれがどんどん起こっているのです。
これを〈ガン治療〉に使えないかと考えた科学者が、ガンの研究者であり、同時にチョウが大好きだった杉村隆さんでした。
杉村さんはこう考えました。
「チョウは、完全変態、つまり幼虫とサナギと成虫の間でまったく形が変わる。これだけの変化をするには細胞が入れかわるわけで、そのためには細胞が死ななければならないはずだ。そこで、アオムシの中に、この細胞は殺し、この細胞は殺さないという調節機構があるに違いない」
杉村さんはこういう実験をしてみました。
幼虫の尻尾を切ると0.1ccほどの青い液体が出てきた。この中に調節のための物質があるだろうと思い、数匹分を遠心分離器にかけたら透明になった。この液体を培養していた胃がんの細胞にちょっと落としてみたのです。
さて、どうなったと思いますか?
予想
ア.がん細胞が死んだ
イ.特に変化はなかった
ウ.がん細胞が増えてしまった
どうしてそう思いましたか?
後半につづく
前回の記事からの続きです。
まだの方は、1つ前に戻ってお読みください。
子供の科学特別編集の「理科好きな子に育つ ふしぎのお話 365」という本があります。
コンパクトに話をまとめてあるので、長い読み物が苦手だという人たちに、おすすめの本です。
さて「もしかしてその本に載っているかも」と思い、開いてみました。
ありました。
タコだけではなく、イカも心臓が3つあるのです。
少し書き抜いてみましょう。
イカとタコの体を開くと、内臓の周りに心臓が3つあることに気づきます。1つは私たちの心臓と同じく、全身に血液を送っていて、「体心臓(たいしんぞう)」と呼ばれています。
体心臓から送り出されたけえきは全身をめぐったあと、エラに達してここで酸素を受け取るのですが、エラに血液を送り出すための心臓を2つもっていて、これは「えら心臓」と呼ばれています。体心臓1つとえら心臓2つで、イカ、タコは合計3つの心臓をもっているのです。
3つあることは確かな様です。
ここからが肝心なところ、お互いがうまく動いているのか、それともどれかは「かざり」の様なものなのか、です。
体心臓がいくら力強く血液を送り出しても、全身をめぐってエラに戻ってくる頃には血液の流れは弱まっています。
そこで、えら心臓が血液の流れに勢いをつければ、より多くの血液をエラに送ることができるでしょう。
酸素を受け取った血液をたくさん全身に送ることができるから、イカやタコは活発に動き回れるのです。
タコやイカの3つの心臓は、かざりなどではなく、うまく機能しているのです。
高校生がタコの解剖をしているサイトがありました。
(キミが悪いという人はここまでにしておきましょう)。
赤い矢印がタコのメインの心臓・体心臓です。
黒い矢印が2つのエラ心臓です。
そして、そのエラ心臓の下のロープの様に見える部分が「エラ」です。
3つも心臓があるタコが、ファインディング・ドリーで大活躍します。ダイ・ハードの主人公 ブルース・ウィリスみたいですよ(^-^
夏休みの一作にしてみるとどうでしょう。
そして夏休みの宿題には、「ファインディング・ドリーを観てタコやイカの身体のことに興味が出てきて、調べてみました」という様な自由研究もよいと思いますよ。
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