たのしい授業と仮説実験授業

明日はメルマガの発行日です。
書くのが大好きな私は、他の締め切りものもありながら、メルマガに没頭しています。

今回の「たのしい教育の発想法」は、元国立教育政策研究所室長の板倉聖宣先生が、1974年8月に四国数学教育研究協議会での講演
「楽しい授業への招待」のあとの質問に答えたものです。もう40年くらい前ですね。
批判的な質問に丁寧に骨太に答えた板倉先生の話が、何度読んでも、さすが、と唸ってしまいます。
少し書き抜いてみます。
たのしい教育の発想法に興味のある方にぜひ読んでいただきたいです。
興味のある方向けに、メルマガ全体の案内をうしろに載せます。

 

質問です。
私は仮説をしていないからそう思うのかも知れないけれども,本当にみんなが楽しいんだろうか。個性があるから「楽しくない」という子どもも出てくるんじゃないだろうか。やっぱり,それは比較の問題で,他の授業と比べて「ちょっと楽しいな」というだけではないのだろうか?,というような気がするのですが…

板倉
仮説実験授業をやって「たのしくない」という子どもが宿命的にいます。
クラスに1人か2人いたりします。
全くゼロということもありますが、3人か4人であることもあります。
しかしそれ以上増えることはないです。
だって,仮説実験授業は子どもが「楽しくないと言えばやってはいけない」のですから,仮説実験授業は〈原理的に楽しい〉のです。
定義によって「たのしい」ことは明らかです。
だから「仮説をやってたのしくない」という人がいたら,
「じゃあ,やめてください」
と言うだけです。

ただやめる前に一つだけ,
「先生は〈たのしくない〉と言うけど、子どもたちに聞いて確かめましたか?」
と尋ねます。

仮説実験授業は,子どもたちに対しての一切の押しつけを排除するのと閉じように,先生に対しても押しつけを排除しています。

仮説をやらない人は悪い教師だと脅かすようなことは一切しません。
〈仮説実験授業がいい〉と,思った人がやればいいので,「いいと思わない人がやるのは何事だ」ということしか言わないです。

〈個性ではないか〉という話がありましたが「仮説実験授業が嫌いだ」という個性はないですよ。
「人間」としてのどうしても必要な共通のわくがあるからです。
「予想を立てるのが嫌いだ」というのは,優等生根性があればそうなります。みんなの前で外れる心配があるからです。
しかし〈予想を立てるのが本来的に嫌い〉ということはないでしょう。
予想を立てなければ,人間として生きていかれないですから。

「人聞は一人ひとり個性が違うから個別指導をしよう」という考え方がありますが,個性が違うから一緒に指導するのが当然なのです。
個性が違う人聞がいるから,うまく社会が成り立っているのです。
個性が違ういろんな人聞がいるから集団的な教育が大事なのであって,それを「集団教育がうまくできない」からといって個別指導に走るのはごまかしに過ぎないのです。

仮説実験授業は「できたところではうまくいっている」という形で提案しています。
だから私どもは「ウソだと思って仮説実験授業をやってくれ」という気はありません。
「本当かも知れない」と思う人がいたら,試しにやってみてください。
授業するにも「仮説実験」なのです。

 

案内
 このメルマガはわたし達と一緒に「たのしい教育の普及」を応援してくださる方たち向けに発行しています。発想法以外に、たのしい授業プラン、おすすめ映画など、かなりのボリュームで多くの皆さんから好評です。
 興味のある方は以下の要領でお申込みください。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
このメールマガジンの購読方法
読費用は 800円/月(毎週金曜日PDFで発行)年間購読料 9600円 です
※年末の一週と夏の一週はお休みとなります
※可能なかぎり、月ごとではなく年間の一括購読としてお申し込みください
振込は郵便局・銀行などから可能です。
ゆうちょ銀行「たのしい教育研究所」宛
(1)郵便局からの振込の場合
記号 17050 番号 10385301 この2つでOKです
(2)銀行など他の金融機関からの振込の場合
店名 七〇八 ※店名が漢数字というのは変だと思うかもしれませんが郵政民営化のシステムチェンジでこうなったそうです
店番 708 ※算用数字です
預金種目 普通預金
口座番号 1038530
振込み終了後 office@tanoken.com へご一報ください
研究所あるいは講座等で直接受付が可能です。ご活用下さい。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

たのしい教育・楽しい教育・たのしい授業・楽しい授業に全力投球中!

たのしい教育全力疾走RIDE(たのしい教育研究所)、みなさんの応援が元気の源です。一緒にたのしく賢く明るい未来を育てましょう。このクリックで〈応援〉の一票が入ります!

 

たのしい教育研究所活動実績の一部

これまで、たのしい教育研究所ではいろいろなところで、たのしい授業に関わる講演や授業、イベントなどを実施してきました。
その一部ですが、ここに掲載させていただきます。
研究所に声をかけるさいの参考になれば幸いです。

⭕️公的事業
「沖縄県科学技術振興課・沖縄県教育委員会-沖縄サイエンスキャラバン構築事業」
「沖縄ハワイ協力推進事業-沖縄科学チャレンジコンテンツ作成グランプリ-」
「国土交通省支援事業-たのしいグッジョブ講座-」
「国土緑化推進機構 -どんぐりプロジェクト-」
「沖縄県商工労働部-みんなでグッジョブ県民運動-」
「沖縄県教育委員会・医師会-次世代の健康教育事業-」ほか多数

授業・講座などをさせていただいた中の一部
・県立教育センター
初任者研修
5年研修
10年研修
副校長教頭研修会

・宇宙の学校 ( JAXA/Ku-ma)
・国立沖縄病院々内授業

・読谷村「学びフェスタ」
・たのしい学力向上実践講座
・環境省国土緑化推進機構「どんぐりプロジェクト」
・沖縄市生涯学習フェスティバル
・琉球放送(RBC)親子イベント
・青少年科学作品展全体ステージ
・海外高校生への授業(アジアユース)
・デイケア施設「認知症予防とたのしい教育」
・わくわくサイエンス宮古島
・沖縄県サイエンスキャラバン
・県主催いっきゅうハカセのたのしいグッジョブ(県立図書館)
・指導力向上講座in渡嘉敷
・教師実践力UP講座in伊江島
・たのしいキャリア教育in沖縄市
・たのしくEnglish うるま市
・沖縄カウンセラー協会主催カウンセリング講座 
 ・沖縄県医師会 次世代の健康教育副読本作成
・名護市立緑風学園 思春期講座
・勝連小学校PTA主催全校授業
・学力向上発表会全体講演 (伊江島西小/伊平屋全校島発ち発表会)
・名護養護教諭研修会
・カウンセリング実技入門
・授業実施校等
琉球大学附属小学校
名護市緑風学園(久志小中学校)
恩納小中学校
具志川小学校
クリスチャンスクール
勝連小学校
具志川東中学校
沖縄水産高校学校
与那国小中学校
久部良小学校
阿波連小学校
粟国小中学校
来間小中学校
久部良小学校
西小学校
南小学校
竹富小学校
大岳小学校
川平小学校
伊野田小学校
南大東小中学校
北大東小学校
鏡原中学校
崎枝小学校
真喜屋小学校
宜野湾市適応指導教室
首里公民館
星空公民館
舞天館
儀間公民館
ゆいみなー
北谷ニライセンター
糸満青少年の家
恩納村しまんちゅクラブ
あやかりの杜
法政大学
浦添児童館
大浜信泉記念館
読谷村文化センター
浦添市体育館
教育福祉会館
読谷村横田児童センター
沖縄市かりゆし園
具志川ビーチ・ビーチ開きイベント
具志川ビーチ・日食観測イベント
伊江島教育委員会
名護市グッジョブForum

沖縄県 長寿県復活プロジェクト副読本「こころのタネ」作成委員
「たのしいグッジョブ授業プラン」沖縄県商工労働部支援事業
ほか多数

たのしい教育・楽しい教育・たのしいカウンセリング・たのしい教員採用試験・たのしいグッジョブ(キャリア教育)に今年も全力投球です。
応援よろしくお願いいたします。

新春 おきなわ 桜の花!

今日は2015年1月6日(火).
デスクワークが多かったので夕方、散歩に出ました。
いつもの公園を通るコースです。
その公園には桜の木がたくさんあるですけど、今日、桜の花をみつけました。
スクリーンショット 2015-01-06 22.23.07一月はじめに、もう桜です。
友人たちから雪の様子がたくさん届きます。
日本は北から南まで季節の彩、豊かですね。

すごくたのしく役に立つ! 「実験とは何か」

いろいろな授業の準備をしながら、合間にたのしい実験をいろいろとすすめています。

さて、県外から来たスタッフAzuさんは泡盛と日本酒の違いもよく知りません。
そこで手早くできる違いを実験してみました。
前々からアイディアがあって、これをいつでもたのしい授業プランにする準備があります。
おきなわの泡盛協会の方、ぜひご連絡ください。日本焼酎協会でも日本ウォッカ連盟でもよいですよ。

科学を生業としている人なら実験のなんたるかは知っていると思いますが、実は、
予想を持って確かめることが実験です。

わたしはさらに、「普通の人々が学ぶに価する実験の体系」をもって科学と呼びたい。
ケプラーやコペルニクスがラテン語で著書を書いたのと異なって、ガリレオはごく普通の人たちが読める様にイタリア語で著書を綴ったように、一部の特権的な人たちに向けて発するのではなく、ごく普通の人たちを対象にしたい。
さて、同じアルコール量の摂取ということでありば、お酒の中でも蒸留酒は「体によい」というのがわたしの人体実験上の結果です。
それを簡単に目でみることができる実験が簡単にできます。
蒸留酒はお酒の中でもピュアでカスが出ない、わけですから、身体が無理することが少ないのです。

その蒸留酒のピュアさを目でみる、という実験です。
実験そのものは簡単ですが、それをいかに魅力的に投げ出すか、というところがうちの研究所の他に負けない技です。
同じ小麦粉とバターとレーズンでも、できあがったパンはかなり違いますよね。
そういうことです。

実験を端折って書くとこうです。

スクリーンショット 2015-01-06 17.02.06 スクリーンショット 2015-01-06 17.02.48

泡盛・蒸留酒がもしも、本当に蒸留したものだけで製造されているなら、そのままほぼ全部とんでいってくれるわけです。

しかし例えば、こんな風に焦げた模様がついたとしたらどうでしょう?
スクリーンショット 2015-01-06 17.03.05

そんなことを、わかりやすく、簡単な実験で、それぞれの液体の違いがわかる。

しかもこれを学べば、たとえば「香水」はどうか?
「お酢」はどうか?
など、いろいろなものを実験して確かめてみたくなるような、知的好奇心をたっぷりと湧き立たせるもの、そういうものを伝えていけたらと思っています。

いかがでしょうか?