たのしい社会ー日本の姿 沖縄は歯医者が多いっていう噂は本当か?-社会の自由研究も楽しい-

 メルマガの〈たのしい社会〉の反響が続いています。前回〈サトウキビ〉と〈砂糖〉の生産量の意外な違いについて紹介しました。今回はその発授業の発展型として紹介します。

「沖縄はコンビニが多い」という話については〈メルマガ〉で取り上げたので、その次にわたしが気になっている「沖縄には歯医者が多い」という話について紹介ましょう。

 県外から来たわたしの友人が「きゆなさん沖縄には歯医者がおおいねぇ~」と感心していたことがあって、それを周りの人たちに話すと
「確かに多いと思う、東京とか歩いていても歯医者とかそんなに見ないのに沖縄はよく見る。きっと沖縄は人口比にすれば全国一、二くらいだと思う」
と答えてくれました。

みなさんはどう思いますか、予想してみてください。

人口比でみると沖縄の歯医者の数は
ア.日本一多い
イ.日本一ではないがトップ5位に入っている
ウ.平均くらい
エ.平均以下

どうしてそう思いましたか?

ちなみにわたしの予想は「平均前後だろう」です。

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⬇︎

予想すると当たっても間違っても賢くなる
⬇︎

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 これは厚生労働省の2018年〈医療施設〉のデータです。
 濃い色が人口あたり歯医者さんが多い都道府県です。

 都道府県別に10万人あたりいくつの歯医者さんがあるか、多い順にまとめた表がこれです。

 沖縄は全国平均の〈53,8〉よりぜんぜん少なくて〈43.0〉〈第40位〉です。

 全国1どころか、後ろから数えた方が早いんですね。

 これは小中学校などで扱う内容ではないかもしれませんけど、大人の社会科としてならとてもたのしめそうです。

 よく聞くのが「沖縄は車社会だから一人当たりの車の保有台数はトップ」という話です。
 数量的に見ていくことだけでなく、全国的な傾向をみていくと、「もしかするとこうかな」という問題意識も出来てきます。その問題意識は今解決することはできなくても、のちのち何かのきっかけで調べたり気づいたりすることにつながるでしょう。

 社会の力は、民主的な世の中を守り育てるためにも、とても大切です。子ども達がたのしく社会を学んでいくだけでなく、大人がたのしく学ぶ、〈たの研〉にはそういうプログラムもたくさんあります。興味関心のある方は、ワークショップなどをお申し込みください。

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たのしい社会〈サトウキビ〉が最も採れるのが沖縄なのに〈砂糖〉を最もたくさん作っているのは〈北海道〉、何で?/最新メルマガたのしい教育実践の章

 最新メルマガの〈たのしい社会〉の反響がいろいろ届いています。わたしがやっていた〈都道府県 生産高ランキング〉の様子です。いずれわかりやすいネーミングにして〈たのしい教育授業ブック〉の一冊にしようと考えています。シンプルな流れで盛り上がる上に、こどもたちはそれぞれいろいろな〈問題意識〉をもってくれるので社会的な見方考え方がアップしていきます。

 全体的なものはメルマガに譲るとして、ここでは「これは意外でした」という声がいろいろ届いている〈項目〉について紹介します。

 サトウキビの生産量が最も大きい県は?

 沖縄県です。

 ちなみにサトウキビの生産量がランキングできる県はのこり1県しかありません、鹿児島県です。他の県で作られていても、実験的なものであったり、ごく少量で日本の生産量に入れられるものではないということです。

 では〈砂糖〉が作られている都道府県をランキングするとどうなるか?

 予想してみてください・・・

 すでにタイトルにその答えがあるのですけど、それ以外にトップ10ということで考えてみて下さい。

 授業の流れと違ってここでは〈答え〉を出しましょう。
 砂糖を生産している都道府県の順位をみるとびっくりする人も多いと思います。
 サトウキビ全国一位の沖縄が〈6位〉、どういうことでしょう?
 ダントツは北海道です。
なんと東京や大阪は沖縄より砂糖が作られている・・・

都道府県番号

県名

出荷量

割合

割合

順位

1

北海道

583,740kl

813.2億円

34.9%

01位

12

千葉県

236,360kl

342.0億円

14.7%

02位

23

愛知県

211,110kl

303.2億円

13.0%

03位

13

東京都

87,370kl

142.0億円

6.1%

04位

27

大阪府

101,237kl

111.4億円

4.8%

05位

47

沖縄県

6,723kl

10.8億円

0.5%

06位

46

鹿児島県

3,821kl

6.8億円

0.3%

07位

36

徳島県

744kl

2.6億円

0.1%

08位

4

宮城県

X

X

X

X

9

栃木県

X

X

X

X

18

福井県

X

X

X

X

22

静岡県

X

X

X

X

24

三重県

X

X

X

X

25

滋賀県

X

X

X

X

28

兵庫県

X

X

X

X

29

奈良県

X

X

X

X

37

香川県

X

X

X

X

38

愛媛県

X

X

X

X

40

福岡県

X

X

X

X

45

宮崎県

X

X

X

X

2

青森県

3

岩手県

5

秋田県

6

山形県

7

福島県

8

茨城県

10

群馬県

11

埼玉県

14

神奈川県

15

新潟県

16

富山県

17

石川県

19

山梨県

20

長野県

21

岐阜県

26

京都府

30

和歌山県

31

鳥取県

32

島根県

33

岡山県

34

広島県

35

山口県

39

高知県

41

佐賀県

42

長崎県

43

熊本県

44

大分県

 

 はなしはここからです。

 どうして沖縄ではなく北海道が砂糖生産量のトップか・・・

 そういう問題意識でこどもたちが調べていったり、教師が予め調べて授業化する流れもあるでしょう。

 それにしても東京や大阪が沖縄よりたくさん砂糖を作っているというのはおかしくないだろうか?

 これはもしかして外国から原料を買ってきているかもしれないぞ!

 というテーマで調べていく。

 メルマガで紹介した授業はこういうものに発展していく可能性が高い授業です。

 今月予定されている〈初夏の講座〉では、テラ先生が社会の教科書でクイズを作成するプログラムを紹介してくれます。

 社会科もたのしい教育の可能性が満載の教科です。

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たのしい〈たのしい教育研究所の年次総会2022〉

 NPOの活動方針は年度初めの〈年次総会〉で提案され検討後承認されます。沖縄県の北から南までに広がるメンバーが一同に介する機会は、参加者にとってもとてもたのしい時間となります。コロナで騒がれているここ数年も出席率が毎回90%以上だということからも伝わるかもしれません。

長年管理職を続けてきたIさんの冒頭のあいさつは

「総会というものには数々出席してきましたけど、〈たの研〉の年次総会は、他に類を見ないたのしい総会です」

という言葉ではじまりました。

いつものごとく〈たの研〉内は感染症対策で大型ファンがいくつも並び、外の空気が入り中の空気が抜けていきます。
 そういうやや騒がしい中でも参加者の集中度は落ちません。

 
 続いてさくら先生の編集で〈一年間の活動〉がいろいろな画像、動画で紹介されました、みんなこれが最も楽しみです。
 コロナ騒ぎの年だったということを忘れさせるほど、充実したたくさんの活動が紹介されました。

 みんなの満足げな顔に、司会のM先生も、これで総会がほぼ終わった感となりましたが、予算審議などはこれからです。

 前年度の予算執行も吟味され、今年度のいくつもの提案も含めてすべて承認され、いよいよ本年度の活動が本格始動します。

 「教師でなければ料理人になっていた」というN先生作成のオードブルがいくつも並び、おいしいのみものも出て、その後もたのしい活動の話にもりあがりました。

 今年の〈たの研〉の活動をご期待ください!

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カニとたわむるーたのしいアウトドア経験は本質的な学力(魅力ある学力)につながる

 沖縄の学力についての話、「小学生の学力テスト得点が全国的に平均レベルに達してから伸び悩んでいる状況をいかに突破するか?」という話をしたことがあります。テスト得点をどうするか、というより「こども達の本質的な力をどうのばしていくか」がカギです。具体的には全国でまだ取り組んでいない〈たのしさ〉へのシフトです。「学校に行くのがたのしい」「先生ともっとこういう勉強をしたい」そういう子どもを増やしていく、そうやって子どもたちの本質的な力が高まっていくことで時間はかかっても着実に沖縄県全体の〈力〉が高まっていきます。それはたとえば政府との交渉力とか、基地の問題をどうしていくかという大きな問題の解決にもつながるでしょう。

 という大きな話だけでなく、具体的にどうするかという方法論がセットなのが〈たのしい教育〉です。

 たとえば海に行った時、そこでたのしむ事のできる題材をこども達にどんどん伝えていくことです、そのためにもまず大人がたのしむことです。

 これは以前撮った写真です。

 足を海の中に入れて食べ物を波にのせ、しばらく静かにしていると〈カニ〉がやってきました、30分くらい待つ気持ちがあれば必ずなにか生き物たちと会うことができます。

 アウトドア用のナベにすくってみましょう。
 みているとカニを中心に波打っているのがわかります。

 この波の模様(波紋)は、カニの口から発生していることがわかります。

 カニはエラ呼吸なので、水を取り入れて吐き出しているのでしょう。

 そうか、陸上でカニがアワをぶくぶく吹いていることがあるけれど、それはつまり呼吸しようとがんばっているということなんだろう。特別なことではなく常日頃から口から水を吐き出しているわけだ。

 ところで食事中にはこの波紋は立たないのでしょうか、どう思いますか?

 食べ物を前に置いてみましょう。

 ハサミをのばしてパッととり、食べ始めました。
 食べながらも波紋は続いています。
 私たちも食事しながら呼吸もしますから、わかってしまうとそれはそうだということなのですけど、こういうことも予想チャレンジしなくてはハッキリしません。


 この波紋、吸い込んだ水を口から出しているのはわかるのですけど、水鉄砲の様にシューッと出しているわけではありません。

 プップッというように断続的に出している様にみえます。

 15分くらい観察していたので、そろそろ自然の中にかえしてあげることにしました。

 こういう時間を、〈たの研〉の先生たちはとてもたのしんでくれました。中には「はじめてカニに触りました」という人もいました。

 大人がこうやってたのしめる教材を少しずつ増やしていく、そのたのしさは子どもにかなりの確率で伝わります。

 準備された答えを知ることを超えて、たとえばこの様に、出会ったカニと戯れながらいろいろなことを学んでいく先生たち、大人、そしてこども達が育っていく。そういう姿がいろいろなところでみられるように、たのしい教育研究所は今年度も元気にたのしく活動していきたいと考えています。

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