予想を立てて考える/〈食べてすぐに寝たら牛になる〉考

  授業ブック「ガリレオが広いた世界」が高評で喜んでいます。電子出版の準備もすすめています。
 ガリレオの頃までは「こうとしか思えない」とか「こうに違いない」という説明がとてもたくさんありました、「生物は自然に発生するとしか思えない」とか「あの光輝く星たちは地球と違って宝石の様につるつるで完全な球体である」という様に。
 それは当てずっぽうに言ったのではなく観察を元にして〈そうとしか思えない〉という結論として主張しているのです。だってもともと食べ物に虫などはついていなかったのに、それをすててそのままにしていると、いつの間にか小さな生物や虫たちがうごめいているし、地球は山あり谷ありだけれど、月にしろ星にしろ光輝いていて、まるで宝石の玉の様にしか見えないからです。

 ガリレオは、こうとしか思えないという説明は〈予想〉の段階とみて、周りの人たちとそれぞれの考えを出し合い、〈実験〉によって、どちらが正しいのかを確かめる流れの中で真理を発見していきました。
 単に〈予想・実験〉ではなく〈考えを出し合う・対話する〉という過程も重視していることは、ガリレオの著作「新科学対話」「新天文対話」からも、そして「ガリレオ裁判」という本でも紹介されています。

 ガリレオ・ガリレイは、「対話の人」であった。
 彼は、生き生きと天空を見上げ、星たちと論じ合った。そしてまた、陽気に街へ飛び出して、人々と話し合った。
 友人たちと共に「真理の間をさすらい、論議を重ねながら歩むのは、この上もなく楽しいことだ」と語っている(ジョルジョ・ド・サンティリャーナ著、武谷三男監修、一瀬幸雄訳『ガリレオ裁判』岩波書店)

http://www.value-c.haru.gs/library/1st/archive/rekishinokyojinntokataru/4th_Galileo.html

 この本の監修をしている〈武谷三男〉は、仮説実験授業研究会初代代表〈板倉聖宣〉が師と仰いだ人物の一人です。

 それが本当に正しいのかどうか〈予想を立てて対話して実験によって確かめる〉について、身近なところで考えてみましょう。

 みなさんは「食べてすぐ寝たら牛になるよ」と言われたことはありませんか?
 言われたことはなくても、そういう言葉は知っているのではないでしょうか。
 そう言われた小学生のミキちゃんと、そう言ったお母さんとの会話です。

お母さん「ミキちゃん、食べてすぐ寝ると牛になるわよ」

ミキ「え? そんなことはないわよ」

お母さん「だって昔からみんなそう言っているでしょう」

ミキ「でもお母さん、もしそのことが正しいとするわよ。
  うちの猫のア~ルは、食べると大抵寝ているわよね」

お母さん「ええ、そうね」

 

※これは〈たの研〉のア~ルが食事後に寝ている姿です、
食後は大抵こうです

ミキ「もしも、お母さんの言うことが正しかったら、ア~ルはもうすでに牛になっているんじゃないの?」

お母さん「・・・」
 「あ、でも猫はきっと大丈夫なのよ、人間は牛になるのよ」

ミキ「じゃあ、実験してみるね、おやすみなさい」

 こんな感じでたのしく賢く対話できるこどもたちが増えていくのも、本当の学力が見についてきたことになるのじゃないかと思います、みなさんはどう思いますか?

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たのしい〈動物生態学〉 昔話を読み解く/浦島太郎が助けたカメはオスかメスか?

 数年前メンバーで西表島を訪ね、〈たの研〉を応援してくれているYさんの船でいろいろ案内してもらったことがあります。その時にウミガメが予想していたより何十倍も速く泳ぐことに驚きました。

 その話をしていた時、友人が「亀といえば・・・」となぞなぞを出してくれました。

浦島太郎が助けたカメはオスかメスか?

というのです、みなさんはどう思いますか?
まず予想してみてください。

 

 オスでもメスでも成り立つお話なので、ぜんぜん気にしたことがなかったのですけど、答えを聞いて私も納得しました。

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予想してからね

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予想してからね

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お話〈ウミガメのオスは一生、水の中で過ごす〉

 海岸で卵がかえると海亀/ウミガメたちは海に向かってはっていき、そこで一生過ごします。

 ただし〈メス〉のカメだけは産卵のために陸に上がって来ます。

 つまり、浦島太郎が助けたカメは〈メスのカメ〉だというのが答えです。

 なるほど!

 すると浦島太郎がカメを助けたのは、海亀の産卵時期の研究から考えると5~8月だといえるわけですね。

 動物の生態はいろいろな研究がすすんでいますから、その視点で昔話を読んでいくと、新しい発見ができるかもしれません。何か見つけたら、〈たの研〉にも教えてくださいね。

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たのしいクイズ/たのしい教育メールマガジンから

 最新の〈たのしい教育メールマガジン〉に書いた記事にさっそく反響が届いています。真っ先に届いたのは〈授業の章〉で取り上げた内容でした、少し紹介しましょう。

 はじめの部分を  クイズ系はサッと利用できてもりあがるので、この章でも人気の一つです。「朝の会で一つずつ連続で出していて、とても喜ばれています。ぜひまたお願いします」という様なメールがよく届きます。
 さて雑学本を手にしたら、それが面白く、ついつい「ホントかなぁ」と調べてしまうほどでした。〈雑学本〉だということだからなのか、解説は短いわけではないのですけど妙に軽く感じたせいでもあります。

 今回はこの中からおもしろかったものをいくつか紹介します、私がくわえた解説、写真・動画を交えて紹介するとよいと思います。
 問題の出し方や選択肢も整理しておきます。

 学校や家庭で話題にしてみませんか。

1.シロクマの白い毛を刈ってしまうと何色?
  ア.白
  イ.黒
  ウ.肌色
  エ.その他

どうしてそう思いましたか?

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予想してからね
⬇︎
予想してからね
⬇︎

答 イ.黒

 そういわれても簡単には信じられないですよね。
 これは円山動物園のツイッターにあった写真です、検査のために毛を刈られたシロクマです。

 黒いんですよ、私も驚きました。

 その驚きは次の問題に続きます。

2.シロクマの毛は何色でしょう?

以下略

 たのしい教育メールマガジンは「教員採用二次試験」、長期休み等からの「リターンtoワーク」のテキストとしても利用することになりました。

 子ども達とたのしく仲良く過ごしたい、。知識面を超えて本当の賢さを求めている方たちにお勧めします。

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虹を追いかけてたのしもう②

前々回の続きです。
虹の色は孤の内側が青系、外側が赤系でした。
もう少し眺めてみましょう。
これは前々回と同じ時の写真です。

 よ~く眺めてください。
 何か気づいたことがありませんか?

 実は二重の虹になっているんです。

 目立つ虹の上に薄い虹がかかっています、確認してみてくれますか。

 視点を左側に寄せてみましょう。

 見えたでしょう。

 上側に視点を移しましょう。

 
 慣れてきたら、もう一度全体を眺めてみますよ、二重の虹が見えていますね。

  さて色に注目してみましょう。

 薄くて確認し辛いかもしれません、でも上の虹は内側が赤系、外側が青系です。
 逆になって見えています。さっきの写真をもう一度ご覧ください。

 めだつ虹を主虹(しゅこう)、薄い虹を副虹(ふくこう)と呼んだりするのですけど、そういうことは大した問題ではありませんし、それを知っているからどうだというものでもありません。

 それよりも実は「虹をみつけた時にはたいていもう一つのうすい虹が見えている」ということの方がずっと大切な知識だと思います。

そして
「今度出る虹も同じ色の並びかな」
「いつでもダブルの虹が見えるのかな?」
「薄い虹がめだつ虹と同じ様な色の並びになることもあるのかな?」
そうやっていろいろな予想を立てていくことでたのしく賢くなっていきます。

「そういうことは、いちいち実物を見なくても、インターネットで調べればいいんだよ」と考える人がいるかもしれません、先生たちの中にもいるかもしれませんね。でも、海岸に行ってみごとに染まった夕焼けを眺めて感動するのと、インターネットをみて夕陽ってこういうものなんだ、確かにきれいだな、と感じるのと、どちらが幸せなのか、どちらが心動くことなのか、それは自ずと答えがでると思います。

 虹の話は、また機会があれば書きましょう。

 ではまた明日。

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