ヨシタケシンスケ「それしかないわけ ないでしょう」/賢さとは〈別な選択肢〉を思いつくことができること

 ヨシタケシンスケさんの作品に「それしかないわけ ないでしょう」という絵本があります。大好きな絵本の一つです。

 

 ある日お兄ちゃんが学校で「これからの未来は大変なんだ」と聞かされて戻ります。
 そして妹にこう語ります・・・

 

 妹の機転がみごとです。

 

そうやって、いろいろな選択肢を考えていくのです。

 人参が嫌いな子は、この先もずーっと残すしかないのか?

 この靴はもう小さくて履けないから、捨てるしかないのか?

 かしこさというのは本質的に「いろいろな選択肢を考えくことができる」という側面を持っています。
 いろいろな問題や課題に直面して「これしかない」と追い詰められるのではなく「こういう方法がある」「いや、他にもこういう方法がある」という様に選択肢を考えつくことができる、そういう子どもたち、そして先生たちを育てていきたいと考えています。

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たのしい教育の発想法/板倉聖宣「オイル(油)の語源はオリーブ」という話

 たのしい教育メールマガジンを配信するとすぐにいろいろな反響が届きます。その反響を元にして、その一部を公式サイトでも紹介することがあります。するとまた反響が届くという様に、うれしい連鎖が続きます。

 今回は最新メルマガの〈発想法の章〉に書いた「オイルの語源はオリーブ」という話を少し紹介しましょう。私がたくさん学ばせてもらった、そして今でもその講演資料などを中心にたくさん学ばせて頂いている板倉聖宣の語った内容からです。

 古代ギリシャの歴史を詳しく調べると、たいがいの本には「古代ギリシャの特産物は何か?」というのが書いてあります。
 たくさん外国に輸出したものはブドウ酒とオリーブと焼物です。でも、焼物とかブドウ酒では世界大国にはならないですね。
 問題なのはオリーブなのです。

 私は若い時から「ギリシャの特産物はオリーブだ」ということは知っていたのですが、オリーブがあると世界大国になるのでしょうか?
 青森県はリンゴ県ですし、和歌山県なんかはミカン県です。
 リンゴやミカンをたくさん輸出すると世界の大国になれるのか?
 まさか。
 ミカンやリンゴではダメですね。

 「じゃあ、オリーブもダメじゃあないかなあ?」と思っていたのです。

 

 今でもギリシャの一番重要な輸出物はオリーブです。
 オリーブは食用にビン詰で売っていたりして高いのですが、まずくはないけどもおいしくもない。
 実を食べることより〈オリーブ油〉が重要なのです。

 英語でオイルというのは、もともとはオリーブと同意語なのです(ハァー!)。
 古代ギリシャ時代にオリーブという特殊な油があったのではなくて、油といえばオリーブ油に決まっていて、他の油はほんの少ししかなかったのです。
 だから油といえばオリーブなのです。

 今でもギリシャはオリーブが特産物です。
 一番たくさん作っているのはスペインで、二番目がイタリアです。
 だからイタリア料理にはオリーブをたくさん使っています。第三番目がギリシャです。
 しかし人口一人当たりだとダントツに多いのはギリシャです。
 ギリシャはで今でもオリーブ大国なのです。
 たくさん作りながらも輸出できないぐらいすごく使っているのです。

 

 ところで「オリーブ油は何に使うのだろう?」ということが気になります。
 今オリーブ油はほとんど食用ですね。でも本来のオリーブ油は灯火、明かりに使ったのです。

 考えてみてください、たき火なんかすれば少しは明るいのだけど、うんと明るくはない。
 ローソクがあれば明るくはなるけど、ローソクよりもオリーブ油の方が安いし長く燃やせるのです。
 ですからオリーブ油があるということで、始めて人類の社会が明るくなったのです。
 〈暗い〉と〈明るい〉とでは〈明るい〉方が文化的でしょう。
 オリーブ油を使うようになってから明るい時代が始まったのです。
 ギリシャは不毛の地ですから、その明かりに使うオリーブ油をたくさん輸出して、不足している穀物を輸入したのです。

続く

 科学史の研究者であった板倉聖宣は〈本当に学ぶ価値のあるものは何か? それを研究して子ども達に提供する〉という仕事をしていました。
 このオリーブの研究もその一つです。

 たのしい教育研究所(RIDE)にはその財産がたくさんあります。
 いろいろな方達に学んでもらえる様にと、地道ですけど確かな活動を推進しています。
 興味のある方は講座等にお申し込みください。

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身体を動かすたのしい教育/スポーツたのcafeの開催決定・参加者募集!

 昨年に引き続き、たのしい教育スペシャル版〈スポーツたのcafe〉の開催が決まりました。事務局から届いた案内とリーフを添付します。
「日頃あまり語るチャンスがない親子の触れ合いのたのしい時間になりました」「いっぱいのたのしい教材で、学校でもすぐに利用できます」という反響がたくさんあった講座です。ご希望の方はお申込みください。

※※※※

たのしい教育研究所より ご案内を差し上げます

 秋の日々、たのしくお過ごしのことと思います。

 たのしい教育研究所のスタッフも、所長のいっきゅう(喜友名一)先生を先頭にたのしく活動しています。
 その活動の一つ、月一度の〈たのしい教育cafe/たのcafe〉では、若い先生の活躍場面も増え、たのしい外国語・たのしい道徳など、新しいスタイルの授業がいくつも提案されています。いつもはRIDE第三研究所で、気軽に参加できるミニ講座として毎月最終週の水曜日18:30~21:30に実施していますが、学期一回は〈スペシャル講座〉として人数の枠を広げ、大人も子どもも一緒に参加できる内容を提供しています。
 二学期のスペシャルたのcafeは《スポーツたのcafe》です。

 親子で身体を動かしてたのしみたいという皆さんにも満足して頂けますし、体育、学年行事などをもっと工夫して、体育の苦手な子も運動に親しんでくれる様な内容にしたいと考えている先生、それから地域や職場などでアクティブなたのしみを取り入れようと考えている皆さんにも喜んでいただける講座です。

 この写真は昨年実施した〈スポーツ色かるた〉の様子で、大人も子どもも一緒にたのしむことができます。おかげさまで、いろいろな学校で実施され、たくさんの子ども達がたのしんでくれています。


 汗を流す系のスポーツだけでなく、インクルーシブ体育の視点で、身体を動かすことが苦手な子やハンディーのある子も一緒にたのしめる内容も準備しています。

 毎回たくさんの希望が届きますが、内容の充実をはかるため、今回も募集人数は普通学級1クラス程度となります、ご了承ください。
 身体を動かすのに適した今日この頃、一緒にたのしい時間を過ごしませんか、皆さんと会場でお会いできることを、たのしみにしております。

 リーフを添付しました。
 身近な方達もお誘いいだければ幸いです。
 では2019年の残りも充実した日々をお過ごしください。

たのしい教育研究所(RIDE)スタッフ一同

 日時など見えづらいかもしれませんから拡大しておきます。

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ミックスされることで進化する

 前回の〈沖縄のミックス文化のすばらしさ〉の話を書きながら、師の板倉聖宣が語った話を思い出していました。
 板倉聖宣は歴史の中で物事の流れを読み解いていくことがとても得意です。実はもともと科学史の専門家なのです。

 古代原子論が広がっていくことについて、この様に話しています。

 普通に考えるよりも,日本人は外国から早く知識を入れています。
 例えば「古代原子論」です。
 古代の原子論は仏教を通じて日本に入って参りました。
「空」という概念です。

 古代ギリシャのものが,インドのものになり、それが仏教の世界に入って「空」の世界となった。
 古代インド人はギリシャ人よりもさらに「空」の概念が好きです。

 古代ギリシャ人は〈真空〉という概念だけであきらめましたけれども,古代インドの仏教哲学者たちは「〈空〉っていのはおもしろい。〈空〉というのは悟りがいがある」ということで,古代のお坊さんたちは空海なんて名前を付けたり,吾空という名前を付けたりしたのです。

 古代のインド人は,空という概念が好きだから,これを元に算用数字ができたんですね。
 「0」の記号ができた。
 仏教思想の空の概念と無の概念、そういうものを扱うようになった。
 世界の文化は行ったり来たりしているのです。

 古代の原子論も、近代になって入って来た,あるいは,せいぜい蘭学と一緒に来たという様な気がするけれども,古く、仏教とともに入っている。

 ちょっと,信じがたいくらいにいろんな文化は交流して来ているのです。

 世界史というのは最近に始まったことではなくてうんと古いのですね。
 それで,世界の文化は広がってきたんです。

1994年6月11日大阪

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