伊波善勇先生の植物線画|どんぐり/ドングリ

 沖縄でも季節はしっかりと秋に変わりました。
 一年で最も好きな季節です。

 ふと伊波善勇先生と山に入ったことを思い出しています。
 今日は伊波先生について紹介させていただきます。

 たのしい教育研究所はおかげさまで、いろいろな方達に応援していただいていますが、その中の一人が伊波善勇先生です。
 正確な歳は語ってくれませんし、調べればわかるとおもいつつ、調べたことはありません。「まだまだ若い」が口癖ですが80歳は超えていると思います。

 沖縄の植物研究の泰斗で、野菜から果物、野生の植物まで、植物に関することならどんな質問にも答えてくれる方で、もっと評価されてよい人物だと思います。

 どんぐりのことを質問したくて、伊波先生のところにご挨拶に伺うと
「キミ達はとてもいい活動をしているねぇ」
と、たくましい声で語りかけてくれたのが印象深く、以来、いろいろなことを教えていただいています。

 お年は召していますが、凛々しく、しかも実践派で、一緒に山に登り、案内してくれることもしばしばです。
 どんぐりだけでなく、桜の季節には名護まで一緒に行き、いろいろお話していただきました。

 

 伊波先生は線画で植物の特徴を表現することをモットーにしています。
 「写真ではわからないのだよ」と語っています。

 きっと、たくさんの情報が入り乱れすぎるということなのでしょう。

 確かに、色彩情報は写真に負けますが、その特徴を線でピュアに表現する線画は、別な個体との違いを知りたい時にはとても近道です。

 沖縄の植物を深く愛し研究してきた人物が、それを、素人のわれわれに丁寧に伝える様に描いてくれているわけですから、とても貴重な文献です。

 少しみなさんにも味わっていただきたいので、伊波先生から頂いた貴重な本から2点紹介します。

 かなり厚みのある本で、これまで何度も開いていますが、そのたびに、感心してしまいます。合併して今は消えてしまった「石川市」の教育委員会の依頼で作成された本です。

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「沖縄にどんぐりはない」と思っている人もたくさんいるのですが、実は沖縄にはどんぐりがたくさんあります。

 しかも日本最大のどんぐりは沖縄に生育しています。
 以前、研究所でどんぐりを育てる活動を推進していて、伊波先生にもたくさん指導していただきました。

 伊波先生が描いた沖縄のどんぐりのスケッチです。
 ほぼ実物大でスケッチされています。
 葉っぱの特徴、実の形や筋の特徴など、他の個体との違いがはっきりわかると思うのですけど、いかがでしょうか?

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 ぜひ次回は、いろいろな方達にも参加してもらって、「沖縄の植物の魅力」についてお話しを伺いたいと思っています。
 少し仕事が落ち着いたら、また一緒に山に散歩に行けたらと思っています。

 

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予想を立てる重要さについて|予想論|板倉聖宣

「予想論|全ての科学は古代ギリシャに通ず」に対する問い合わせが続いています。

わたしの メールマガジン で詳しく紹介したと書きましたが、その中から少しピックアップしてみましょう。

「予想論」を読みながら、わたしがマーカーをつけた部分を書きぬいたものです。

まず「どうして予想することが重要なのか」という部分についてです。

私きゆなが、文意を変えない範囲で、読みやすく、少しだけ〈まとめ符〉他、手を加えてあります

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◯ほとんどすべての人々は、自分自身で、いろいろな経験を思いつくままに生かして予想を立てているだけなのである。これでは,私達の予想の立て方は、なかなか合理的なものとはならない。どうしても予想の立てかたを系統的にまとめて考えておくことが必要なのである。

◯「幽霊の正体見たり枯尾花」というのは,枯尾花がユラユラ動いて月光か何かで気味悪そうに見えたのを,直ちに幽霊にしてしまうような,対象と自分の両方に誤りに陥る要素があるのを戒めているのであろう。(それは)予想を立てる以前のごく基礎的で常識的な注意にすぎないが,少なくとも重要な判断をするような場合,これだけの注意をはらって,いつもすっきりした事実をもとに判断するように意識的に努力し、あやふやな事実は十分検討するようにしたら,どんなに見通しのあやまりを少なくするか知れない

◯デマ宣伝はこういう間隙をぬって入ってくる。デマというのは意識的に本当をよそおってなされるものであるから,余程注意しないとワナにひっかかってしまう。予想を立てるとき一番大切なのはこういうワナにひっかからないことなのである

板倉聖宣(仮説実験授業研究会代表/日本科学史学会の会長)
「科学と方法」季節社 より

タマゴにーちゃん 研究

以前の研究所の講座ではよく取り上げていた
「タマゴにーちゃん」というものづくり教材があります。

まるで生きている様に動くので大好評です。

その後「ほたって君」というものづくりに進化していきました。

ほたって君⇨ ここ
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ところが、初期バージョンを久しぶりに試したくなって、先週のサイエンス教室で取り上げてみました。

すると予想以上に好評で、200人以上の参加者が「うわ〜」という歓声をあげて大いに盛り上がりました。

来週も小学校に呼ばれていて、1年生から6年生まで全員に一斉授業することになっています。ラストに「タマゴにーちゃん」を取り上げようと思います。

現在、スタッフが材料の大きさなどを工夫していろいろ実験してくれています。

よりブラッシュアップした内容でたのしんでもらえると思います。

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沖縄から全国へ 世界へ
たのしい教育のエキスパート集団
「たのしい教育研究所」です

予想論|すべての科学は古代ギリシャに通ず!

1日の閲覧数が1000件を超える勢いに驚いています。

小さな「たのしい教育研究所」の活動がじわじわと浸透してきている事を素直に喜びたいと思います。

さて、閲覧してくれる方達が増えてくることと比例して、感想や質問もいろいろ届きます。

昨日の記事「エノコログサを食べようと思います」に書いたヘラクレイトスの言葉について教えてもらいたいという方が複数いましたので、出展を掲載します。

ヘラクレイトスは紀元前5世紀あたりの人物で、わたしが常々
「すべての科学は古代ギリシャに通ず」
と語っている、その古代ギリシャで活躍した人です。

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わたしはその言葉を、板倉聖宣「科学と方法-科学的認識の成立条件-」中の「予想論」で知りました。

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板倉聖宣「科学と方法-科学的認識の成立条件-」季節社 1969 から

 

この「科学と方法」は名著ですが、残念ながらもう出版されていません。

古本として手に入れることになるかと思います。

たのしい教育研究所を応援してくださる方達向けのメールマガジンで以前詳しく紹介したのですけど、まさに科学的認識の原点だと思います。

メールマガジンでは今では手に入らない重要な資料も積極的に紹介しています。
興味のある方、たのしい教育活動を応援してくださる方はぜひお申込みください。

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