私いっきゅうは夏休みの自由研究で、祖父が得意気に教えてくれたススキの箒(ほうき)を提出したことがあります。いつも学校で利用している市販のホウキと比べると丈は小さいけれど、隙間に詰まったホコリやゴミもサッと除いてくれる優れものでした。
こんな感じのホウキです、これほどカールしてはなかったけど⇩
子どもの頃からものづくり系は好きだったのに、作業そのものがたのしい経験だった記憶はありません。祖父は「使うものをお店で買うんじゃなくて、昔はこうやって自分でつくっていたんだ」と言いながら、ほぼ全ての工程を自分ですすめてしまって、私は不ぞろいのススキの穂をカットするくらいだったので、楽だったのだけれど、
それでもしっかり記憶に残っているのは、その時、一本ずつはひ弱でも二、三十本束ねると、折れないくらい丈夫になることに驚いたからだと思います。そして「野山にこんなにたくさんあるススキをホウキにするだけというのはもったいないことだ」と感じたことも大きいと思います。
そのことが何十年の時を経て解決しました。
ススキにはある重要な利用法があったんです。
私が無知だっただけで、たいていの人は知っている、ということもあるかもしれません。
まず質問。
その昔、ススキは何に利用していたと思いますか?
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ススキの重要な利用法
ススキはイネ・ファミリー(科)です、米や麦などもイネ・ファミリーです。
ほとんどのイネ・ファミリーの茎はストローのような中空構造です。
表面は木目ががびっしりつまっていて、プスチックのようにツルツルになっています。
そういう性質を利用して屋根の素材に利用していました。
「カヤ(茅)ぶき屋根」という言葉を聞いたことがありませんか、その「かや:茅」というのは〈いね科の植物チガヤ・ススキなどの総称〉です。
高床式住居も茅(かや)の屋根だと説明されています、だいぶ昔から使われてきたわけです。https://kids-kouko.com/housing/
日本の白川郷・五箇山など合掌造りの古い住居も茅ぶき屋根です。https://machiyane-kagoshima.com/column/2019-12-25.html
ススキは人間の住居の歴史の中で重要な役割りを果たしていたわけです、なるほど・・・
こういうことも自由研究の一つです。自由研究で長年の謎が解け続けている日々です。
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