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たのしさの意義- 考えてみましょう①

 たのしい教育研究所を設立して10年目に入りました、おかげさまで着実に活動は前に前にとすすんでいます。とはいえ学校教育という伝統あるシステムは巨大ですから、まだまだ力を入れて進んでいく必要があります。
 学校の中で調子よく過ごしている人は別にして、古いシステムを残す学校は、こども達にとっても保護者にとっても大きな壁に見えることがあるでしょう。

 こういう普通に目にする教室でのワンシーンも長い歴史と巨大なシステムの下で繰り広げられていると言ってよいでしょう。

 〈たの研〉には学校の中で苦しんでいる方たちからの相談もいろいろ届きます。
 そのシステムの中にいる教師にとっても同じです、先日も早期退職しようかという真剣な相談が来ました。
 こども達にとっても保護者の方たちにとっても教師にとっても、笑顔で夢を語ることができるのが〈たのしい教育〉です。

 人間が論理的に「これが正しい」と考えたり、伝えられたりしても、それは苦しくイヤなことである場合があります。

 ここで少し立ち止まって考えてみましょう。

〈苦しい〉とか〈イヤだ〉とか感覚、逆の〈たのしい〉〈もっともっと〉という感覚は、論理的・思考時なものではありません、私たち人間の心の奥の方から湧き出てくるものです。

〈論理的な思考〉と〈自分の感覚〉のどちらに従ったほうがよいのでしょう?

 論理的な思考でしょうか?

 もし論理的に考えていくことでよりよい結果が訪れるとしたら、教育界が大量の人材と予算を投じて思考を重ね構築してきている現在のシステムの下で主人公のこども達がどんどん離れていく状況をどうみたらよいのでしょう?

 よりよくなって来た・成功しているといってよいのでしょうか?

 もし今の状況がより良い状況だとしたら、教育は誰のためのものなのかわからなくなります。

 では感覚に従ったらよいのでしょうか?

 人間の感覚も間違うことがあります、「たのしければ何でもいい」なんていったら、それぞれの人たちの楽しさが相反するときにはどうすればよいのでしょう。
 ボクは小学生だけど車の運転が楽しいから運転させといわれても困ります。

 これをどう考えたら良いのでしょう?

 みなさんはどう考えますか。

 先に進む前に、ここで立ち止まって考えてみてほしいのです。

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