賢くなるには〈予想チャレンジ/仮説実験〉しかないと、たくさんの人たちに語り続けてきました。その〈予想チャレンジ/仮説実験〉が難しいものを思考実験つまり脳内でシミュレーションしてみるのも、とてもたのしいですよ。
20世紀最大の頭脳と称されるアインシュタインは思考実験で相対性理論にたどりつきました。
アインシュタインは自分が光と同じ速度で飛ぶことを想像し「その光を横から見たらどう見えるのか? 同じスピードで飛ぶのだから止まって見えるはずだ」と考えました。
ところがそれはマクスウェルが確立した電磁気学(マクスウェル方程式)と矛盾してしまいます。光波は空間を伝播する波動なので静止することは理論上あり得ないからです。
この矛盾を解決するため、アインシュタインは時間や空間の性質そのものを再考する必要があると気づき、相対性理論を発表することなったのです。
相対性理論は、時間や空間の考え方を根本から変えてしまいました。
アインシュタインの思考実験で予想された〈重力は空間を歪めてしまう〉という現象はその後イギリスの観測隊が天文観測の中で実証しました。そうやって宇宙探査の世界を開き、量子力学が生まれ、私たちのカーナビや通信技術、原子力の制御にも欠かせないものになっています。
難しいけど興味がある、という方は、ぜひ自分でいろいろ学んでいってください。
※
さて私たちも思考実験をたのしんでみましょう。
〈たの研/たのしい教育研究所〉に来てくたれ先生が最近『最近風邪をひいたけど、家族にうつしたら治った』と話していました。〈風邪は誰かにうつしたら治る〉という話は私も何度か聞いたことがあります。
それは本当のことでしょうか?
その先生1人の実験によると正しいことになります。
みなさんはどう思いますか?
それを聞いた誰かが「では私も試してみよう、おや、確かにうつしたら治った」となったら、そのはなしは本当のことになるのでしょうか?
たとえば世界に人間が3名しかいなかったとしましょう、ABCさんとします。
Aさんが風邪をひいてしまいました。
AさんはBさんに風邪をうつして治った、めでたしめでたし。
BさんはCさんに風邪をうつして治った、めでたしめでたし。
CさんはAさんに風邪をうつして治った、めでたしめでたし。
AさんはBさんだけでなくCさんにもうつしてしまい、治っためでたしめでたし・・・
この現象はずっと続いていき、風邪の蔓延(まんえん)は永遠に続くことになります。
さらに続いて何度も風邪をひき続けていくと身体も弱ってしまいます。
BCさんの体力が尽き、残ったAさんはひいた風邪をうつす相手がいなくなり、体力が尽きる・・・
ぜんぜんめでたくない。
「風邪をうつしたら治る」という法則は成り立たないだろうと思えてきませんか?
※
みなさんも思考実験をたのしんでみませんか。
〔問題1〕
「これを買って使うとお金持ちになる」と宣伝されているサイフがあります。
本当にそれを使うと金持ちになるのでしょうか?
〔問題2〕
走っているトラックから人間が飛び降りると、ピタッと静止直立できませんよね。では前周りしながら転がるのか、後ろ周りしながら転がるのか?
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