楽しい国語-にんげんぴかぴか〈子ども詩2〉川崎洋編 中公新書から

 先日書いた《「にんげんぴかぴか」こどもの詩2》の中から、また二つの詩を紹介させてください。

二十年後の自分へ
           遠藤洋希(茨城・小2)
ちゃんと生きているかい?
車はかったかい?
ちゃんとすごしている?
しごともしてる?
おかねは ある?
生きているんならいいんだよ
もうマミーと はなれた?

川崎さんの短評

マミーはままのこと。この詩、アルバムの写真と一緒にとっておくことをすすめます。

小学二年生の20年後って夢がありますね。
普段の生活の中で仕事とか、車とか、お金とか頭に浮かぶかもしれませんね。
「ちゃんと生きているかい?」「生きているんならいいんだよ」って、言葉に、思わず作者の学年を見直してしまいました。
 小学校2年生ですよね。
 なんだか生きていることが素晴らしいんだよって言ってくれているようでホッとします。
「もうマミーと はなれた?」
親子関係が目に浮かんでくるようですね。

私の20年後はどうなのでしょう。
やっぱり、20年後は長いので「二年後の自分へ」と考えてみました。
考えるだけで自分の今後の動きを意識するようになるんですね。
おすすめです

 9.11
         矢沢拓也(新潟・中1)
9.11は僕の誕生日だ
でも、2年前から
米同時多発テロの日になった
僕にとってうれしい日が
テロや報復の日なのは悲しい
9.11は 世界中の人たちが
平和を考える日になってほしい

川崎さんの短評

何度も読み返しました。

戦争を続けている国があります。
最近もまた戦争状態になっている国があります。
誕生日の9.11が悲しい出来事の日となってしまったのだけれど、そういう中で平和を願う気持ちが伝わってきます。
悲しい日ではなくて、笑顔の溢れる日々になってほしいです。

 国語の時間や、家族団欒の時間に、こういう詩を紹介することができるとよいですよね。

 いっきゅう先生が、たのしい教育を学びにきている先生たちに「短い言葉が詩なのではありません、感動がグッと詰まったものが詩なんです」と語っていました。
 みなさんの好きな詩があったら、ぜひおしえてほしいです。

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たのしいブックレビュー 川崎洋 編 こどもの歌2『にんげんぴかぴか」- 楽しい本の世界

〈たの研〉の読み語りリーダー〈なの〉です、とても久しぶりに公式サイトを担当させていただくことになりました。たのしみです。今回はとっておきの本〈 川崎洋 編『にんげんぴかぴか』こどもの詩2  中公新書〉を紹介させていただきます。

帯に〈感性豊かな「こどもの世界」と詩人の温かい眼差しが奏でる最後のハーモニー
〉、裏表紙には〈誰もが持っていたけれど、忘れてしまった「こどもの心」。意外な発見に笑みがこぼれたり、思わずほろりとさせられたり。故・川崎洋が読売新聞で選び続けた「こどもの詩」最後の136編〉とあります。

川崎さんは亡くなる直前まで年間3000通ほど寄せられる作品全てに目を通し感性豊かな詩を紹介し続けました。
一編一編に川崎さんの温かい短評が添えられています。

本をパラパラとページをめくっていると
「あさひ」という2行の短い詩に目が止まりました、子どものつぶやきを、親・大人が書き取ったものです。

あさひ
          田口千裕 (東京 2歳)
おはよう たいよう
いっぱいねた?

私は思わず「おーーーー」と小さな声を上げてしまいました。
すてきすぎます。

行ってきます
      永井望月 (栃木 5歳)    
ママ
えほんのなかに
いってきます

川崎さんの短評には

読み終わり「ただいま、楽しかったよ」と言い、ママも「おかえり」と言った

と書かれていました、眼に浮かぶようです。
こども時代はあっという間にすぎていきます。
絵本の中で親子の素敵なひと時を過ごすってステキです。

ママ
         田中大輔 (福島・3歳)
あのねママ
ボクどうして生まれてきたのかしってる?
ボクね ママにあいたくて
生まれてきたんだよ

この詩を読むと胸が熱くなってきました。
この詩を見せたい人がいます。きっと喜んでくれると思います。

今回は就学前のお子さんの詩を紹介させてもらいました、もちろん小学生の詩も中学生の詩も載っていますから、今度また紹介できればと思います。

この詩を読みながら私の子が小さい時にいっていたのを思い出しました。

夜、私が運転する車に乗っていた子が左右から道路を照らす街灯が輝いているところをみて

「わ~、ひかりのトンネルみた〜い!」

一緒に「ほんとだー すごいねー」と、とても感動したのを覚えています。とても前のことですけど、今でもあの時の心のふるえを思い出すことができます。

 子どもたちは詩人です。

 いつまでも周りの子どもたちのつぶやきに感動できる大人でありたいです。

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楽しい授業論・楽しい研究論:ロックバランス-研究進む/楽しさ論 教師も自分の可能性をたのしく伸ばして実験する

 真理へは論争ではなく〈仮説・実験/予想・実験〉の過程によってのみ至る! 前回の板倉聖宣の脚気に関わる話の前に私が問いかけた質問の答えです。それは、飾りとしての言葉ではなく、実際にたのしい教育研究所が創り出す〈たのしい教育プログラム〉にも生きています。
 たのしい教育プログラムは「こうすればたのしく賢く学ぶことができるプログラムになる」という考えだけで完成するのではありません、その後でいろいろな人たちが試して、実験的に「確かにそうなる」という過程を経て完成します。

 最近たくさんの人たちが試してくれている「ロックバランス」は〈予想⇨実験〉の過程を経て、もうすぐ完成するプログラムです。

「え、こういうのは教科書にないのに、学校でやっていいの?」という声は聞いたことがありませんけど、もしかすると心の何処かに思い浮かべている人がいるかもしれません。
 学校教育というのは〈一人ひとりの子どもたちの可能性を伸ばしていく場所〉です。
 苦しく嫌な想いを抱きながら可能性を伸ばすことができるでしょうか?

 無理です。

 例えば私いっきゅうは小学生の頃、書道で毎回というほど表彰されてきました、ところがそれを指導した先生の苦しい嫌な感じがあって、墨の匂いかぐのもイヤになってしまいました。嫌なものは使わないのです、そんなものは可能性でもなんでもありません。

 可能性を伸ばすというなら〈たのしさ〉は必須です。

 そしてそういう場では教師自身もいろいろな可能性を伸ばしていく必要があります。「はい今日は教科書◯ページの右側からですね、まず漢字の書き順からやりますよ」というパターンが連日続くとしたら、子どもたちにとっても教師自身にとっても苦しいものとなるでしょう。

 週に一回程度からスタートして「ねぇねぇ、先生最近、こんなたのしいものを発見したんだけどね、ロックバランスっていって、絶妙なのに結構簡単なのよ。今日の図工のクロッキーの授業は、まず10分くらいロックバランスをたのしんでから、それを描くことにしましょう´ー`) 」
という様な授業ができる先生たちが増えていくと、間違いなく学校は魅力的な処になっていくと思います。

 前書きが長くなりました、興味のある方は気軽にたのしい教育研究所に「どんな教材がありますか」と問い合わせてください。

 「ロックバランシング」という本も出ていますから、二番煎じだと考える人たちもいるでしょう、違います。
・それが教育の場で利用できるのか
・どういう教材素材を利用するか
・利用素材は身近な処で安価に手に入れることができるのか
・子どもたちはどの程度喜んでくれるのか
・時間制限を加えた方がよいのかどうか
・危険度はどうか
・どの様な語りかけで導入したらよいか
 etc.

 いろいろなことを研究していって〈たの研〉の教材になるのです、本の真似ではなく本から出発して教材化するのです。

 現在は、いろいろな先生たちが学校で子どもたちに試してもらっています。
 その喜んでくれている顔がたくさん届きました、メルマガでも紹介しようと思っているのですけど、2~3枚先にこのサイトに載せましょう。
 たのしい教育研究所の個人情報保護規定によって表情を見てもらうわけにはいかないのが残念ですけど、どの子も満面の笑みをたたえています。

  まず子どもたちは〈大きな石⇨小さな石〉の積み重ねをたのしむ様だということもハッキリしました。

 そこで下の写真の様な〈絶妙バランス〉の積み重ねを、どれくらいのタイミングで提示していくかについて研究中です、これができたら講座などで広くいろいろな先生たちに紹介したいと思います。

 

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板倉聖宣の発想〈森鴎外〉と〈脚気〉と〈論争で真理は決まらない〉ということ/たのしいブックレビュー「模倣の時代(板倉聖宣著)」

〈たのしい教育メールマガジン〉に書いて反響がいくつも届いた記事を紹介します、板倉聖宣(仮説実験授業研究会初代代表、元文科省教育研究所室長)が著した大河小説「模倣の時代」に絡めて、脚気と森鴎外の関係をもとに真理を追求する方法について語った内容です。《論争で真理を決めてはいけない》という迫力ある話です。では何で真理を決めたらいいのか?
 読者の皆さんはどう思いますか?

 私の書籍解説が気に入ったという方もいたので、まず私のブックレビューから引用します。

いっきゅう
「模倣の時代(上下)」 
 板倉聖宣執筆の小説
明治以後、日本は欧米を徹底的に模倣し発展してきた。
しかし日本特有の病気である〈脚気〉は欧米に例がなく、日本人が創造性を発揮して解決しなければならない大きな課題であった。
ドイツのコッホから最新の細菌学を学んだ森鴎外は「脚気は〈脚気菌〉によって起こる感染症である」という予想をたてたが結果的にそれは間違っていた。
一方、堀内利国らは「栄養素が不足して起こる」という予想を立て、実験的に「麦飯を食べることによって脚気が予防できる」と明らかにした。
かなり時を経てから〈脚気はビタミンB1欠乏症だ〉と解明され、堀内利国らの研究の原理的な正しさがはっきりしたが、森鴎外を中心とする東大医学部系の医学者たちは、それらを無視し反撃を開始する。
 当時、森鴎外は陸軍軍医のトップであり、その間違った医療方針の結果、日露戦争ではロシア軍との戦いによる死者数より脚気によって死亡した兵士の数が上回った。
 明治期の医療史をテーマに、模倣と想像のダイナミックな歴史を描いた快作。

 追記:日露戦争時の戦死者⇨日露戦争の陸軍の脚気患者は25万人、うち2万8千人が死亡。 戦死者の総数は4万7千人であるから、銃弾の犠牲者を越えている。
https://www.city.shirakawa.fukushima.jp/page/page005750.html

板倉聖宣

 WOWOWの番組で、そのことに関連して語ることになるのですけど、メルマガでは、明治の前、江戸時代、脚気の治療に正しい予想を立てた人がいたか、という話から始まります。全文ではなく、メルマガの一部のみの紹介になります、ご了承ください。

 1740年に脚気の治療に関わる論文があって、大阪と江戸で「脚気は恐い病気じゃない」という感じになった。 ※いっきゅう補足:明治は1868年なので約130年前前のこと
 それでもダメなんです。

 将軍が脚気になって死んじゃうしね。

 それがまたここで堀内利国の監獄の問題をきっかけに復活したんです。

 天皇まで支持したんです。

 それでもまた日本全体としてはダメでした。

 森鷗外が「自分が責任を負わない」ということでがんばったんですよ。恐ろしいのは「科学者は信用できない」ということです。科学者は半分は官僚なんだよ。官僚だから責任を取らないんだ。そういう科学者を信用する政治家がたくさんいる、これは恐いね。
 たとえば「臨時脚気病調査会」では、脚気の問題で一番責任のある森鷗外を会長にしちゃうんだからね。責任を取らせようと思ったら飛ばせばいいんだね。責任を取らせる人を会長にしたら、
責任を取らないように工作するわけだ。「科学者は客観的に研究するだろう」と思うから、そういう人を平気で会長にするでしょ。
 その当時の総理大臣や、陸軍大臣とか天皇とかがそういう連中に責任を取らせようとするけども、その連中はごまかす。だから「科学者は信用してはいけない」というんだ。
「真理は実験で決まる」ということをはっきりしなきゃいけない。

 論争で決めるようなやり方、つまり多数決で真理を決めるようなやり方をしてはいけないんです。

 

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