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たのしい教育の発想法/板倉発想法入門〈わからないけど楽しい〉〈わかるから楽しい〉

 板倉先生の発想法たのしい教育メールマガジンに書いた内容を少し紹介しましょう。これまで、板倉先生の講演などをいろいろ読んできた方たちにも、私の問題意識をもとに書いていくスタイルを、とても喜んでくれます。

 今回は〈わからないけど楽しい〉という授業と〈わかって楽しい〉という授業についての話でした。メルマガの一部なのですけど、伝わるように書きましょう。

 板倉先生の話は「板倉式発想法講座1994.05」で語った内容です、盟友いらはさんが仮説の会で持ってきてくれた資料(仮説実験授業研究会ニュース)からです。

いっきゅう

 学ぶ中で「わからないけどたのしい」ということがあります、たとえば「え、何? どういうわけ? おもしろいね!」というように。
〈水50ml〉に〈無水アルコール50ml/高純度アルコール〉を加える。当然〈100ml〉になりますよね、だって足し算なんだから。
 でも実際はそうならないんです。
 何度測っても〈96ml〉とか〈97ml〉、これは意味不明だけどおもしろい。
 この「わからない」を強調する先生もいて、何人も知っています。
「お~、すごい」
「どうしてそうなるの?」
 すると、その説明がすごくわかりにくい、つまり自分自身もうまく理解しないまま実験だけ見せて「どうだ、おもしろいだろ~」といっているわけです。
 私は「腑に落ちる」というのが大事だと思っているので、あまりそういうよくわからないシリーズには関わりたくないわけです。
 かなり前の話で、どちらがより大切なのか、どちらも同じくらい大切なのか、板倉先生の話でうまく整理ができて、それが〈たの研版授業書〉に活きています。

板倉

 仮説実験授業では普通の教科書と違って〈みんなが間違えるような問題〉を出します。
 でも実験をして結果が出るわけでしょ。
 つまり仮説実験授業の授業書は実験によって答えがわかり、しかも子どもたちが知りたいと思う問題だけを出しているんです。
〈永遠に分からない問題〉を出したりしません。
 だから、たのしいんです。
 そして、一つひとつの問題で答えがわかるだけでなくて体系的にわかる。
 つまり、ただまぐれ当たりでなくて、仮説が理論になる。
 ですから、わからないたのしさというものを大切にしながら、やはり基本的には〈わかるたのしさ〉があって初めてたのしい授業になります。

 腑に落ちるようにわかる、たのしむ、それが〈たの研〉の授業プログラム=「たの研版授業書」の基本になっています。

 秋の講座で発表した「音のひみつ」がその最新版です、いずれ電子出版で提供できるようにしたいと考えています。 おたのしみに。

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