たのしいし島言葉:甘藷(カンショ)・琉球イモ・薩摩芋(サツマイモ)

 沖縄料理は全国的にも人気があって、いろいろなところに琉球料理店があるようです、たしかに美味しい。

 最近も親類のおばさんが作ってくれた「ジューシーメー(雑炊飯)」、中味のお汁、魚料理etc.
 絶品でした。

 今日は沖縄の食べ物の話を書きましょう。

 たの研が最近作成した〈学校でたのしく使おう島言葉〉の「給食編」には〈芋/ンム〉がのっています。

 1600年ごろ野国総監が中国から持ち帰った農作物で、琉球では一般的に〈ンム〉と呼ばれていました。
 野国総監の出身地、今の嘉手納町のWebサイトにはこうあります。

 私たちの沖縄では、野國總管によって中国から導入されたということから、蕃藷の中国音である「ハンス」を、そのまま甘藷名として使っていましたが、一般的には「いも」とよんでいました。
 方言では「ンム」・「ウム」といいます。
 奄美大島や沖永良部島などでも、沖縄同様に「ンム」とよんでいます。

https://www.town.kadena.okinawa.jp/kadena/soukan/book/50.html

 その後、薩摩藩(今の鹿児島県)が琉球に侵攻し、当初は鹿児島県では〈唐芋/カライモ〉と呼ばれ、鹿児島以外では〈琉球イモ〉とも呼ばれてきました。

今でこそサツマイモという呼び方が一般的だが、伝来の跡を示すように、鹿児島ではカライモ(唐芋)と呼ばれ、他では琉球芋と呼ばれていた。

https://www.honkakushochu-awamori.jp/column/sj-ouka/vol_59.html

 古い言葉にならって私も時々「リュウキュウイモ」と呼ぶことにしましょう。

 

 リュウキュウイモの料理では、学校給食で出るこういう一品も大好きです、大学芋です。

 

 給食に出てきた時や、家庭で出てきた時には「サツマイモは島言葉で〈ンム〉、よその地域では〈リュウキュウイモ〉って呼ばれていたこともあるんだよ」という話をしてあげてはどうでしょう。

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たのしい授業を学ぶ先生たちの姿ー授業は単なる技法ではない

 たのしい教育を学びにくる先生たちがいます、たくさんの先生たちが学校で生き生きと授業をしてくれています。

 時々「たのしい教育の技法を学ぶ」と勘違いする先生たちがいるのですけど、そういう方たちはやはりうまくなるまでに時間がかかります。

 例えば空手は〈敵を最短時間で倒す〉ことが基本であるように、たのしい授業は「こどもが大好きで、その子どもたちの知的好奇心を高めたのしく賢くなってもらう」ことが基本です。
 その基本が木の幹の様に立っていないと、いろいろな技法が多方面に枝葉を広げていって、表面的で、こども達の心を動かさず、こども達も授業している先生自身もたのしいと感じない授業になってしまうのです。

 もちろん幹だけしっかりしていても、たとえば〈魅力的な詩の授業をどう構成するか〉〈たのしい図形の授業の導入は〉といった手立てが思い浮かばずに、動きがとれなくなっていくこともあります。

 なので基本的な〈幹・見方・考え方〉と〈具体的に方法〉はセットです。

 さてこれは八月にスタートしたスーパーバイズの最終回の様子です。

 みんなとても授業がうまくなりました。

 自信をもって生き生きと授業する姿は「この先生は本当にこども達が好きなんだな」と思わせるものでした。

 自らがたのしく伸びていく、そして子ども達が「この先生のクラスでよかった」と感じてくれる、そういう先生たちを学校現場にどんどん送り出したいと思います。
 みなさんの応援が大きな支えです。

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たのしい〈沖縄島ことば〉たのしい国語・たのしい学習「アサバン」は昼ごはん?/朝飯(アサバン)考

 たのしい島ことばの検討会を学校の先生たちと重ねている中で分からなくなってきたこと、つまりは自分の中の問題意識がハッキリしてきたことがいくつもあります。その一つが「〈朝飯/アサバン〉は昼ごはんだ」という説明です。

 web上にもそういった説明がたくさんみつかります、中には「変な感じですけど間違わないようにしましょう」という注意書きまで載せているものもあります。

 私いっきゅうは沖縄の中部で生まれ育ったのですけど、その説明には大いなる違和感をおぼえざるをえません。
 これだと沖縄では「朝のことを昼といっていました」と説明する様なものです。

 朝を昼と思えというのでは私の〈こども感覚〉、大切な知的好奇心が砕けてしまいます。「つべこべ言わずにまずこう覚えてください」という教育は過去のものです、教育は〈知的好奇心〉を高めるものでこそあれ、学ぶ意識を砕くものであってはいけません。
 島言葉の普及にも〈たのしい教育〉が関わることできっと学校教育との親和性が高まっていくことでしょう。

 こういう時に「テレビでいっていたから正しい」とか「○○先生が言っていたから正しい」「たくさんの人がいっているから正しい」という判断は間違いのもとです。
 自分で予想を立てて、歴史をたどることです。

 まだ研究途中なのですけど、ほぼこれで間違いないだろうとおもいます。出展などを入れると長くなってしまうので、これまでまとまったことをシンプルに書いてみます。ご意見や異論があればぜひお寄せください。

〈朝飯/アサバン〉考

文責 たのしい教育研究所 きゆな 2022.09.04

 

 日本でもかつて〈1日2食〉であった様に琉球・沖縄もかつて食生活は〈1日2食〉でした、それだけの食生活でつりあう活動量・労働量だったわけです。
 朝起きてはじめに食べるものが〈アサバン/朝飯〉で、日が暮れる頃に食べるのが〈ユウハン・ユウバン/夕飯〉でした。
 今の様に急いで食べる必要はなく、たとえば9時、10時あたりに食べていたのでしょう。
 人口も増えてきて、家族の食生活を支えるためにも仕事の量は増えていきます、すると、ゆっくり仕事に出かけるのではなく、日が昇るとすぐに一仕事する人たちも増えていきました。
 お腹がすいては仕事がはかどりませんから〈朝早く食事する〉必要もでてきます、動物として必然的な流れです。

 そうやって〈早朝の食事〉〈朝ご飯〉〈夕ご飯〉の三食となったわけです。

 早朝のことを日本の古語では〈つとめて〉といいます。
 枕草子の冒頭の章にある「冬はつとめて」がそれ、「冬は早朝がいいよね~」ということばです。

 琉球沖縄では早朝に食べる食事を「シティミテムン」と呼びます。妙な言葉だとおもうかもしれませんけど、それは〈つとめてムン/早朝に食べるもの〉という意味です。
 琉球沖縄の言葉には日本の古語がいろいろ入っているのだという話をこのサイトでも書いてきました、この〈シティミティムン=つとめてムン〉もその一つです。

 早朝ものの食事、シティミティムンが入ってきたので、これまでのアサバン(朝ごはん)は昼あたりにずれていきました。従来の〈朝飯/アサバン〉は今でいう昼に食べる食事になってしまったわけです。

 以前は朝に食べていた食事を昼に食べる様になったので、琉球・沖縄では昼に食べるご飯を〈アサバン〉と呼ぶ様になったというわけです。

 こども達にもこういう歴史的な流れを教えてあげてから「以前は朝に食べていたアサバンは昼頃にとるようになってしまったから、沖縄では昼ごはんを〈アサバン〉と呼ぶことがあるんだよ」という様に伝えたら、私の様に「意味わからない」という人が激減すると思います。

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言葉に残る歴史/〈台風〉/たのしい国語・たのしい学習

 久々に強い台風が沖縄にやってきました、風に曲る木々。

 立ち上る波。 

 強い風のパワーはすごいものがあります。

 ところで中学・高校の頃から〈たいふう〉は「大風」ならわかるけれど、どうして台所の〈台〉で「大風」なんだろうと思っていました。

 今日、スタッフとその話をして、みんなで予想して実際に調べてみました。

 みなさんはどうして〈台〉風と書くのだと思いますか?

〈台〉に強烈なという意味があるのでしょうか?

 それとも風を生む支えとして〈台/だい〉ということで〈台風〉なのでしょうか。

 例のごとく〈諸説ある〉というスッキリしない解説が数々並んでいたのですけど、おおよそこういう流れの様です。

A.もともと台湾・中国で呼んでいた「大風」がヨーロッパ、アメリカに渡って「タイフーン」となる⇨それが再び台湾・中国に戻ってきた時「颱風」の字を当てる⇨簡略化されて「台風」となる。

B.〈台湾近くに来る強風〉だから「台風」、つまり台湾付近の強風

台風/たいふう

 なるほど。

「大風」という私の予想はかなり本質をついていた可能性があります。

「台湾付近の強風」だから「台風」という説は意外だったのですけど、それはそれでアリだなと思います。

 言葉をそのまま素直に受け入れるのもよいのですけど、こだわって調べていくと、その歴史や本質、その頃の人々の見方考え方を知ることにもつながります。

 たのしい学習、たのしい学力向上、たのしい自由研究でいきましょう。

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