自由研究〈小さな世界〉Box

〈小さな世界〉の授業を北谷町と那覇市とで実施しました。予想通り大好評の授業となりました。子どもたちも大人の皆さんも、かつてロバート・フックさんやレーウェンフックさんたちがワクワクしながら研究した様に、いろいろなことに予想を立ててドキドキしながらその観察(実験)をしてくれました。

 その中で作成した〈自由研究Box〉を宝物の様に抱えてもって帰っていく子どもたちの姿が印象的でした。
 それぞれが家で工夫してくれると思います。
 こういうBoxです。

 いろいろな自由研究にも応用できると思います。

 たとえば
〈タネの研究〉
〈色の重なりの研究〉
〈電気を通すもの、通さないものの研究〉
〈磁石につくもの、つかないものの研究〉
など、どうでしょう。1日1度のここの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=ジャンプ先でもワンクリックお願いします!

板倉聖宣「日本にはもともと〈勉強はたのしい〉という発想が無かった/板倉聖宣2001.11.9 沖縄市市民会館

 「日本にはもともと〈勉強はたのしい〉という発想がなかった」という話は、仮説実験授業研究会代表 板倉聖宣(日本科学史学会会長)が沖縄に来てくれた時の講演からお届けします。〈たのしい教育〉の骨子となる発想法です。

 科学はどんどん進歩しております。ですから新しい知識をどんどん教える必要があるのです。しかしそれは上の方の学校で教えることになっていて、小学校・中学校の教育は昔からほとんど変わっていません。
 私が入った頃、小学校の段階では〈物理離れ〉というのはまだありませんでした。しかし中学校ではどんどん〈物理離れ〉が起こっていました。

 なぜ起こるのかというと、一つには、もともと日本には《勉強がたのしい》という発想がなかったからです。
 勉強はたのしくないけれど〈出世のため国家のためにしかたなくやるものだ〉という意識だったのです。
 ですから〈たのしいような勉強にしよう〉とした人はほとんどいない。
 覚えやすいように努力しようとした人はいたのかもしれませんけど、たのしくしようという人はほとんどいませんでした。

 そういう中で〈たのしい教育〉を推進することは簡単なことではありません。

 しかし同時に、その活動をすすめながらしみじみと〈たのしさの方向にこそ未来がある〉という実感しています。
 人間は〈たのしさ・楽しさ〉を求めています。苦しく辛いことを目標に生きている、という人はほとんどいないでしょう。多くの人たちが〈苦しさ辛さ〉に耐えることができるのは〈未来のたのしく豊かな日々〉を想ってのことです。
 本格的な教育内容を提供し、そのたのしみを味わうと同時に子どもたちに本質的な力を育てる。


 そのたのしい教育活動に全力投球する日々です。
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この先生たちの活躍が未来の沖縄の元気を創る

 教師にとっての夏は漬物の様に〈研修〉に浸る夏です。学校教育に課せられる、あるいは期待されるものは多岐にわたり、その一つひとつの内容は〈達成目標〉ではなく〈方向目標〉的なもの、つまり〈ここまで学べばOK〉というものではなく、前に前にと膨大な内容を学び続けることになる。30年近くそういう中で教師を続けてきたので「先生たちは楽ですよね」という方や「近頃の教師というのは」という言葉に、そのまま頷くことはできません。そういう中で保護者の皆さんや地域で教育活動している皆さんと学校の先生たちの信頼関係を築いていくのが〈たのしい教育研究所〉の取り組みの一つです。

 たのしい教育研究所で学んでいる若い先生たちから「研修もたのしくがんばっています」という暑中見舞いメールが届きました。

 とてもうれしいメールだということに加えて、写真から見る姿に、力をつけて来た様子がみえて、喜んでいます。
 
「〈学ぶことがたのしくてならない〉という子どもたちを育てる力のある教師」
それがたのしい教育研究所が育てている教師です。
「日本にはもともと教育がたのしいという発想はなかった」というのは仮説実験授業研究会代表の板倉聖宣が沖縄での講演会で語ってくれた言葉です。だからこそ、本気でこの活動に全力を注ぎたいと思う日々です。板倉聖宣のそのお話は次回紹介させていただきます。1日1度のここの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=ジャンプ先でもワンクリックお願いします!

たのしい教育で本格的な科学にのめり込む子ども達

〈本格的な内容であるほどたのしい授業となる〉という言葉は、たのしい教育研究所のバックボーン(骨子/元々は背骨という意味)です。枝葉の部分を取り出して授業するのではなく科学の骨格・学問の骨格を取り出して、その感動が伝わる様に授業を構成するのです。教科書があるわけではありませんから、その授業プランづくりに時間だけでなくかなりの知力体力を必要とします。
 今回は琉球銀行主催のキッズスクールに講師として要請され、以前から構想をまとめていた〈小さな世界〉の授業をして来ました。

 ロバート・フックやレーウェンフックが切り開いた小さな世界を、子どもたちが感動する様に構成した授業です。
 県内のいろいろなところから集まった小学校高学年の子どもたちが会場いっぱいに広がって、しかも家族の方達も一緒に参加してにぎわいました。

 はじめは違う学校同士で、しかも授業参観の様に後ろで家族が見ている中でしたから、かなり緊張していた様子の子ども達も、自己紹介ゲームなどで気持ちがほぐれて、授業の中では、フックさん達の様に本格的な研究者の様相になってきました。

 授業は「たの式けんび鏡」という20倍・30倍の〈単式けんび鏡〉を作成して、予想を立てながらいろいろなものを研究していきました。
 たの式顕微鏡で小さなものを見る練習として〈偽札をさがせ〉で盛り上がり、使い方に慣れてもらったところで本格的な研究(予想チャレンジ)に入ります。

 どういう内容で予想チャレンジを構成すればよいのか?
 その方法は科学の歴史(科学史)を研究するところから始まります。
 今回の授業でいえば〈小さな世界〉の魅力・感動を私たちに伝えてくれたロバート・フック、レーウェンフックの研究をたどるとよいのです。

 授業は小学校の授業単位でいえばたっぷり4校時分です。
 授業が進むにつれて、どんどん関心度・集中度が高まってきました。
 この姿をごらんください。
 たの式顕微鏡(単式顕微鏡)の使い方も本格的で、まるでレーウェンフックさんの様です。

 授業の内容は、無生物(物質)の研究から始まって、生物の研究にすすみます。

 物質の研究の中で感想評価にもっとも多く、その感動をしるしてくれたのが〈火花は物質なのか、物質ではないのか〉という予想チャレンジです。
 この「シュッ」と擦った時に飛んでいく火花です。

 大人に聞いたところによると、圧倒的に〈イ:熱や炎のように物質ではない〉が多く、今回も一緒に受けてくれた保護者の皆さんに質問すると、同じ予想となりました。
 子ども達はアイが半々というところです。

 まだ那覇市での授業が残っているので、答えは書かずにおきますが、どの予想の人たちも、つまり予想が当たった人もはずれた人も「おー」と盛り上がってくれました。
 興味のある皆さんはこれからのサイトの記事に注目していてください。

 これはたっぷり4校時分の本格的な授業が終わってあと、テレビ局のインタビューに答えている子ども達の様子です。何人もの子どもたちが次々とインタビューに答えてくれていましたが、どの子も一様に「たのしかった!」と答えていました。そして、ニコニコしながら表情豊かに答えている姿が印象的でした。
 子どもたちだけでなく、参観してくれた保護者の皆さんも授業後にわたしのところに来てくれて、〈この流れに引き込まれました〉〈感動しました〉という感想をたくさん話してくれました。

 この子たちの中から将来ノーベル賞を受賞する人物や、多方面で活躍する人物が生まれるに違いありません。将来がたのしみです。ますます〈たのしい教育活動〉に熱意がこもる日々です。

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