たのしい「べっこうあめ」づくり=講座受講の方からの嬉しい便り

 研究所には質問だけでなく感謝の便りが届きます。
 今回は、講座「たのしく伸びようよ 夏!」を受講した先生からとどいたお便りを紹介させていただきます。

 自作のプリントで、特別支援学級の子どもたちとたのしみました、という内容です。
 わたし(いっきゅう)をはじめ、たのしい教育研究所のスタッフの数名も特別支援の免許を持っていて、「特別支援クラスでたのしい教育」というテーマも重要な一つです。

 その私たちの目から見ても「三種類の砂糖の変化をたのしむ」というのは、おもしろい視点だと感じています。
 おそらく普通学級でもやっていないでしょう。

 そして何より嬉しいのは、
「これまで経験したどの授業参観よりも、一番たのしい時間になりました」
という言葉でした。
 こういう先生が増えていくことが、明るい未来の礎になると思っています。

 ますます元気に活動する日々です。

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 夏休み明けの授業参観で、たのしい教育研究所の夏の勉強会で学んだ「べっこうあめ作り」に、さっそく挑戦してみました。

 私が担任する特別支援学級では、今年から支援学級に移ってきた子の保護者や、しっかり学力をつけさせたいと考えている保護者もいます。そこで「単に遊ばせている」と誤解されないように、こういうプリントを作って、仮説実験的な授業にしようと思いました。

たのしいべっこうアメ 授業の中で
 ①白砂糖、②グラニュー糖、③三温糖の3種類であめづくりに挑戦しました。

 それぞれのぐつぐつ具合や、色の変化、かたまりかたを予想させて、たしかめながら作っていきます。

 白砂糖とグラニュー糖では微妙に色が違うことや、三温糖はかたまりにくいことなどが実際に作りながら発見することができ、子ども達もワクワクしながら参加してくれました。そして、その姿を見た保護者の皆さんもとても満足されていました。

 子ども達も、保護者も、そして教師自身も、これまでに行ってきた授業参観の中で、いちばんたのしい授業となりました。

 さらに、その日の昼休みに、支援学級の子Aさんと修学旅行で同じグループになる通常学級の子も何名か呼んで、もう一度べっこうあめ作りをしました。

 Aさんは普段、どうしても通常学級の教室に入ることができないのですが、この日はべっこうあめのおかげで、グループの子達と楽しく交流することができました。

 今年はものづくりにたくさん取り組みたいと思っています。

 次は同じく夏の勉強会で学んだ「紙とんぼ」づくりに取り組んでみたいと思います。有難うございました。

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たのしい散歩のすすめ3 ヤンバルクイナを南部で発見か。

  さて、南部のショッピングモールの後ろ側を散歩していると、ヤンバルクイナの様な鳥が見えた、というお話からです。

 これがその時の写真です。
 ご覧ください。

ヤンバルクイナ?

 ヤンバルクイナ(はく製/国立科学博物館の展示)はこれ⇩です。

ヤンバルクイナ 大きさ的にはほぼ同じくらいです。

 腹側の白黒シマシマに見える部分は確認できませんが、格好がよく似ています。
 くちばしも赤く見えています。

 拡大して撮った写真がこれです。画像が荒くなっていますけど、顔も少しこちらに傾けてくれたので、くちばしも赤っぽく見えています。

クイナ類
 ヤンバルでなくてもヤンバルクイナがいる、というのは不思議なことではありません。例えば、ミシシッピアカミミガメという亀はアメリカのミシシッピー州だけでなく、日本中に生息しています。
 与那国に生息する「ヨナグニサン」という最大クラスの蛾(ガ)は、西表島にも生息しています。
 ですから、ヤンバルクイナが数十キロ離れた南部にいるということも、決してありえないとは言えない。

 彼(彼女)はそのうちに歩いて別なところに行ってしまいました。

 さて、わたしが見たのはヤンバルクイナでしょうか。みなさんの目にはどう映りましたか?

ア.ヤンバルクイナだと思う
イ.ヤンバルクイナではないと思う
ウ.その他

 

  ではすこし調べてみましょう。
 インターネットはかなりのツールです。
 きっと答えにたどりつけるのではないかと思っています。

 ヤンバルクイナは「クイナ」の仲間です。

 公益法人山階鳥類研究所のサイトにクイナの系統図がありました。
 「世界には130種ほどのクイナの仲間がいる」ということです。

クイナの仲間 130種類ということは、同定(それと同じものだと判定すること)するのも難しくなさそうです。

クイナの仲間はこのように説明されています。
ウィキペディア

湿原草原森林などに生息する。多くの種は単独で生活するが、一部の種は群れを形成して生活する。渡りを行わない種が多い。

食性は雑食(一部の種は植物食)で、昆虫両生類、鳥類の雛、小形哺乳類果実種子などを食べる。

繁殖形態は卵生。多くの種で婚姻形態は一夫一妻で、多くの種で繁殖期ごとにペアが解消される。樹上や茂みに植物の葉などで巣を作るが、水生植物の間 や浅瀬に植物の葉や石を積み上げた巣を作る種もいる。雌雄交代で抱卵する種が多い。雛は孵化してから数日で巣から離れるようになる。雌雄共に育雛を行う。

 

 

「ヤンバルクイナ」がとても有名ですけど、クイナの仲間はいろいろいるのです。
 予備知識はこれくらいにして、インターネット検索で
「沖縄 クイナ」と打ってみましょう。

 居酒屋さんのサイトなど、いろいろな情報が出てきますが、「画像検索」にしてみる、クイナの仲間の写真がいろいろ見つかります。

 沖縄にはクイナの仲間がいくつかいるのです。
 シロハラクイナという種類もいました。

シロハナクイナ

 10分くらい調べているうちに、こういう鳥が見つかりました。➡︎こちら

クイナ科 バンバン
 ツル目クイナ科
 Gallinula chloropus
 レッドデータブックなどによる指定なし
バンは全長32cm。沖縄では留鳥とし繁殖します。河川、水路、水田、湿地などに生息します。水辺が好きで、泳ぎも得意です。沖縄本島の中南部 を流れる川にもいますので、身近な鳥のひとつです。

わたしの写真と比べてみてください。

クイナ類
「バン」だと思って間違いないでしょう。
 人は、どれくらいの距離を歩くことができるのか、という話から、アラスカの話、そしてやっとヤンバルクイナの話になりました。

 歩みを散らす「散歩」のように、文を散らす「散文」となりました。

 散文とは、韻を踏んだり、俳句のように決まりに従ったりする文章ではなく自由に綴られたものをいいます。

 散歩も散文も、たのしいことがたくさんです。

 ということで、長くなりましたが、「たのしい散歩」シリーズをここで終えておきます。

たのしさはいろいろなところに見つかります
たのしい教育研究所の活動もどんどん広がっています

たのしい散歩のすすめ(安全に注意して)クイナの仲間編 その2/「散歩」という言葉も好きです

 たのしい散歩というタイトルで軽く書き始めたのですが、好きが故に書くことがどんどん広がってしまい、項を分けて掲載させていただくことにしました。

 さてタイトルに「たのしい散歩のすすめ」と書きましたが、「散歩」のことを「ウォーキング walking」という英語で表現する本や雑誌、記事を目にします。

 辞書でも
 散歩を Walk(ウォーク)と訳して、散歩すること、散歩に出かけることを go walking と書いたりしています。※出典はあえて示さずにおきます

散歩 ウォーキング  「散歩」と「ウォーキング」という言葉について、みなさんはどういうイメージを持っているでしょう?

 わたしの理解では、この2つはかなり異なります。

 ウォーキングは、歩くことが主体です。

たのしい散歩ウォーキング3

 しかし散歩は、歩(あしどり)が散ると書きます。
 あっちに行ったりこっちに行ったり、止まったり急いだり・・・
それが散歩です。
  たのしい散歩2 以前、アルフォンスという名のハスキー犬を飼っていたことがありました。

 アルフォンスと歩くと、あっちでクンクンしたかと思うと、こっちの草むらに潜り込む、すくっと背伸びして突然走り出したり、止まったりetc.
 まさに歩が散っていました。

 散歩というのは、そういうものだと思っています。

 そして私はウォーキングではなく「散歩」が大好きです。言葉も「歩みを散らす」という表現は悪くないと思っています。

 この道は今まで歩いた事がないな、という様な道を歩くチャンスがあると、とても嬉しくなります。

 会議などの合間に、その近くを歩く事もよくあります。

 某日、南部で会議がありました。
 1時間くらいの時間が空いたので、本屋さんに行こうと、近くのショッピングモールに向かいました。

 夏休みのせいか、駐車場が満杯で、何とか停められたのは、建物と外と数歩くらいのスペースです。

 降りてふと見ると、そばに小さな川が流れています。
 散歩好きの私の心がゆすぶられ、本屋にはいかず、その川を歩く事にしました。

 すると、そこに鳩と鶏の中間くらいの鳥がいたのです。
 色は黒。

 ヤンバルクイナ!
 え、南部にですか?

 ゆっくりと携帯のカメラを構えました。

つづく

 

 

 

沖縄の鳥の仲間たち クイナの仲間=たのしい散歩のすすめ(安全に注意して)その1

   沖縄の北部を昔から、といってもいつからそう呼んだのか調べていませんが、「山原(やんばる)」と呼んでいました。高い地を「高原(こうげん)」と呼び、手を入れてない広々とした地を「原野(げんや)」と呼びますが、それらをミックスした表現系です。

 そのヤンバルで珍しい鳥が発見されました。
「ヤンバルクイナ」といいます。
 飛べない鳥だということですが、わたしがヤンバルで教師をしていた頃聞いた話では、鶏(ニワトリ)くらいは飛ぶ、という話でした。食用にもしていたということです。

 ところでわたしは歩くことが大好きです。
 いつかとても時間ができたら、わたしという人間はいったい地球上のどのくらいの道や道なき道を歩いてきたか、地球上で自分が歩いた道をプロットしてみようと思っています。とてもたのしみです。

 ところでみなさんは、一生のうち人が歩く距離はどのくらいになると思いますか?
 予想してみませんか。

地球 地球一周は約4万キロメートルです。
 
 もちろん人それぞれですから、自分自身が一生に歩く距離はどのくらいかな、という様に考えてみるといいと思います。

予想 人(わたし、あなた)の一生に歩く距離は
 ア 地球一周の1/4くらい
 イ 地球の半周くらい
 ウ 地球一周くらい
 エ もっと長い

どうしてそう予想しましたか?

 この問いに正しい答えることは困難ですけど、わたし(いっきゅう)自身のことでいえばおおよそのことは予想できます。

 少し考えてみましょう。

 沖縄島は端から端まで約100kmというものさしの様な島です(詳しくは106.6km ウィキペディア)。

沖縄島
 沖縄島を10 縦に並べれば1000kmですね。
 100並べれば1万km、400並べれば4万km、つまり地球一周です。
 沖縄島を縦に歩いて1回、戻って1回、そうやって400回歩けば地球一周と同じくらいになります。
 地球一周って、そう、途方もない距離ではない気がしませんか。

 私はよく県外主張に出ます。
 前回の県外出張4日間で万歩計に出た距離が約30キロメートルでした。
 前々回の県外出張4日間でも同じくらいでした。
 特に会議続きでなければ、わたしが出張先で歩くのはおおよそそれくらいなのではないかと思います。すると三回の出張で100kmくらい歩くことになります。

 時々、研究所から歩いて自宅まで帰ることがあります。約5kmの距離ですから、20回で100kmほどになります。
 この二つのことだけですでに沖縄島2回、200kmです。

 地球一周、沖縄島400回分の距離というのは、わたしの一生のスケールで考えれば軽くクリアーできる数字です。

 都会にすむ方達は沖縄の車社会とは違っていて、1日10kmくらい歩いている人たちも少なくない様です。
 すると、100日で1000km、1000日で10000km、4000日で地球一周くらいになります。4000日というと約10年です。
 1日5kmくらい歩く人なら、20年では地球一周するくらい歩いた計算になりますね。
 地球を歩いて一周することは、不可能ではなく、意外にクリアーできる数字だということに同感してくれる方達も多いのではないでしょあか。

 昔を遡(さかのぼ)れは遡るほど、歩く距離は長かったことでしょう。たとえば江戸時代の方達は、今の日本人よりよほど多く歩いたことでしょう。
 地球何周というスケールではなく、地球十何周、何十周という距離を歩いたことになるでしょう。
 しかしその頃は「広がり」があまりなかく、限られた地域を歩いていた人がほとんどでした。村からほとんど外に出たことがない、という人たちも多かったはずです。

 わたしの興味は、単に〈歩く距離〉ということだけでなく、〈この広い地球を、どのくらいの広がりで歩くことができたか〉ということです。

 わたしがこれまで、最も長く歩いた、と思うのはリュックを背負ってアラスカを彷徨していた時でした。

アラスカを歩く 軽く書き始めた文章が、まさかこんなに広がってしまうとは思わず、かなり長くなっています。
 一回分は、ここまでにしておきます。
「タイトルのヤンバルクイナとつながるの?」と疑問に思っている方もいるかもしれませんが、次回をたのしみにしていてください。

次回につづく