納得いかないことに従うことは〈教育〉からとても遠いことです。「石はやわらかい」と覚えてくださいといわれるとコンピュータは何の疑いもなくメモリー(記憶)してしまいます。しかし人間はそういわれても納得しません、それはコンピュータよりずっと賢いからです。
長い情熱教師生活の経験上「学校教育の中でなかなか勉強が覚えられない」という人たちは〈つべこべ言わずに覚えよう型〉の優等生より本質的な賢さは上だという可能性が少なくないと思います。
楽しい教育・たのしい教育は勉強が進まないという人たちだけでなく、つべこべ言わずに覚えることが得意な優等生の本質的な才能も伸ばすことができる教育です。
さて前項で「ヨウカンは羊羹」だと書きました。
羹というのは〈あつもの〉と読みます、〈熱い汁もの・お吸い物〉という意味です。
羊羹(ヨウカン)はつまり〈ひつじの熱い汁もの、お吸い物〉という意味です、本来のイメージでいえばこういう湯気のたった汁もののことなのです。
ところが私たちはヨウカンというとこれをイメージしますね。
その由来を調べてみると・・・
鎌倉時代から室町時代にかけて羊羹は中国の禅僧によって日本に伝わったのですが、日本の禅宗ではお肉を食べることが禁止されていたため、精進料理として羊肉をあずきと見立てて作られるようになりました。これが日本の羊羹のはじまりです。
初期の羊羹は小麦粉や葛粉を使う蒸し羊羹が主流でしたが、材料がとても高価でしたので、一般的には甘葛が用いられ、それがやがて砂糖を加えた現代のお菓子へと移り変わっていきました。
他にも、羊の肝臓のかたちをした「羊肝こう」という中国のお菓子が日本に伝来した時に「肝」が「羹」となったという説があります。どちらにしても日本のスイーツの顔・羊羹は中国で生まれたものだったなんて、びっくりですよね。https://news.1242.com/article/144520
とありました、いろいろ調べてみてもこういう説明しか目にすることはできませんでした。
さてみなさんがもし国語の時間に「ヨウカンの由来に」としてこういう内容を教えられたとします。
「本当は羊の肉の汁料理だったんだけど、日本では羊の肉をあずきにかえて、今のヨウカンの形になりました、不思議ですけど覚えておきましょう」
そういう言われて
「は~い!」
と声を上げる人の一人でしょうか。
それとも「・・・」と黙ってしまうタイプ?
あるいは「つまらない」と感じてたとえば運動場で体育をしている人たちの方を向いてしまう人でしょうか?
私はそういうことを言われたら「つまらないし、そんなの信じられない」と感じるこどもでした。
信じられないことを信じたふりをするのではなく、「そんなの信じられない」というタイプの人間のまま教師になり、30年くらい勤め、その後フリーとなって自分の授業の腕で勝負できるようになりました。
いろいろな先生たちが学びに来てくれます、日々たのしく暮らしています。
教育がいろいろなこども達の興味関心を高めて本質的な学力を高めていくものになる、それがたのしい教育研究所のテーマです。
かつての私のようなこども達が学校や家庭で辛い思いをしないようにすることは、たのしい教育の普及と比例します。
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