沖縄のスミレというと〈リュウキュウコスミレ〉を思い浮かべます、かわいい可憐な花です、以前このサイトにもいくつか写真をのせています。
花もそうですけど「すみれ」という名前もステキですよね。
その感じが牧野富太郎の本の一節を読んで以来、違うものに感じられる様になりました。
「スミレ名」談義
スミレという名を聞けば何んということなしにそれが佳い名で慕わしく感ずるのであるから、これはそのスミレなる名の起りに対し盲目であるのが寧ろ賢こいではあるまいかと思われる。何んとならば実は一たびその語原を識れば、どうも彼れの美名が傷けられるような気がしてならないからである。
スミレはかの大工の使う墨斗の形ちから得た名で、それはスミレの花の姿がその墨斗に似ているからだというのである。すなわちそのスミイレのイが自然に略せられてそれがスミレと成たのだと言う訳だ。
あの爽やかな名前が〈墨入れ〉からきたというのはギャップが大きいと思うのですけど、どうでしょう。
〈スミレの語源が墨入れだ〉という説をweb検索すると、こういう写真が出てきます。
大工さんたちが板などに直接を引く時に使うとても便利な道具です、左側から突き出ている糸のついたピンを引っ張って木の端に突き刺し、糸の真ん中あたりを手でつまんで少し持ち上げ離すと糸に染み込んだ墨が板にポンと移ってきれいな直線がきざまれます。
そのカッコイイ手作業を子どもの頃見たことがあったのだけど、今の大工さんの仕事で使っているのだろうか・・・
それはそれとして、この道具は〈墨入れ〉ではなく「墨壺:すみつぼ」と呼ばれています。牧野富太郎が墨入れを〈墨斗〉と書いているのですけど、〈墨斗〉も〈すみつぼ〉と読みますから、しっくりきません。
墨壺が墨入れと呼ぶとしても、スミレ、リュウキュウコスミレが似ている様には見えないのだけどな。
「牧野富太郎が言っているからただしいのだろう」という人もいるかもしれません、でも人間の認識には間違いということもあります。
みなさんはどうでしょう、すみれが墨壺・墨入れに似て見えるでしょうか。
つづく
① 毎日1回の〈いいね〉クリックで「たの研」がもっと強くなる!⬅︎クリック
② たのしい教育を本格的に学ぶ〈たのしい教育メールマガジン-週刊/有料〉を購読しませんか! たのしい教育の実践方法から発想法、映画の章ほか充実した内容です。講座・教材等の割引もあります(紹介サイトが開きます)
③ 応援として〈SNSや口コミ〉でこのサイトを広げていただければ幸いです!